フラジャイル 弱さからの出発 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 448
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089359

作品紹介・あらすじ

なぜ、弱さは強さよりも深いのか?なぜ、われわれは脆くはかないものにこそ惹かれるのか?"「弱さ」は「強さ」の欠如ではない。「弱さ」というそれ自体の特徴をもった劇的でピアニッシモな現象なのである。部分でしかなく、引きちぎられた断片でしかないようなのに、ときに全体をおびやかし、総体に抵抗する透明な微細力をもっているのである"という著者が、薄弱・断片・あやうさ・曖昧・境界・異端など、従来かえりみられてこなかったfragileな感覚に様々な側面から光りをあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 少なくとも本書が創刊された1995年の時点で、松岡正剛は今流行りの「ネットワーカー」「ノマド」としての生き方に着目をしている。

    この松岡正剛の見方を持ってすれば、現行の「ネットワーカー」や「ノマド」に注がれる意識の欠陥は、まさにその「『欠陥』を認識していない」というところに集約される。

    「ネットワーカー」にしろ「ノマド」にせよ、それは本書のサブタイトルに示されているように「弱さから出発」するものであり、そこを無視した「ネットワーカー」や「ノマド」に深みが生まれるはずもない。なぜなら松岡正剛の指摘によれば、「弱さ」こそが深みをもたらすのだから。

    表舞台にたった「ネットワーカー」や「ノマド」たちだが、もともとが底辺が故に頂上とつながることのできた彼らだ。

    その過程をや性質を無視して、そのまま頂上に放り出されてしまえば、ある時そこから放り出されたときに、そのまま高いところから地面へたたきつけられるだけだろう。

    「ネットワーカー」や「ノマド」の強さは底辺から、すなわち弱さから出発しているというところにあるのであり、その背景を忘れない限り、彼らは頂点でいると同時に底辺と接続し続ける。

    それ故、彼らには頂点から放りだされて地面に激突するという事態が起こるはずもないのだ。「ネットワーカー」や「ノマド」とは、底辺と頂点との混合物なのだから。

  • 文学は敗者にこそ在ると思います。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 人生に定期的に訪れる倦怠感に悩まされてきたときに読んだ『フラジャイル』。自らのうちに住む「強者」と「弱者」。後者を飼いならさぬことには、前進を続けることはできない。歴史や文学、ときに物理や生物まで、縦横無尽な知でたどるフラジリティ。

  • 「弱さ」に関する本、だと思われるが、よく分からなかった……。

  • [ 内容 ]
    なぜ、弱さは強さよりも深いのか?
    なぜ、われわれは脆くはかないものにこそ惹かれるのか?
    “「弱さ」は「強さ」の欠如ではない。
    「弱さ」というそれ自体の特徴をもった劇的でピアニッシモな現象なのである。
    部分でしかなく、引きちぎられた断片でしかないようなのに、ときに全体をおびやかし、総体に抵抗する透明な微細力をもっているのである”という著者が、薄弱・断片・あやうさ・曖昧・境界・異端など、従来かえりみられてこなかったfragileな感覚に様々な側面から光りをあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。

    [ 目次 ]
    1 ウィーク・ソートで?
    2 忘れられた感覚
    3 身体から場所へ
    4 感性の背景
    5 異例の伝説
    6 フラジャイルな反撃

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 1/15 読了。
    これはたぶん一生好きな本になる。

  • 「弱さ」「欠如」が今を生み出してきた。まだまだ知らないことだらけだ。

  • 東大や京大、アメリカの著名な学校のMBAホルダーばっかりの某企業のマーケティング部にいた頃、強くなければ生きている意味がない、と思っていました。毎日が闘い。フィリップ・マーロウの「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている意味がない」を唱えながら日々過ごしていました。
    そんな中、尊敬する部長のお子様の作文のタイトルをふとしたこら知りました。曰く「I am a looser ぼくは負け犬」
    新鮮でした。
    私はもともととても弱い人で、こわがり。それなのに、生きていくために、弱さを封印して、「頑張り」「気勢」といった名前の鎧を身につけながら、あまりの重さにとっても疲れながら会社員をしていたものです。

    「フラジャイル」では、無視されがちな「弱さ」に注目します。
    「弱さ」は「強さ」の欠如ではなく、それ自体が特徴をもった現象だという。。。

    そうなんだ、そうですよね。

    弱いからこそ、知ることができる、深い深い世界があるということ、隠さず、むしろ、大事にすべきだ、と気付かされる衝撃の一冊です。

    とても個人的なレビューで参考になりませんね。ごめんなさい。

  • 自分の弱さを否定して、他人に見せないように、強い自分であろうと、今まで努力してきた感があるけど、そんな自分の弱い部分を認め、自分の弱さと向き合うことこそ必要だったのではないか。そんなことを実感しているときに出会った本。
    難解な例えも多いですが、読めば読むほど「弱さ」の深みにはまって、なるほどなーと思う部分が多々あり。弱い部分も含めて自分を好きになれると、大袈裟じゃなくて人生変わる気がします。今まで弱さを克服すること一辺倒だったけど、自分のそんな部分ともうまく付き合っていきたいと今は思ってます。
    本書に出会えて良かった!

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著者プロフィール

編集工学者、編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代に情報文化と情報技術をつなぐ方法論を体系化し「編集工学」を確立し様々なプロジェクトに応用。2000年「千夜千冊」の連載を開始。同年、eラーニングの先駆けともなる「イシス編集学校」を創立。近年はBOOKWAREという考えのもと膨大な知識情報を相互編集する知の実験的空間を手掛ける。また日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し独自の日本論を展開。著書に『知の編集工学』『擬』『世界と日本の見方』『国家と「私」の行方』ほか。

「2018年 『千夜千冊エディション 情報生命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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