文章表現400字からのレッスン (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.68
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本棚登録 : 319
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480086129

作品紹介・あらすじ

よい文章-つまり、わかりやすく、自分にしか書けない、そんな文章を書こう!本書がめざすのは、種類やジャンルを超えたすべての文章に共通する創造的表現。実践的に作文用紙に鉛筆を走らせ、友達やプロの作家の作品を味わい、創作の過程を通して自分の言語観や文章観を鍛え直す。具体的で多様な課題に取り組むことにより、発想を形にする方法、から文章を構成する手順、ことばの磨きかたを体験的に修得する文章表現の実戦書。もう何を書けばよいかわからない、なんて言わせない。

感想・レビュー・書評

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  • 著者が大学で行なった文章表現講義を基にした本。よい文章を、「自分にしか書けないことをだれにも分かるように書いた文章」と定義し、その実現のためのレッスンを展開している。
    学生たちの作品をすべて実名表記で数多く載せている点がユニーク。
    著者の主張もなかなかに考えさせられるものが多い。(すんなりと納得できるものもあれば、賛否が分かれそうな意見もあるが。) 気になった点を以下に引用しておく。
    ・言語記号が結ぶのは、ものと名前ではなくて、概念と聴覚映像である。(by言語学者ソシュール)
    ・文章を書くという作業は、すでにどこかに(頭の中に?)在る「内容」というものを文字に置き換えていく作業だと誤って考えられることがありますが、……「内容」は書かれる前にどこかに在るものではなく、書くという作業によって同時進行的に少しずつ作られてくるものです。
    ・文章はあくまで<表現>です。作者の存在そのものではありません。
    ・日本語が美しいという人は、ことばについて科学的に考えたのではなく、ほとんどが人からの受け売りを繰り返しているにすぎないのです。……私たちがあることば美しいと感じるときには、そのことばが伝える内容(イメージや思想)に私たちが共感しているということなのです。
    ・私たちは他人のことば(考え方)を貯えているのです。自分本来の考え方と錯覚しているものの中にも、実は他人の考え方が忍びこんできています。

  • 昔から、日記と作文が嫌いでした。なぜなら、何を書いていいかわからないし、自分のことを誰かに伝えたいとも思わなかったから。

    でも、「自分にしか書けないことを、だれにもわかるように書く」という言葉を読んで、「あー、こういうとなんだな。文章を書くっていうのは。」と腑に落ちました。

    自分はだれかの文章を真似て終わらせようとしていたんだって。

    自分の経験を書くというのはなかなか慣れないですが、自分の経験と結びつかない、他人の言葉だけの借り物の文章では読んでくれる人に伝わらない。

    そんなことを気づかせてくれる本でした。

  • 中島聡さんの著書にて紹介あり

  • writing

  • Vol.46
    まとまった文章はウソっぽい!?
    http://www.shirayu.com/letter/2009/000091.html

  • 仕事の文章は目的やテーマを設定してから書く。でもこの本がめざす文章は自己表現の一つで、断片から全体を模索して予想しなかった主題に行き着く。全く逆の手順。よい文章を「自分にしか書けないことを誰でもわかるように書いたもの」と定義して話が進む。この「自分にしか書けないもの」が自分にとって課題だった。

    仕事ではない文章をどう書けばいいか、自分の中にあるものはどう見つけて形にするか。大学の講義が基になった構成でわかりやすく書かれている。文章と書き手の人格は別物、演技性や創造性を伴う。一体化している、すべき、という先入観に縛られていると書けないという。

    読むだけでなくて、考えて手を動かさないといけないな。紹介されている学生の実作も面白く、これだけ自由でもいいのだと安心する。

  • 大学で文章表現の授業を担当している著者が、これまでの指導経験に基づいて、じっさいに自分自身のことばを使って文章をつづるための方法を紹介した本です。例としてとりあげられた学生たちの文章が生き生きとしており、400字という短い文章で自己と読者のあいだに橋を架けるという作業の緊張感が伝わってきました。

    以前、本書の著者と共著で『新作文宣言』(ちくま学芸文庫)を刊行している清水良典の『2週間で小説を書く!』(幻冬舎新書)を読みましたが、それと内容のかさなるところもあります。どちらも、ジャンルにこだわらずにことばを使って何かを表現するという原点から出発して、読者をじっさいに自分の手で文章をつづることに導く具体的なレッスンが紹介されており、参考になります。

    それにもかかわらず、本書を読み終えたわたくしは、だれでも書くようなことを、だれでにもわかるような文章(駄文)で書いたレビューをこうして投じているしだいです。

  • 今年の五つ星。
    読み終わった後の高揚感で文字にした方がいいのは分かってるけど、なかなか文章にしようとすると考えてしまうタチでね。
    昨年から表現することについて色々考えてきたけど、僕はおそらく文字にして表現したいということに最近気付いた。
    十人十色な表現の仕方があっていい。
    歌や絵、ダンスや料理など。
    形は様々だけれどその人なりの表現の仕方。
    そんなことを考えると楽しくなってきて文章表現について貪り読んでるのだけれども。
    僕は日本語に魅せられている。
    僕なりの答えだ。
    本を読んで知らない知識を得るのは気持ちのいいもので、知的マスターベーションでもいおうか。
    本当のマスターベーションもいいが、いい文章なんかみるとゾクゾクワクワクしてしまう。
    自分もこんなこと文字にしたい、こんな風に書きたいって、こう表現したいって。
    世の中にはまだまだマスターベーションのネタがたくさんあるなーと感嘆するのでした。

  • 文章教室的な本を何冊か持っているが、私にはこの本がとてもよかった。
    ノウハウとかではなく、とにかく書くこと、自分の感性を磨くことの大切さを学べた。

    10章が特に胸に迫る。
    「文章は、意識的に行われるもっとも高度な思索の場、であり、その成果。それを不用意にも、ジャンルという既成の枠に閉じ込めてしまうのは、文章というものの生まれてくる現場にそぐわない」
    そして、自分の書いたことが受け入られる喜びも念頭に入れつつも、孤独を楽しむ人間が文章を書くということ。
    文章を書いて発表すれば、読者がどう読もうとそれはひとまず受け入れなければならいこと。

    様々な情報に悩まされてきたけれど、この10章を胸に私も文章を書いていきたい。

  • 良い文章とはどんな文章か。

    本書ではその定義を「自分にしか書けない文章をだれにもわかるように書く」としている。

    その「自分にしか書けない文章」を決められたテーマに従い400字で練習しましょうという内容だ。

    文章表現とはその書いている人の考えそのものなんだと本書を読んで感じた。例えばテーマにあげられている「水の入ったコップ」をどう表現するかは人によってさまざまだ。コップを見たまま書く人もいれば、コップから想像する事柄を書く人、コップとの思い出を書く人もいる。表現は自由だが、その文章には書き手の何らかの考えが存在していることは確かだ。

    著者の考えをすこしでも垣間みる試みが読書のたのしみのひとつなんだと気づかせてくれた本である。

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