甲陽軍鑑 (ちくま学芸文庫 サ 15-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090409

感想・レビュー・書評

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  • 本書に収録されているのは『甲陽軍鑑』全体のうち4分の1に満たない量であるが、それでも十分に読み応えがある。

    500年以上前に書かれたものではあるが、ここに書かれている教訓は現在でも十分に通用するものある。

    本書を読むと、高坂昌信が信玄を称え、勝頼の代になってからの武田家の行く末をいかに案じているかが読み取れる。そこには、長篠の合戦の影響もあるのだろう。

    原文をまず読んで次いで口語訳を読むというのが良いのだろうが、時間がなければ口語訳のみを読み、時間がある時に原文をじっくり読むというスタイルでも良いだろう。

  • 原文なので難しすぎた。
    解説書とともに再読したい。

  • 校訂・訳:佐藤正英

  • オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。
    http://books-officehiguchi.com/archives/3984513.html

    この本の構成は、原文→口語訳の順である。小和田哲男『甲陽軍鑑入門 武田軍団強さの秘密』と比べると、原文と口語訳が書かれているので、若干難しいと感じる人はいるかもしれない。しかし、当時、高坂昌信が残した記録から武田信玄、上杉謙信、織田信長、徳川家康など戦国時代について考えてみるのは面白いと思う。戦国時代に興味のある人に薦めたい1冊である。

    個人的には、「甲州法度之次第」で日本史の史料問題で使ってみたい。

  • 先に読んだやきもの談義で紹介されていたので読んだ。戦国時代の武士の心得がわかる。戦の時だけでなく平素のことも書かれているので当時の武士の考え方もわかる。鈍すぎず、賢すぎず、弱すぎず、強すぎない武将の四章は興味深い。山本勘助が面白そう。訳者のあとがきが良かった

  • 新田次郎氏の小説を読んで甲陽軍艦に興味を持ちました。原文と現代語訳が併記されているので、原文にあたることもできます。
    品第六では、信玄晴信公の蛤の挿話とわずか三百騎での初陣勝利の話が簡潔に述べられています。小説では、原文のほんの数行の部分をあたかもその場にいるように表現して、私たちにみせてくれているのだなあとしみじみと感じました。
    武士の心得が簡潔な文章で軽快に述べられていて、現代人も見習うべき「こころのあり方」が多くあり、座右に置きたい一冊です。

  • 持ってないけど、未読だけど追加。
    著者(推定)の24将がひとり高坂弾正昌信、通称高坂さんが好きだから(笑)
    幼名春日源助さんこと高坂さんが大好きだから(しつこくいってみる。だいじなことだから)

  • (2007.01.26読了)(2007.01.19購入)
    NHK大河ドラマ「風林火山」の主人公、山本勘助に関する本をあれこれ検索していたら、ネタ本は、「甲陽軍鑑」らしいと言うことが分かったので、読んでみることにしました。
    400ページほどありますが、原文と訳文の両方が収められているので、訳文だけ読むとすると半分の200ページほどとなります。
    これで「甲陽軍鑑」に全部と言うわけではなく、およそ4分の1と言うことです。全部を読みたい方は他の本に当たってください。
    知りたいことの幾つかは、「解説」に書いてありますので、幾つか紹介しておきましょう。
    ●「甲陽軍鑑」という標題(391頁)
    「甲」は、甲斐をさす。「陽」は、万物が豊かに成長し、稔る意の言葉で、「甲」を修飾している。「軍鑑」は、戦いの歴史物語の意である。「鑑」には、歴史物語が世俗世界を映し出す鏡であり、後代の人々にとっての戒めであることが含意されていよう。
    ●「甲陽軍鑑」の著者は(392頁)
    「甲陽軍鑑」の大部分は、信玄の老臣であった高坂昌信(1527-76)の筆録と言う体裁をとっている。
    ●「甲陽軍鑑」の内容(391頁)
    「甲陽軍鑑」は、武田信玄(1521-73)・武田勝頼(1546-82)を中心とした甲斐国の武士をめぐる全20巻・59品に及ぶ壮大な規模の歴史物語である。信玄・勝頼二代にわたる数多くの合戦のいきさつや有様を始め、為政にかかわる事績、武将としてのあるべき心構えなどが、説話や伝承、記録文書に基づいて語られている。

    山本勘助については、あまり記述されていません。信玄に召抱えられた時の話、今川家で召抱えられずに永年(9年)過ごしたこと、川中島の合戦で戦死したこと、この3つぐらいです。
    これだけのことを元に、井上靖が「風林火山」を書いたとすれば、作家と言うのは、いまさらながら驚嘆すべきことと思います。
    武士の心得、武田家のこと、今川、上杉、北条、等周りの国々のことも語られています。

    ●信長について(386頁)
    総じて信長の家中では合戦をめぐっての嘘が多い。今川義元に勝ったときも今川家の軍勢6万に勝ったという。多く見積もってもぎりぎり2万4千の軍勢である。
    また、長篠の合戦で、武田方の軍勢が騎乗で攻め込んだと言うのも嘘である。長篠の合戦場は、馬を十騎も並べて駈けられるところではない。

    翻訳者 佐藤 正英
    1936年 長野県生まれ
    1958年 東京大学文学部倫理学科卒業
    東京大学文学部教授
    共立女子大学文芸学部教授
    東京大学名誉教授
    (2007年1月30日・記)

    ☆関連図書(既読)
    「風林火山」井上靖著、新潮文庫、1958.12.05

    (「BOOK」データベースより)amazon
    戦国大名武田信玄、勝頼二代にわたる甲州武士の事績、心構え、軍法、合戦などが記された壮大な歴史パノラマ。戦国時代に形成された武士道の集大成ともいわれ、元和以来、武士の間で広く読まれた。また、講談や歌舞伎狂言などにも翻案され、庶民にも遍く普及し今に伝わっている。本書は、全二十巻五十九品の中から、その白眉と目される山本勘助の物語、信玄一代記、甲州法度など話題に富む十四品を収録。歴史に関心をもつ読者はもとより、広く現代において、組織の上に立つ者の必読の名著。原文に現代語訳を付す。

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