ペンと剣 (ちくま学芸文庫 サ 18-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089519

感想・レビュー・書評

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  • カミュ「ペスト」を読まれた方は、この本も読んでみて、、、

    筑摩書房
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480089519/

  • 米国のコミュニティラジオでのインタビューを纏めたもの。刻々と変化するアラブ情勢を鑑み思考し、ペンをもって戦うサイードの発言の力強さに引き込まれる。パレスチナの奪われたナラティブを取り戻そうと、逆境も恐れず立ち向かう誠実な行動力。虐待されたネイションとしての怒りを超え、人種や宗教を問わない普遍の真理として響いてくる。アルメニア系移民の両親をもつインタビュアの真摯な問いかけに分かりやすく丁寧に答えるサイードの関係性もいい。オスロ合意の真相に愕然とした。当時の私は感動的に報道を見ていたのだから。知らないって恐ろしい。

  • パレスチナ問題が再燃している今だからこそ読むべき本。パレスチナ系アメリカ人知識人のエドワードサイード氏へのインタビュー集であり、氏の考え方や価値観をわかりやすく知ることができる。今後、氏の名著『オリエンタリズム』や『知識人とは何か』に挑戦してみたいと思った。また、パレスチナ問題が解決しない理由について双方の視点から知ることができた。

  • ナチスの犯罪を思い出すたび「ユダヤ人」という世界史の主体が、とても色濃く感じられる。でも、その主体は、現在に続く「帝国」間の緊張の中で、いまだに荒っぽいやり方で利用されてもいる。
    アメリカとイスラムの関係も、対「ユダヤ人」との関係から導かれるものとして、脱宗教的に説明できる。「民族問題」、宗教や思想の対立も終局、政治的な問題の中に集約されていく。
    政治で解決することを願ったサイードの言いたいことは、そんなことかもしれない。
    サイードのように、多様性を重んじる文化に生きるとは、さまざまなことを政治的に解決できると信じ続けることなのだろう。
    文化そのものを論じて行き着くのは、「互いに違う」ということを認めることだけ。そこから先をどうするかというのは、やはり政治の問題になる。

  • 「オリエンタリズム」で有名なサイードへのインタビューを文章化したもの。
    文化帝国主義とパレスチナ問題について言及。

  • アルメニア系のバーサミアンが聞き手だったからこそ、な本かも。

    視線の捌き方で個性が決まるこのご時世になんて優しくも冷静な視線を投げかける人なんだろうか。

  • ユダヤ教の人文主義は、ユダヤ人の美学と神秘主義に根ざしている。啓蒙主義にも依拠しているが、同時にそれはまた受難と迫害の歴史によっても規定されている。
    ユダヤ人が普遍的な価値観や思想にひきつけられるのは、セクト主義に掲げられる敵に対抗するためのものといえる。
    キリスト教徒はイスラム教徒よりも上の階級の属している。
    現在、アラブ諸国のどの大学にも西洋だけ、またはアメリカだけを専門に研究する学部はない。

  • イスラエルによるガザ攻撃、ハマスによる反撃がやまない中、サイードのインタビュー集を読む。訳者あとがきにあるように、サイード入門書として最適なのだろう。「オリエンタリズム」を挫折した自分にとっては比較的わかりやすく論点が提示されていてよかった。
    「イスラエルの存在ーこの神権政治に基づいたスパルタのような軍国主義国家がこの地域(中東)に押しつけられてきたことは、忘れられがちです」「イスラエルと合衆国がアラブ世界の心臓部を好き勝手に踏みつけているという気持ちが、人々を土着の文化に追いやり、イスラム的なものとの結びつきを深めることに救いを求めさせているのです」といったコメントが印象的だった。

  • ¥105

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