最後の親鸞 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 353
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087096

作品紹介・あらすじ

親鸞の思想は、直弟子たちの聞書きなどに書きとめられた言葉によって、死後はるかな時間をへだててしだいにその巨きな姿をあらわした。非僧非俗の境涯に集約されるその知の放棄の方法はどのようなものだったのか?宗教以外の形態では思想が不可能であった時代に、仏教の信を極限まで解体し、善悪の起源とその了解について思考の涯まで歩んでいった親鸞の姿を、著者は全身的な思想の集注で描ききっている。

感想・レビュー・書評

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  • 筑摩文庫のツイッターより

  • 吉本隆明にしかわからない吉本隆明について考える。
    同じように、親鸞にしかわからない親鸞についても考える。
    で、吉本隆明にしかわからない親鸞というのがどうもいるようで、
    それがこの本の中で語られていて、
    それについてぼくはまだよくわからずにいて、
    またいつか読みなおさなければいけないな、と思う。
    そしてひとつ思うことがあって、じゃあ、無茶をいうけれど、
    きっと親鸞にしかわからない吉本隆明というのもあるのかも、と。
    かれらがとても似ているように思えるのはほんとうなのか、
    それとも吉本隆明が自分自身を親鸞にかさねあわせたからなのか、
    そのあたりはわからない。まだわからない。
    吉本隆明にしか吉本隆明はわからないのだし、
    親鸞にしか親鸞はわからない。
    それでも本は読むのだよなあ。

  • 親鸞が生きた時代がその思考を深めたのだろう。当たり前なのだろうが、改めての解説があったことで、少しだけわかったところだ。しかし、徹底した思想は、いつの時代にも通じる。

  • キリスト教でもイスラム教でも神の絶対性の前の人間の無力さから、教理上人の自由意志というものが常に問題になったが、日本においても親鸞は浄土門の本願他力の思想を突き詰め、ついには善行を積もうとする意思や、信心をもつ意思の無意味さにまで至る。
    「念仏をとりて信じたてまつらんともまた棄てんとも面々の御計らい」とは布教を放棄するような言葉である。吉本隆明はそこに宗教の解体をみている。

  • 親鸞の生涯については今なお不明な点が多く、その思想についても、弟子による聞き書きなどの断片を解釈するほかない。それらの断片を繋ぎ、撚り合せるようにして著者は「最後の親鸞」と表現する思想の体系を浮かび上がらせている。

    絶対的な師であった法然の思想から離れ、野に下り市井の人々の間にいながら「非僧非俗」の生き方を通じて親鸞は、いわゆる「信心」すらも否定するかのような「非知」の考え方によって、いつしか「宗教」という枠組みからも解放され、悪人正機といった一見矛盾を孕むかのような思想を生みつつ、ついには「絶対他力」という"境地"に達する。

    ここから何を学ぶのかというと、非常に難しいのだが、親鸞のアプローチは、もしかすると少し「U理論」に共通することがあるかもしれないと思っている。あるいはもっと単純化すれば、意図と創発、理論と実践とのバランスといった観点でも示唆が得られるかもしれない。決して読み易い文章ではないが、時々読み返したくなる一冊。

  • 【読書メモ】
    親鸞は、非僧、非俗を目指し、現世を否定せず、経文を読まない、宗教人というより哲学者のイメージ。悪人正機

  • [ 内容 ]
    親鸞の思想は、直弟子たちの聞書きなどに書きとめられた言葉によって、死後はるかな時間をへだててしだいにその巨きな姿をあらわした。
    非僧非俗の境涯に集約されるその知の放棄の方法はどのようなものだったのか?宗教以外の形態では思想が不可能であった時代に、仏教の信を極限まで解体し、善悪の起源とその了解について思考の涯まで歩んでいった親鸞の姿を、著者は全身的な思想の集注で描ききっている。

    [ 目次 ]
    最後の親鸞
    和讃―親鸞和讃の特異性
    ある親鸞
    親鸞伝説
    教理上の親鸞
    永遠と現在―親鸞の語録から

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • とても大事なこと、はっとするようなこと、重く深いことが書かれているのはわかるのですが、読み手の知識と頭が足りずに理解しきれなかった感がしてものすごく自分にがっかりしてしまいました…。もう少し知識をつけて再読してみたいと思っているので、積読扱いで。

  • 浄土真宗という仏教の一宗派の宗祖というよりも、哲学者・思想家としての親鸞の思想の解体を試みている著作。弟子によって遺されている語録をもとに親鸞の思想・思索の経緯をなぞっている。難解な概念が多く、字面を眺めただけでは理解できない部分が多いが、ところどころ興味深い言葉がある。

  • なんか、洋の東西を問わず人の思想って似てるもんなんだな、と思いました。

    それにしても、親鸞はファンキー。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2019年 『吉本隆明全集20 1983-1986』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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