バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 130
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090874

作品紹介・あらすじ

古代インドの大叙事詩『マハーバーラタ』の中の一編で、同族同士が戦うことに深く悩み、戦意を喪失している勇士アルジュナへ、御者を務めていた賢者クリシュナ(実は最高神の化身)が、彼を鼓舞するために説いた教えが、バガヴァッド・ギーター(神の歌)である。人間存在のむなしさを描き、現世の義務をはたしつつ解脱に達する道を説く信仰の書をわかりやすく解き明かす。さらに帝釈天、弁才天、大黒天、毘沙門天、鬼子母神などのルーツを解説し、宗派を超えて愛誦されてきた最高聖典が、仏教や日本の宗教文化、日本人のものの考え方に与えた影響を明らかにする労作。

感想・レビュー・書評

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  • 岩波文庫「バガヴァッド・ギータ―」を読んだので、こちらでさらに深堀。ヒンドゥー教と仏教との共鳴、僧侶であった上村先生にしか書けない解説書だと思った。バガヴァッド・ギータ―は『人は社会人としての自己の義務を果たしつつも究極の救いの境地に達しうる』と説いてくれていることが本当に救い。宗教家の『自慢をすると、せっかく積んだ功徳が逆にその人を害するようになる、積んだ力が全部出て行ってしまいます』は宗教家でなくとも自慢を自制する力が湧いてくるすごい言葉だと思った。先生にはもっと長生きしてほしかった……。

  • 著者の訳業、岩波文庫のバガヴァッド・ギーターは、正直、十分に理解できなかったが、この解説書は、ギーター
    の世界を一般にも理解しやすく工夫されており、熱気を帯びた論調にいつしか引き込まれてしまいました。

  • 上村訳『バガヴァット・ギーター』(岩波文庫)のハンドブックとして購入。こちらも読了しました。

    単なる語の解説や考え方の説明にとどまらず、仏教徒として上村先生がどう『バガヴァット・ギーター』と向き合ってきたかが窺いしれる本です。上村先生なりに考えたヒンドゥー教/仏教の共通点と違いを知ることもできます。
    語り口も、どちらかと言えばお坊さんの法話を聞いているような感じ。宗教書として受け取ろうか迷いましたが、第一に『バガヴァット・ギーター』の研究書として非常に優れた本ですから学術書ということにしておきました。

    読んでいて特に気に入ったのは、『バガヴァット・ギーター』に日本仏教の如来蔵思想、本覚思想の源泉を見ようとしているところです。とても面白いと思いました。私も読んでいて浄土教とそっくりな考えがポンポン出てくるので何となく感じていたのですが、そのことをしっかり日本の仏典も参照しながら示していく作業にはうっとりさせられます。

  • 解説は分かりやすいと思います。ただ、この世界観を理解するには、まだまだ時間がかかりそうですね…。>_<

  • ヒンディーの聖典であるバガヴァッドギーターを全訳している著者によるその案内書。
    親族を巻き込んだ戦争で戦うことを躊躇う戦士アルジュナに最高神のクリシュナが御者の姿を借りて語りかける物語の形をとる聖典。
    自分は何を為すべきなのか?苦しみからどうすれば逃れられるのか?社会を捨てて隠遁することは是なのか?
    誰もが感じる疑問に平易な言葉で応える内容。実践は難しくも理解はし易い。
    僧侶でもある著者による本覚思想との相似点の指摘は興味深い。
    ますますヒンディーのことを知りたくなる一冊であった。

  • バガヴァッド・ギーターの解説が、著者自身の解釈とともにわかり易く紹介されている。

    この本を指針にしつつ、いつか原典を読んで見たいな〜と思った。

  • 叙事詩マハーバーラタ中に編入された一篇にバガヴァッド・ギーターと題される物語があり、それはそのままヒンドゥ哲学の聖典として評価を得ている。

    クリシュナとアルジュナの対話から一元不二の真理を読み取らねばならない。

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