完本 八犬伝の世界 (ちくま学芸文庫)

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  • 筑摩書房
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089403

感想・レビュー・書評

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  • お正月(2006)に民放ドラマで八犬伝やるというので、久々に何か読みたいなと思ってたらやはりドラマの影響でこれが復刻出てました。もう廃刊だと思うんですけど中公新書で昔出たやつの完全本らしい。一度読んでいるのだけれどやっぱり面白く読みました。八犬伝の世界は奥が深い。

  • 80年代に発表され、八犬伝再評価の道を開いた高田衛氏の「八犬伝の世界」(中央公庫) それからおよそ20年の歳月をかけ、八犬伝全編に渡ってそ伝奇ロマンの魅力を論じた本書。高田氏積年の研究の集大成。これを読めば作品の理解が一層深まること間違いなし。八犬伝読書に必読の一冊。

    めでたく岩波八犬伝を読み終わったのでずーーっと読みたかった高田衛先生のこの書をようやく読むことが出来ました。考えてみれば私にとって八犬伝第二の出逢いであった栗本薫の八犬伝の解説も先生で、そこにすでに八大童子とか北斗信仰のこととか書いてあったような気がするな。それをちゃんと読んだ記憶はちょっと薄いんですが、8年かけて戻ってきましたって感じ。いまちょっと開いてみてみたんですが、子供向けのため簡単にリライトされた「八犬伝の世界」って感じの文章でした。
    謎の挿絵として有名な、冒頭に出てくる「八犬子髻歳白地蔵之図」の謎解きから始まり、第一部である伏姫物語の様々な典拠、モチーフとしての八文字文殊菩薩のこと、信乃と親兵衛に見られる馬琴さまの個人的な事情、星の信仰etcetc……
    内容についてはとても書き切れない。書きたいことがいっぱいで。馬琴さまの親兵衛に託した事情のとこは読んでて泣きそうになりました。そして最後の方は馬琴さまとお路さんの共作になったわけですが、馬琴さまは八犬伝完結を絶対に諦めなかったんだなあ、と思うとやっぱり感極まって泣いてしまいましたね…
    これを読んで八犬伝創作脳がばしばし刺激されたのは言うまでも無く、また八犬伝をモチーフにした別の、現代舞台のお話についても創作脳がびんびん刺激されたのでございます。研究書のカテゴリに入れましたが先生自身も難しい気持ちで読んでほしくないと書いていらっしゃるようにすごく平易で読みやすく、そして筋もとてもわかりやすく書かれているので、これも一つの八犬伝抄訳のように思えます。八犬伝に興味がある、一通り読んだけど何かもう一つ読みたい、という方にお薦めしますし、八犬伝創作をしたい、何かヒントを得たいと言う方にもお薦めしますっ

  • この本の前身となった中公新書「八犬伝の世界」を読んだのが高校3年のとき。八犬伝といえば、NHKの人形劇『新・八犬伝』を毎日夢中になって視ていた世代なので、子供向けに読みやすく書き直されたものは読んだことがあっても、さすがに膨大な原著を読んだことがあるはずもなく、いってみればその程度の知識で八犬伝を知った気になっていた。そんなコムスメがこの本を読んだときの驚きと興奮たるや!八犬伝というのは、いやファンタジーというのは(殊、書くにあたって)いかに多層的で膨大な知識のバックボーンを要求されるものであるのかと!

    中公新書版において、伏姫と八房、八犬士をそれぞれ観音菩薩、唐獅子(牡丹と対になっている)、八大童子を原基イメージとして物語を読み解いた著者が、同書の版を重ねるうちに稿を改めざるを得ない局面に立ち、一旦絶版にした上で大幅に加筆して出版したのが本書である。なにしろ、第三章以降が新たに書き加えられた部分であるから、これはもう、本として別物だと考えたほうがいい。私も30数年ぶりに読んだことになるので、細かい部分ははあらかた忘れてしまっていたので新鮮な気持ちで読むことが出来た。はじめの二章まではおさらい、第三章以降が本書の本題であると考えていい。(あとがきで著者もそのようの述べている)。

    中公新書版を読んだときもそうだったが、今回この本を読んで、八犬伝のめくるめく重層的多層的物語空間に、改めて眩暈を覚えそうになった。やや行き過ぎかと思われるくらいの著者の深い掘り下げっぷりに苦笑しながらも、両目の視力を失いながらもこ大長編大河小説を書き上げた滝沢馬琴という人の執念を思えば、これくらいの思い入れはあって然るべしと思わざるを得ない。それに何よりこの本を読んでいちばん得した気になれるのは、南総里見八犬伝の長大な原著を読まなくても、その全体像を知ることが出来る、ということだ。しかも、それ相応の知識がなければ読み解けない古典を深読みできるのだから、八犬伝ファンは読んでおいて絶対損はない。

    それにしても、全九楫あるうちの九楫が全体の半分以上を占めるというバランスを欠いた構成、まるで「いよいよ最終章突入!」というアオリでいったいいつになったら終るのかと思わせてくれる某長編人気漫画を髣髴とさせるし、本編の合間合間に著者(馬琴)自身の言い訳やファンへの返事や反論、愚痴などが差し挟まれているというあたり、今ならブログやツイッターで書いてることだよなあ、と思うと、なにやら馬琴という人を身近に感じられたりもする。合巻という形態が挿絵が必須というあたり、現代のラノベと共通するところもある。八犬伝、まだまだ掘り起こせそうな鉱脈がありそうではないか。

    分厚い文庫本ではあるが、図版が豊富で、もとが新書なのでパラグラフが細かく区切ってあるので読みやすい。とにかく、八犬伝ファンは必読の書であります。

  • 帯には「恐るべし!馬琴の知性深読みの秘鍵を一挙公開」とあります。「大人の南総里見八犬伝」を読もうと志すには、これを携えておかねば……、と思って。この本自体をちゃんと読み込むのにも、相応の労を要しそう。たしかに「大江戸伝奇ロマン」の白眉です。いちいち自分でハードルを上げなくても、「面白かったな、子供の頃に読んだ八犬伝」でよいのでしょうが、「労多くして報われざることなし」が信条です。さて、もいちどハマってみるか、八犬伝。なかなか『椿説弓張月』にまで到達しそうにないなぁ……。しかし、馬琴(の妻)といいミルトン(の娘たち)といい、北斎(の娘)といい、「女なくして芸(術)成らず」。

  • じっくり読みます。

  • 八犬伝解説本。挿絵の解説多い。時代考証も説明してくれてわかりやすい。八犬士の序列の話は面白い…けど私にはどう見ても全員同列には読めないんですが…。

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著者プロフィール

1930年生まれ。早稲田大学大学院修士課程、東京都立大学大学院博士課程修了。東京都立大学名誉教授。文学博士。日本近世文学専攻。著書に、『女と蛇』(筑摩書房)、『新編 江戸幻想文学誌』『完本 八犬伝の世界』(以上ちくま学芸文庫)、『お岩と伊右衛門 「四谷怪談」の深層』(洋泉社)、『春雨物語論』(岩波書店)、編・校注書に、『江戸怪談集』(上・中・下、岩波文庫)などがある。

「2016年 『増補版 江戸の悪霊祓い師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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