「戦艦大和」と戦後 吉田満文集 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房 (2005年7月1日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784480089274

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  • 戦中、いつでも死んでやると言う思いでいた時は日常のこまかなつとめを無視していた。戦後は、もういつでも死ぬというわけにはいかないということに愕然とする…。
    生きていたが生きていなかった。生きた先に死がある。生きていなければそれは死ではないということ。これがとても印象的だった。
    宗教はよくわからないけれど、悩み悩んだ末に精一杯に生きたいと願って愛に生きることを選び、そのためには絶対の光明が必要だと信仰をはじめる作者の気持ちはとても自然に感じられた。
    大和のこと、戦争のことを、過去のこととしてではなく、現在考える価値のある問題として考え続けるということに意味があるのではないか。
    確かに現在、日本、日本人のことを海外に行って初めて意識できるようになる人が少なくない。このように、日本人は現在自分たちの国についてのアイデンティティーについて考えることが少ないと言えると思う。
    大きな仕事に取り掛かるつもりだったという吉田氏。若くして亡くなられたことが残念でならない。

  • ということで、もう一冊カバンに入れておいた「戦艦大和の最後」を読もうとしたら、こちらは漢字片仮名交じり文。私は片仮名だと速読が出来ないので敢え無く数ページで本を閉じる。
    辻邦夫の「回廊にて」も挫折しております。

  • 「戦艦大和の最期」は当然すばらしいのだが、政治には期待しないという吉田の戦後観が繰り返される言葉の中に少しずつ刻まれる随筆もよい。為政者による「一億総懺悔」とは対極の意味で、個人個人の責任を問う(吉田の世代に対してすら、なのだ!)姿勢に、隕石衝突にも「国が何とかしろ」といいかねない現代人は何と答えるか?

  • 分類=近現代史・太平洋戦争。05年7月。

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