星の王子さまをフランス語で読む (ちくま学芸文庫 カ 17-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 104
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480085795

作品紹介・あらすじ

『星の王子さま』!世界中の人びとを今なお魅了するこの作品を、原文で読んでみませんか?サン=テグジュペリの詩的で美しいフランス語にじかに触れてみたい方はもちろん、自分のフランス語を試したい方にもぜひ。本書では、一緒にこの名作を読み解きながら、冠詞、形容詞、動詞の活用法や発音などの基本的な文法を学ぶとともに、原文だけがもつ微妙なニュアンスを味わいます。入門者から中級者まで、生きたフランス語を楽しく学びましょう。

感想・レビュー・書評

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  • ずっと触れていなかったフランス語を少しでも思い出そうと本棚にある本書を手に取った。一度大学で勉強していたので、内容はすらすらと追うことができた。このように、本書は一度学んだことのある者が、再度文法を概観したり、フランス語の原文の引用も多いので、その調子を思い出したりするのに最適であったと思う。
    フランス語そのものだけではなく、「星の王子さま」を再読する際の手引書としても良書ではないだろうか。物語のあらすじを追いながら、内容的に重要な意味を持つ箇所や、著者がぜひフランス語の原文を味わってほしいと考えられた箇所が挙げられていて、「星の王子さま」を読み返した気にもなるし、フランス語も分かったつもりになってしまうような本であった。
    フランス語の原文を読む楽しさを、久しぶりに素直に感じることのできた素晴らしい本だった。また、「星の王子さま」そのものへの解説書の役割も果たしている。例えば、
    ・serieuxの持つ複数の意味合い(何をシリアスとみなすか)、・onを使うことによる一般化、onは英語にはないこと、・「大人」と「子ども」の違い、・et一つでも意味がたくさん、英語や日本語ではもう少し説明的になってしまうところを、フランス語ではonなどを使い意味の使い分けができる、など、他言語の表現との比較などを説明に用いて、語学的な解説を内容的な、文学的な解説にまで高めていることが本書の特長で、しかも小難しくならずに、わかりやすく解説している。このような良書を今までなぜ積読していたのか。。

  • フランス語は分からなくても、英語ならそれなりに理解できるので、原文、オリジナルの文章については、やはり書かれた言葉で読む方が表現まで理解出来るのは良いことだと思います。

    フランス語が分かれば是非チャレンジしたいところでした。

    何々法と、文法の話しについてがかなり多く読み進めにくいものでしたが、どういう書き方をしているからこう読み取れると的確に書いてある感じで読んでいて星の王子さまを前よりも理解できたと感じました。

    面白かったです。

  • 『星の王子さま』は本当に深い著作。原文の香りを伝える上質な解説に、もう一度フランス語に向き合いたくなる。

  • サン=テグジュペリの『星の王子さま』のフランス語をあじわうための手引きです。

    フランス語の基本文法についての解説をまじえながら、ストーリーについて著者自身の解釈が示されています。また、原文のフランス語がもつニュアンスについても、多少立ち入った説明がおこなわれています。

    「これは文法書ではありませんので、ごく基本的な規則だけに触れます」と本文中に書かれているように、本書だけでフランス語の文法を学ぶことのできる本ではありません。ただ、一通りフランス語の文法を学んだ読者にとっては、フランス語の基本文法の解説はまどろっこしく感じられるのではないかと思ってしまいます。いちおうフランス語の基本は習ったけれども、しばらくフランス語に触れておらず文法の知識はかなりあいまいになってしまっているというひとであれば、本書をきっかけにフランス語の学習を再開するのもよいかもしれません。

    とはいえ、なによりも『星の王子さま』という作品そのものの魅力のおかげで、それなりにたのしみながら読むことができました。

  •  
    ── 加藤 恭子《「星の王子さま」をフランス語で読む 200010‥ ちくま学芸文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4480085793
     
    (20180204)
     

  • 請求記号:857.5カ
    資料番号:010718526

  • 原本と日本語訳とこの本を持ってぜひチャレンジ!!絶対面白い!

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著者プロフィール

加藤 恭子 (かとう きょうこ)
1929年、東京に生まれる。
1953年、早稲田大学文学部仏文科卒業と同時に渡米・留学。
1957年、ワシントン大学修士号。フランス留学、再渡米を経て1961年、帰国。1965年、早稲田大学大学院博士課程修了。1965年からマサチューセッツ大学。
1973年から上智大学講師。専門はフランス文学。
現在 (財)地域社会研究所理事、「加藤恭子ノンフィクション・グループ」代表。
第43回日本エッセイスト・クラブ賞、第11回ヨゼフ・ロゲンドルフ賞、
第65回文藝春秋読者賞受賞。
著書『英語を学ぶなら、こんなふうに』(NHKブックス)
『アーサー王伝説紀行』(中公新書)
『「星の王子さま」をフランス語で読む』(ちくま学芸文庫)
『やさしい英語のリスニング』(ジャパンタイムズ)
『日本を愛した科学者—スタンレー・ベネットの生涯』(ジャパンタイムズ)
『老後を自立して』(NHKブックス)
『田島道治—昭和に「奉公」した生涯』(阪急コミュニケーションズ)
『昭和天皇「謝罪詔勅草稿」の発見』(文藝春秋)
『ニューイングランドの民話』(共著、玉川大学出版部)
『直読英語の技術』(阪急コミュニケーションズ)
『昭和天皇と田島道治と吉田茂—初代宮内庁長官の日記と文書から』(人文書館)など

「2006年 『昭和天皇と田島道治と吉田茂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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