昭和維新試論 (ちくま学芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090645

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  • [ 内容 ]
    著者は昭和初期のナショナリズムを軍国主義と一体とみる戦後の進歩思想の流れのなかで、かつて自分をとらえたナショナリズムの意味を考えつづけた。
    彼は昭和維新思想の起源を、明治の国家主義が帝国主義に転じたとき青年の心に広がった不安と疎外感のなかにみる。
    この不安を手掛かりに、日々市民に向かって桃太郎主義を訴えた赤児のように純真な渥美勝を始めとして、高山樗牛、石川啄木、北一輝ら、戦後進歩思想が切りすてた不能率かつ温かい心情をもった人々の系譜を掘り下げ、昭和維新思想を近代日本精神史の中に位置づける。

    [ 目次 ]
    渥美勝のこと
    渥美の遺稿「阿呆吉」
    「桃太郎主義」の意味
    長谷川如是閑の観察
    青年層の心理的転位
    樗牛と啄木
    明治青年の疎外感
    戊申詔書
    地方改良運動
    田沢義鋪のこと
    平沼騏一郎と国本社
    日本的儒教の流れ
    発亥詔書
    北一輝の天皇論
    国家社会主義の諸形態

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 1920~30年代の日本における思想史、精神史に関心を有する人に強く薦めたい一書。私たちが対峙する現代の諸課題は、当時の日本が直面した問題群の圏内から、原理的に抜け出してはいないことが実感できる。 (2010: 村松晋先生推薦)

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著者プロフィール

1922~1983年。長崎県対馬(上県郡、現対馬市)生まれ。1945年、東京大学法学部卒業。編集者として活躍しながら1957年に『同時代』誌で「日本浪曼派批判序説」の連載を開始。1958年より明治大学政経学部講師として、後に教授として近代日本政治思想史を講じる。
○主著:
『日本浪曼派批判序説』未来社、1960年、増補版1965年/講談社文芸文庫、1998年。
『歴史と体験』春秋社、1964年、増補版1968年。
『現代知識人の条件』徳間書店、1967年/弓立社、1974年。
『近代日本政治思想の諸相』未來社、1968年。
『ナショナリズム―その神話と論理』紀伊国屋新書、1968年。
『黄禍物語』筑摩書房、1976年/岩波現代文庫、2000年。
『西郷隆盛紀行』朝日新聞社、1981年/朝日選書、1985年。
『昭和ナショナリズムの諸相』名古屋大学出版会、1994年(筒井清忠編)。
『柳田国男論集成』作品社、2002年(原本は講談社学術文庫『柳田国男』1977年。
『橋川文三著作集』増補版全10巻、筑摩書房、2001年。

「2013年 『昭和維新試論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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