- Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480088680
作品紹介・あらすじ
1914年6月28日、サライェヴォに響いた一発の銃声がヨーロッパに戦火を呼びこんだ。網の目のような条約で相互に結ばれた各国指導者たちは、開戦準備に奔走する一方で戦争回避の道を探るが、戦火は瞬く間に拡大する。情報の混乱、指導者たちの誤算と過信。予測不能の情況のなかで、軍の用意していた戦術だけが既定方針として着々と実行され、世界は戦争の泥沼に沈んでいった。-第一次世界大戦の勃発に際し、政治と外交と軍事で何がどう決定され、あるいは決定されなかったかを克明に描いてピュリッツァー賞に輝いた、戦争ノンフィクションの傑作。下巻は戦局の転回点となったマルヌ会戦の後まで。
感想・レビュー・書評
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「歴史家はまず語り手でなければならない」と著者は言う。確かに、ただ単に歴史的な事実だけを並べても、それは歴史を語ることにはならない。もちろん、それには語り手の恣意的な解釈が入る余地もあるのだが、それも歴史というもののある一面であることにはまちがいはないのである。
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SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|
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タイトルの通り1914年の8月からの1ヶ月を中心に第一次大戦を描写する。マルヌ会戦のくだりも量は少なくその後は戦争は膠着していくと綴る。第一次世界大戦の概況を理解するには少し違うのかな。ただ戦争がどう始まっていったか、短期決戦を目論んだ両陣営がどう泥沼に進んでいくかのさわりは分かるかもしれない。どこがピューリッツアー賞なのかはあまり分からない。しかし前にも書いたがこの時代の戦争は難しい。技術がすごい勢いで進んでいく。この戦争の初期の頃は飛行機は主に偵察用でパリに数個の爆弾を落とすだけだったが、1945年には飛行機で原爆を落とすのだから科学の進歩は恐ろしいし、如何にすごいスピードで技術開発が進んだかもよく分かった。何万人という軍を動かすのは難しい。しかも無線などの装備が陳腐だと本当に難しい。兵の状況や敵軍の状況を理解して作戦を立て実行するのは難しい。
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第一次世界大戦はドイツ軍の優勢で進んでいたが、ドイツ軍の進路が急に変わったことで、フランス軍に起死回生のチャンス・・・これがマルタ会戦。
しかし、ドイツ軍のベルギーでの蛮行。
第二次世界大戦がクローズアップされることが多いけど、いつの時代も戦争はろくなことがない。 -
とても面白かった!知的興奮,第一次世界大戦に対して認識を深める名著
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第一次世界大戦の発端から初戦を描いた戦記ドキュメント。上下巻で長いし、登場人物は多いが、とても読みやすくそして何よりも面白い。戦争の趨勢よりもその状況に陥った時に垣間見える、フランス人気質、ドイツ人気質、イギリス人気質の違いが何よりも面白い。
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歴史
軍事
戦争 -
え!?講和会議までいかないのかよ!?
という衝撃が凄まじかった。
何と、ドイツ軍が最初の撤退を行う会戦で終了とは…。
ただし、その戦いがあったからこそ、イギリスもフランスもドイツも、そこから未曾有の大長期戦に巻き込まれていったのかということが良く分かった。
ベルギー人はドイツ人のこと許せたのか…?と疑問に感じられるレベルで虐げられている。この後にナチスが生まれるんだから、20世紀中旬まで、ドイツは世界の悪役だったんだなあ…と思ってしまった。
上巻よりはテンポ良く読めるが、歴史の続きが読みたい!! -
「ロシアは反動の典型であり、イギリスは利己主義と背信の、フランスは頽廃の、そしてドイツは進歩の典型である。」
ドイツはマルヌで負けた。しかし、退却が素早く行われ完敗には至らなかった。そして、長い塹壕戦に突入する。一般民間人は戦争の影響外に置かれるべきではない。戦争の圧力を感じなければならない。
モルトケは捕虜の少ないさに違和感を覚えた。進行しているはずなのに、捕虜が少ない。ならば、退却した敵兵はどこかにいる、と。クルックはパリ入場の希望を兵士に与えた。異常な行軍には希望が必要なのだ。しかし、クルック部隊はその側面をフランス軍に見つかる。
各人の野心が入り交じった展開。