- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480091222
作品紹介・あらすじ
史料として読み解くことで、過去の絵画の見方が変わる。鬼は「他者」の象徴?旅人の必需品は?死後の世界のイメージは?教科書でおなじみの源頼朝像は実は別人だった?「吉備大臣入唐絵巻」「一遍聖絵」「洛中洛外図屏風」「熊野観心十界曼荼羅」などの有名な絵巻や屏風絵・掛幅も史料として読み解けば、まったく新しい世界が見えてくる。長年にわたり絵画史料論・歴史図像学の分野を構築してきた著者の成果を、わかりやすい語り口で示した書。補論として、中世の土地争いのあり様を荘園絵図から読み解いた二論文を増補。
感想・レビュー・書評
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鬼の概念などは、中世の人々のイメージを考えていくうえでとても参考になりました。
教科書にも絵巻や荘園地図の考察は、授業でも扱うことができます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトル通り、絵画から歴史を読む視点を学べたが、日本史の専門的知識が前提となっているので、勉強不足の僕には不向きだった。
極論タイトル読むだけで今後の絵画の見方は変わったかも笑 -
めちゃくちゃ面白かった
やりたかったことはとっくにやられてた! -
新書文庫
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試みにみなさんが学んできた小学校・中学校社会科(歴史)の教科書を開いてみてください。改めて見直すと,実に豊富で多彩な絵画史料が載っていることに驚くでしょう。本書は,絵画史料論を牽引してきた著者による格好の入門書です。絵画史料から歴史を読み解く視座や方法が平易に語られ,その面白さに引き込まれていきます。
*推薦者(教教)T.K
*所蔵情報
http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA84073259?hit=1&caller=xc-search -
日本美術鑑賞が趣味の私にとって、目から鱗の1冊でした。絵巻や屏風って、美術作品であると同時に、歴史を読み解く史料でもあるんですね。おなじみの「源頼朝像」(神護寺)が時代も違う「足利直義像」かもしれないなんて、まるで推理小説。「一遍聖絵」に描かれている動物や道路からもその場所の聖地性や交通事情を読み説いていきます。こんな学問、楽しそうだなぁ。やってみたいなぁ。
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絵画を史料として読み解き、その時代の人々の営みを明かしていく試み。さまざまな分野の知識を要求され、細かなことまで丹念に地道に分析していくことは並々ならぬ労力がいると思うんですけど、それをさらっと一冊で読めちゃうのは良いことなのか、悪いことなのか。
黒田さんは本の一章をさいて、洛中洛外図から坐の文化を読み解いておりますが、私が美術館で洛中洛外図を見て、ただ「美しい」「面白い」「感動した」止まりでしょうから、こうした一歩進んだ絵画分析ができれば、もっと知の愉しみを味わえるんでしょうね。 -
おもしろい・・
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歴史は小学校で習った大昔から大好きなんだけど、学部を選ぶ最後の最後で史学部を捨ててしまった。今から思うと「歴史認識」が狭かったなーと思う。この本はタイトルそのまま、いろいろな絵画史料から歴史を読み解く本で、鎌倉時代とか室町時代とか、とにかく残された絵に描かれた「絵」そのものから歴史的事実や時代背景と照らし合わせた事柄を解説してくれる。
「へー!」こんな風にわかるのか、という驚きがあって気持ちいい。こんなところからも歴史って探れるものだったんだなあ…と、ちょっと勿体無い気分になった。
今年(2010年)の初めにNHKでドラマ化していた『大仏開眼』の主人公、吉備真備の入唐中の伝説もあったりして、ドラマで観た時に可笑しかった覚えが。