奇想の図譜 (ちくま学芸文庫 ツ 7-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089090

感想・レビュー・書評

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  • 傍から見ると突拍子もなく思える奇想や
    突然変異で生まれたかのようにみえる天才にも、
    必ずそれが生まれる土壌とかルーツが確かにある。

    ・・・というのをこれほどまでに体系だてて研究して把握している
    めちゃめちゃマニアックなおっさんがいるってのが面白い。
    アートにもいろんな見方があるもんだなぁ。

    つくる専門だったんで、
    芸術を分析・研究する人の視点てのは見聞きするたびに新鮮で、
    知らなかった単位の定規を渡されたような感覚になる。
    文化ってのはつくる人とみる人の共犯関係で発展していくんだなぁ。

  • 文庫という制限のためか、収録されている図版がモノクロなのは仕方がないが、それでもかなり本文の助けとなっていることはまちがいない。もちろん、それらがカラーで見られれば言うことなしである。

  • 良書。なぜ私は近世絵画を見るときマンガを読むようにワクワクするんだろう…と思っていたけど、この本でその理由が分かった気がする。この本は、古代から現代に伏流する「日本的な表現とは何か」を追究している。姉妹本「奇想の系譜」よりも、近世絵画について、蘭画との比較や時代背景を織り交ぜながら分析しているので、諸々の紹介に止まっている「系譜」よりもストーリー性があって読みやすかった。

  • 若冲の著者がおくる日本美術の独創の淵源を探る書。日本にする者の心の底に「あそび」、「かざり」があるのでは、という観点が興味深い。

  • 「奇想の系譜」に引き続いて、奇想シリーズの姉妹編。こちらは画家別ではなく、雑誌連載をまとめたものでテーマ別。だからか、「系譜」でほとばしっていた奇想の画家への愛情は薄れて、論理的な研究論文風です。ちょっと専門的だけど、アプローチがユニークで楽しく読みました。辻先生の視点自体が「奇想」って気がします。特に今秋、国立東京博物館でお目見え予定の「洛中洛外図」に関する論考はいい予習になりました。

  • 若冲展を見に行ったことをきっかけに読んだ本。若冲や国芳などの好きな画家については前作の『奇想の系譜』に詳しいらしいけど、少し範囲を広げると、北斎のワニザメや政宗の陣羽織なども興味深い考察がされている。今後日本の文化が残してきた“奇想”についても興味を持てるようになった。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(立花隆選)161
    芸術

  • モノクロながら大量にある図をパラパラ眺めるだけでも面白い。

  • 「奇想の系譜」に比べると今ひとつ地味な感はぬぐえませんが(カラーが少ないせい?)、こちらもあわせて。

     冒頭の絵巻物「山中常盤」の解釈だけでも一読&購入の価値がある一冊。絵だけでなく、絵巻物がどのように成立し、流布していったかというところにまで視野を広げてとりあげられているのが個人的に嬉しかった。
     

  • 2010/05/31

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著者プロフィール

東京大学名誉教授/多摩美術大学名誉教授

「2021年 『日本美術の歴史 補訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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