インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 326
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087300

作品紹介・あらすじ

悠久の時間と広大な自然に育まれたインド神話の世界を原典から平易に再現した紹介書。ヴェーダ聖典中の神々と神話から始まり、大叙事詩『マハーバーラタ』を中心として重要な神話を選び出し、他の伝承と比較することにより、有名なインド神話を可能な限り網羅した。不死の霊水アムリタ(甘露)を手に入れるため、神々と悪魔たちとが協力し、マンダラ山を棒にして大海を攪拌する「乳海攪拌」の神話、雨を降らせるため天女が仙人を誘惑する「一角仙人伝説」、猪・人獅子・朱儒・ラーマ・クリシュナなどに化身して、悪魔と闘うものたちを助ける「ヴィシュヌの十化身」、最も崇拝を集めるクリシュナの偉業に関する伝説などを含む。

感想・レビュー・書評

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  • 多種多様でややカオスなインド神話の中から、有名なものや重要とされるもの、多くの伝承を持つ神の神話や伝説などを抜粋して収載している書。これを読むだけでインド神話の全体系を理解するのは到底不可能ながら、概要を知るには十分すぎるぐらい充実した内容。

    インドの隣国、ネパールでの仕事が長かったこともあり、それなりに神話については知ってるかなぁと自負していたのだが、この本に載っている神話は半分ぐらいしか知らなかった。数千年の歴史の中で、他の宗教や土着信仰の神々まで吸収、包含してきたインド神話、やはり一筋縄ではいかない。

    一神教の神と違い、インド神話やギリシャ神話、ローマ神話のような多神教の神々はやけに人間臭くて、そのあたりが魅力の一つでもある。ギリシャ神話のゼウスと言えば全知全能の神にして無類の女好きなのだが、インド神話に出てくる神々も結構なレベルで女性に誘惑されて修行に身が入らなかったり、女性に惑わされて害を被ったりしていて、そこがまた面白い。

  • ずっと積んであったものを読んだ。エピソードを紹介したあとに解説が入り、物語としてのみならず、どのように成立した話なのか、どのように進行されたのかなど、信仰における背景も学ぶことができる。読みやすい。

  • インドの神話を「マハーバーラタ」を中心に「リグヴェーダ」「ラーマーヤナ」などを絡めてときほどしていく本。
    仏教以前の話だが、仏教中心の国・日本にも馴染み深い神様があまた登場する。梵天、シヴァ、アグニなどなど。
    小説ではないので読みづらい部分は多々あるが、興味深い一冊だった。

  • マハーバーラタ原典訳、バガヴァッド・ギーター原典訳で有名な著者がわかりやすくマハーバーラタその他のインド神話を紹介するもの。興味深く読めました!

  • 神々の名前がごちゃごちゃ長くて分からないところもあったが、インド神話がカオスなのはわかった

    シヴァ神とヴィシュヌ神がズバ抜けた存在だった
    さすが国民的な神

    物語の根底にあるのは、予言と性欲と転生
    これがざっくりとしたインド

    それにしても修行中の人を女の色仕掛けで邪魔するくだりが多すぎる笑

  • 憧れの女性の先生がおすすめ図書に挙げていたので読んでみたんだけど、神話の本を予想していたら神話を研究する学術書だった。気づけという話。笑
    学術的な部分は流し読みしてしまったけど神話部分はなんだか新鮮でした。すぐ女に誘惑されるけどすぐ反省して苦行する……笑

  • 超人的な能力を、例えば神々の武器を自在に操る能力を手に入れるためには、ある山の北に位置する森の奥深くへ赴いて苦行を行い、神と闘って認められなければならない。空を飛ぶ大猿の賢者は、実は風の神の息子だった――これはRPGではなく、紀元前に成立したとされる古代インドの叙事詩に登場する話だ。人間と神々を巻き込んだ世界大戦争を描いたこの作品には、現代人には思いつかないような発想がある。根底に強硬なカースト制が存在することも看過できないが、インドの気候風土が生み出した物語を楽しみたい。
    (教員 推薦)

    ↓利用状況はこちらから↓
    http://mlib.nit.ac.jp/webopac/BB00015485

  • ヒンドゥー教の入門書

  • ヴェーダに始まるインド神話の種々のエピソードを、原典に直接依拠して集成、紹介した書。大叙事詩『マハーバーラタ』にて語られる神話を中心に、他の文献における類話と比較しつつ解説する。
    本書は、インドの神話を平易かつ分かり易く紹介したものである。ヴェーダやブラーフマナの神話についても触れているが、メインとしているのはインドの叙事詩『マハーバーラタ』で挿話として語られる諸々の神話・伝説である。本書が主な原典として依拠する『マハーバーラタ』、及び『ラーマーヤナ』の本筋については軽い説明のみで割愛されているが、紹介される神話は有名な乳海攪拌といったものから、蛙の奥方アーユといったメジャーでないものまで幅広く揃っており、これ一冊でインド神話の主要なエピソードを読むことが出来る。
    また本書の特徴として、著者上村勝彦氏の徹底した「原典主義」が挙げられる。本書で紹介されるエピソードにはそれぞれ明確な出典が明記されており、どの神話がどの文献に由来するのかが一目で分かるようになっている。同じ話の筋でもさまざまなバリエーションが存在する神話の紹介でこれがあるのは大いに助かる。また、一つのエピソードについて他の文献の類話と比較している点も嬉しい。
    これからインド神話を知りたい、あるいは学術的に調べたいという人にはまさに必須の一冊。

  •  壮大なスケールのインド神話から『マハーバーラタ』を中心に、ヴィシュヌ神話、クシュリナ伝説を紹介している。
     特徴的なのは苦行を積むことによって願いを叶える事ができる、ということが繰り返し描かれていることである。たとえ邪な願いであっても苦行を積めばそれが叶えられるのである。物語としてはその後、困った他の神々がまた苦行を積んで解決するのがお決まりのパターンであるが、それが繰り返し描かれている事を見ると、神話の成立期において、苦行(修行)が非常に重要な位置を占めていたということが伺える。
     あまりにも膨大なので特に重要な神話を抜粋しての紹介であるが、インド神話の面白さは十分に伝わってくる内容となっていた。

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