- Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480088673
作品紹介・あらすじ
1914年6月28日、サライェヴォに響いた一発の銃声がヨーロッパに戦火を呼びこんだ。網の目のような条約で相互に結ばれた各国指導者たちは、開戦準備に奔走する一方で戦争回避の道を探るが、戦火は瞬く間に拡大する。情報の混乱、指導者たちの誤算と過信。予測不能の情況のなかで、軍の用意していた戦術だけが既定方針として着々と実行され、世界は戦争の泥沼に沈んでいった。-第一次世界大戦の勃発に際し、政治と外交と軍事で何がどう決定され、あるいは決定されなかったかを克明に描いてピュリッツァー賞に輝いた、戦争ノンフィクションの傑作。上巻はブリュッセルの陥落までを収録。
感想・レビュー・書評
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第一次世界大戦がどう始まったのか。どんな戦争だったのかを知りたくて、何を読めば分かりやすいだろうと調べていたらこの本に出くわした。どうもこれが決定版というのは無いような気もする。多分色んな本があるんだろうけど、どれも決定的にこれと言うのが無いのかな。知らんけど。第二次世界大戦の本を読んで、第一次世界大戦を知らないとどう繋がるのか分からないなと思った。先ずは各国王家の話から入るが姻戚関係が複雑に絡み合っているこの時代の背景を理解しないといけないんだなと思った。第二次世界大戦のように共産党の影はまだ無い。ただ昔の戦争から近代戦への移行期でこの戦争は難しかったんだろうと思った。また結構日本の事が書かれており、日露戦争での日本の勝利における欧州へのインパクトが結構あったんだなと感じた。前半はまだ戦争の端緒くらいで後半により凄惨な戦いの記述が出てくるのだろう。しかし、ドイツやベルギー、フランスは陸続きでもあり、毎回の戦争での遺恨が凄そう。実際今の国民感情ってどうなんだろうとも思う。
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サライェヴォ事件を端緒に引き起こされた戦乱がいかにして第一次世界大戦という巨大な戦争に発展したかを解き明かす書。上巻は1910年の英国王エドワード7世の葬儀で幕を開け、開戦に至る経緯からブリュッセル陥落までが語られる。
以下は、軍事史も政治史も読みつけない素人の印象にすぎないけれども。
狂気の沙汰の如くシュリーフェン・プランに固執しているかと思ったら、戦況が明るいと見るや進行中のおとり作戦も覆してしまうドイツ。サーベルを盲信し重火器を蔑視し、根性論で自ら窮地に陥るフランス。命令系統が錯綜し閣僚と軍人で蜿蜒議論を繰り返すイギリス。彼らの迷走の間で中立を踏みにじられていくベルギー。
発令が一晩遅れたとか、一隻の戦艦を取り逃がしたとか、小さな間違いが重なりどんどん膨らんで、戦火が広がっていく。凡人のわたしは年がら年中失敗ばかりしでかしているけれど、個人の生死は無論国家の危急存亡に関わることで、政府の要人たちがこれほどたくさんの過ちを犯すものなのか。しかもばかげた感傷や無意味な執着が理由で。
最初に犠牲となったベルギーと、真の君主として描かれる国王アルベール1世がひたすら気の毒。不幸な歴史の原因は謀略論だけでは究明できない。些細な無知や思い込みや手抜きや過誤が無数に集まって起こる悲劇もたくさんあるのだ。 -
世界の指導者の多数がこの戦争が数か月で終わると思っていた。これは何を意味するのだろうか。
ひとつは、彼らが今大戦が長期にわたる消耗戦の様相を呈するとは思っていなかったということだ。もうひとつは短期間で終わりにしたいという願望を持っていたということだ。
また、ドイツ皇帝が二正面作戦を恐れ、イギリスが参戦を躊躇したのはなぜだろうか。それは一たび開戦となれば、兵員の動員がシステマチックに行われて時の為政者のコントロールの及ばない程に展開が広域化していくことを意味するのではないだろうか。少なくともその予感のうちにあったことだろう。
キューバ危機でケネディー大統領が恐れていたことは以上のことを踏まえてのことであり、第一次大戦の政治的、軍事的な展開が時代の近代性(官僚制や鉄道網や最新兵器)を介すことで指導者たちの手から離れていたことを感じる。そして最後にそれを象徴したのは反乱や革命だった。 -
第一次世界大戦の詳細な推移については、ほとんど知るところがなかったのだが、この著作によって、まるでドキュメンタリー映画を見るかのようにその経過を辿ることができる。
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トレーダージョーズ創業者のJoe Coulombeが自伝の中でthe best book on management -and, especially, mismanagement- I've ever readと述べていた。前から気になっていた本でもあるので読んでみた。Coulombeが本書から引き出した教訓は、If you adopt a reasonable strategy, as opposed to waiting for an optimum strategy, and stick with it, you'll probably succeed. Tenacity is as important as brilliance.だそうである。読む人により得るものも違うものだ。reasonable strategyとoptimum strategyの対比はどのあたりを指しているかもよくわからなかった。Tenacity、粘り強さの欠如はドイツ側については当てはまるだろう。シュリーフェンが描いたプランは右翼からのフランス軍包囲が肝だったが、カンネー的大勝利を夢見て左翼にも中途半端に兵力を回したりしてしまった(あ、もしかしてカンネー的大勝利がoptimumなのか?)。東部戦線に2個軍団を回してしまったことも然りかもしれない。しかし連合国側はなにが執着すべきstrategyであったかさえはっきりしない。
ケネディ兄弟がキューバ危機に際して読んでいたとの伝説(?)も耳にしていたので、いかにして戦争が始まってしまったかの本なのかとも思っていた。上巻の前半部くらいはまさにその通りの内容なのだが、各国首脳とも互いを武力でぶっ潰すことしか考えていないようなところがあり、戦争になったのは半ば必然とも感じられた。時事ネタで言えば、プーチンをこの時代のどこかの国の首脳に据えてやればまったく違和感がない。
個人的にはWWⅠといえば塹壕戦で膠着状態くらいの予備知識しかなかったので、最初の30日はこんなにダイナミックであったことは初めて知った。
あと翻訳はもうちょっと何とかならなかったのであろうか。原文にあたってみたくなる箇所が多かった。古い本だし、と思ってネットを探すも見つからず断念。 -
SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738270 -
面白い!長いけれどとても面白い!
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