弓と竪琴 (ちくま学芸文庫 ハ 13-1)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 34
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480086372

作品紹介・あらすじ

「ポエジーは認識、救済、力、放棄である。世界を変えうる作用としての詩的行為は、本質的に革命的なものであり、また、精神的運動なるが故に、内的解放の一方法でもある。ポエジーはこの世界を啓示し、さらにもうひとつの世界を創造する」。叙事詩をはじめとするその起源から、シュルレアリスムや現代詩にいたる詩史を展望し、孤独と共生、自己と「他者」を併せ持つ人間の本質を照らし出す。イマージュと愛と聖なるものの体験によって自由へいたる道を指し示すノーベル賞作家の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 詩ってなんだろう?その源にあるポエジーとは?
    この本を読むと、その力に期待感が湧いてくる。
    それは、言葉=知の持つ限界の壁を、
    同じ手段で壊すことへの期待感かもしれない。
    人はもっと不思議なものだ。

  • 2010/8/30 13:53:40に読了。
    957夜

    歴史的名著である。


    本書は以後の彼の試論の出発点となっているばかりでなく、今世紀に書かれたもっとも刺激的で重要な詩論のひとつと言っても過言ではない。この中でパスはまず、詩とは何かと問いかける。われわれは幼い頃に、あるいは人を愛したときに、一切の対立が消滅し、すべての運動が静止する瞬間、一点にあらゆる瞬間が凝縮した至福の時を持った経験があるはずだが、詩とはその充実し、満たされた瞬間を蘇らせるものだと説く。「詩とは純粋な時間に近づくための道、存在の始源の水にひたることなのである。詩とは時間、絶え間なく創造を行なってゆくリズムなのだ。

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    松岡正剛さんの書評より
    ★ さて、諸君への生きるヒントである。
     何かの専門に従属することがどうにも嫌いだというなら、オクタヴィオ・パスを読むとよい。部屋の中をきれいにしてもどうしても散らかってしまうという本好きは、オクタヴィオ・パスを読むとよい。
     誰かとのつながりや自分の中の異文化への憧れに説明がつかないのなら、オクタヴィオ・パスを読むといい。能も俳句も興味はあるけれど、どうも入口がわからないというのなら、オクタヴィオ・パスに勇気をもらうといい。自分の性格はあまりにもつれていて、説明するのも億劫だというのなら、明日にでもオクタヴィオ・パスを読んで、そんな怠惰とは別れたほうがいい。
     創造的反復を恐れるな。
     これがオクタヴィオ・パスが諸君にもたらした箴言なのである。



    底本は
    El arco y la Mexico / Octavio Paz / 1967
    これの英訳である
    The bow and the Lyre by Ruth L. C. Simms / Octavio Paz 1973
    の日本語訳である。

    この英訳は、大幅な省略がいたずらに目につくものである、と本文にある。

    かなり翻訳には苦労したみたいです・・・、でもこれだけ簡明に書けていて素晴らしいと思います。

  • オクタビオ・パスのいうポエジーとはなにか。

    メキシコの偉大な詩人。

  • 珍しく何度も読む本なので、ぼろぼろ。いい加減再販してほしい・・・。
    西洋東洋の中で個人的に一番素敵な哲学書だと、気に入っています。

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