入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480086655

作品紹介・あらすじ

スミスにはじまりマルクス、ケインズ、シュンペーターと続く経済学の巨人たち。彼らが遺した経済思想とは、どんなものだったのだろうか。彼らはみな、経済的な分析技術の発明者というよりは、自分を取り巻く現実の経済社会と切り結び、人間の営みの本質を「ヴィジョン」として描こうとした「世俗の思想家」であった。-1953年の初版以来たびたび版を重ね、二十数カ国語に翻訳されて多くの学生を経済学へと誘ってきた名著の、最新第7版の翻訳。現実の経済の行方が不透明な今日、将来を見通すための最良の指針。

感想・レビュー・書評

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  • 経済学を,予見しうる未来に向け,われわれが集団としての運命を形づくっていかざるをえなくなるであろう資本主義の環境について,より良く理解するのを助けるものと定義する。
    そのうえで,歴史上の(政治)経済思想家を,そのためのヴィジョンの提示者(世俗の思想家)として,人生や人柄といった属人的な要素に支えられた思想とともに紹介する。

    アダム・スミス
    トーマス・ロバート・マルサス
    デーヴィッド・リカード
    ロバート・オウエン
    サン・シモン
    シャルル・フーリエ
    ジョン・スチュアート・ミル
    マルクス
    フランシス・シドロ・エッジワース
    バーナード・マンデヴィル
    フレデリック・バイスティア
    ヘンリ・ジョージ
    ジョン・A・ホブソン
    アルフレッド・マーシャル
    ソースタイン・ヴェブレン
    J・M・ケインズ
    シュンペーター

    いずれも,科学としての経済学のメインストリームからすれば異端とされる。確かに,スティグリッツとかマンキューの教科書を読んでも,ケインズの思想についてはあまり触れられていないのかもしれない。

    ずっと経済学が苦手というか理解できなかったのだが,それは数式を多用するからだけでなく(それも大きいが),「その主題を,科学者の客観性をもって述べる」という近代経済学の科学としての胡散臭さが嫌だったからだ。公式のある神学なのに科学とはこれ如何に?といった反発心というか。
    本書で語られる,経済思想史は,ある種の哲学史であって,社会の歴史の秩序と意義を探求する世俗の思想の連綿たる歴史である。数式はほとんど出てこないし,本質的には関係がない。だからこそ異端である。

  • アダムスミスから始まる経済学の歴史を端的で直感的な描写で追っていくスタイルの学術書。内容に加え、文章も平易でなかなか良い本だと思った。しかし、自分から進んでこのような本を手に取って読もうとなるほど学問や読書に対して情熱がないので、大学のレポートなど強制的に読ませる環境が自分には必要な気がする。大学に入って2年半がたとうとしているが、わかったことは、学術系の本は新書が限界で、それ以上高度なものとなると面倒臭さが知的好奇心を上回ってしまうということ。

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90369045

    スミスからシュンペーターまで経済学の歴史を効率よく学ぶことができる定評ある名著。

    (推薦者:経済経営学類 十河利明 先生)

  • キャッシュフロー・クワドラントより

  • 中世から現代まで主に市場と人間社会の関わりについて書かれている。経済学入門として、学問が概観できる良い本。

  • 経済学者の伝記のような内容.
    初心者でも,広く浅く過去にどういう人がいてどんな論争があったのかを知れる入門書.

    歴史上重要な経済学者数十名について,その生涯と主張や貢献を説明している.
    章ごとにテーマとなる経済学者が1〜数名が描かれている.
    前後の章に割と関連があり,あの経済学者はxxという主張をしていたが,この経済学者はyy,のような形で出てくる.

    一般知識で理解できる言葉で説明されており,専門的で理解が難しいようなものは出てこない.
    「数学をつくった人」(E.T.ベル,ハヤカワ文庫NF)と似ていて,それの経済学版のような感じ.

  • 歴史 思想

  • 経済学部 上野勝男先生 推薦コメント
    『アダム・スミスにはじまり、マルクス、ケインズなどの経済学の巨人達について、その思想をさまざまなエピソードを交えながらやさしく解説したもの。1953年の初版以来、多くの国の学生達に読まれてきた経済学史の名著。』

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/338956

  • 学生の頃に読んでおきたかった。
    ただ、読みやすい翻訳ではない。

  • 難しい。

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