漢文の話 (ちくま学芸文庫 ヨ 3-4)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 141
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090270

作品紹介・あらすじ

江戸の伊藤仁斎、荻生徂徠、明治の漱石、鴎外、露伴、昭和の荷風、芥川龍之介…、日本人は漢文を愛し、日々の覚えや自らの思いを漢文で記した。また、「論語」「五経」「史記」などの古典は必読の書でもあった。私たちの教養に深く入り込んでいた漢文を歴史的に説き起こし、その由来や美しさ、読む心得や特徴などをわかりやすく解説する。見慣れぬ漢字に臆せず、直感を養い、リズムを重視する-中国文学の碩学が、優れた例文を示し、漢文が本来的に持っている魅力を余すところなく語った最良の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 漢文の一般的特徴を述べ、孟子の書から近代にかけての漢文の特徴を述べる。

  • 漢文の話

  • 第二章「漢文を読む心得のはじめ」が面白かった。
    「二つの漢文ノイローゼ」からの脱却を説く。

    まず一つ。見慣れない漢字がいっぱい出てくること。
    これは辞書をいちいち引かなくても、意味はつかめるとのこと。
    漢文に常用される漢字は五千程度であるとの指摘にもびっくり。

    もう一つのノイローゼは、「漢文は古典だ」で、文法がやっかいだと思われていること。
    これについては、漢文は文章語として簡潔な形に洗練されていて、テンスも係り結びもない、と言う。

    ということで、第三章以降は、訓読法の話、漢文の文章語としての性質へと続く。
    「漢文は文章語として完成されていて、時代による変化は少ない」という話、どこかで聞いたような・・・と思っていたら、そのはず。
    直前に読んだ『中国名文選』の著者、興膳宏は吉川のお弟子さんだ。
    見事に師匠の教えが継承されているということか。
    そう思って「下編」を見ると、何となく二つの本のテイストが似ているような気がする。

  • これまた、有名な先生の書かれた書籍です。
    四書五経を中心に、漢文の基本がわかりやすく書かれているよ!!
    しかし、わかりやすくといっても、やっぱり漢文を勉強しようと言いう、意欲ある初心者向けだから、ちょっと難しいですわ。
    …正直、面白いんですがやっぱり眠くなるー

  • 山田史生教授推薦

  • 去年10月に再版となったもの。これ、修士1回生の時に読んでいたかったなぁ。紀要などでは吉川先生の論考を拝読したこともありましたが、実際、全集には手を出していなかったのです(あまりにも大部なので逃げていた)。これは初学に向けた本なので、読み安さはこの上ないし、非常に簡潔な文体でかかれており、要点が的確。漢文って面白そうじゃん?と人々に思わせるだけの力強さがある。高校の漢文授業でも、初回はこれを読んできなさい、と言えばいいんじゃないかと思う。

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著者プロフィール

吉川幸次郎(よしかわ・こうじろう):1904―80年。神戸市生まれ。京都帝国大学文学部文学科入学、支那文学を専攻。1928―31年、中国留学。京都大学人文科学研究所東方学研究部研究員を経て、京都大学教授。この間、数々の著書を発表、日本の中国文学の普及に大きく貢献、芸術院会員、文化功労者となる。主な著書に『尚書正義』『杜甫私記』『陶淵明伝』『仁斎・徂徠・宣長』がある。

「2023年 『中国詩史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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