橋爪大三郎の社会学講義 (ちくま学芸文庫 ハ 30-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091475

感想・レビュー・書評

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  • 結婚をめぐる議論や猥褻と道徳との関係についての記述が特に印象に残りました。

    知識をインプットしていくことより自分の頭で深掘りして考える時間が大切なのではないか。

  • 社会学を知る格好のテキスト

  • 1134円購入2011-02-09

  • ◆社会学、就中、理論社会学者が、他の専門領域に手を出した時に見える底の浅さ。社会学が他の社会科学を網羅することの弱点を露呈した90年代半ばの時事評論集◆

    2008年(底本1995、97年、初出1991~96年)刊行。
    著者は東京工業大学大学院社会理工学研究科教授、同大学世界文明センター副センター長(理論社会学、宗教社会学、現代社会論)。
    雑誌他のエッセイを集積した書。それ故か論理矛盾も一部に存在する。

     まず、➀社会学史概説(~92頁)は判り易い。一読の価値はある。

     しかし、➁大学論は疑問符がつく。
     著者は、そもそも大学とは思想を鍛え、構築し、創造し発見する場とする一方で、思想と消費生活、消費社会の原理とは両立し難いとも言う(312頁以下)。
     ところが、著者が諸手で賛成するのは、大学での競争原理の導入。さらには大学教育費用の学生=受益者負担の数倍程度の増大だ。
     後者は消費社会と消費生活の原理を、大学の教育システムに導入することであり、これらの論法ははっきり言って矛盾し、かつ愚考である。
     90年代にこのような愚考を一般にまき散らしたことが、その後、ゼロ年代以降の学生にどれほど負担を強い、かつ二極化を促進したか。許し難き存在である。若手研究者はこういう輩を糾弾すべきと思うほどだ。
     しかも、該テーマの論考の一部はトヨタ広報部の刊行書への寄稿である。まさかとは思うが、原稿料目的のポジショントーク?、学者に有るまじき行動?とは、流石に穿ち過ぎだろうか?。

     ただし図書館論(131頁以下)、特に大学図書館論。そして大学の組織改革論は、理解できる部分もある。前者はある程度の利用料の支払いは是としつつ、学外者にも使わせてほしいけれど…。卒業して判る大学図書館の有難さ…。


     そして、➃猥褻論。90年代半ばなのに、このような論を滔々と展開されても古いとしか…。表現の自由を強調し、ラディカルに展開される論者なら80年代前半にも展開していたレベルですが…。

     ➄オウム真理教論。時評としての重要性は否定しないが、オウム真理教が仏教教団の内実具備かどうかは、それほど重要なテーマだろうか?。
     むしろ、過去のカルト集団との比較の方が余程社会学的と思うけれど…。
     そういう社会学的に重要な要素に全く触れることなく、破防法論(破壊活動防止法)に言及し出してしまう。いくら何でも専門外だろうと思いながら読み進めると、そのお茶の濁し方に絶句してしまう。
     社会党(当時)の批判も流石に80年代前半なら先見の明ありとしたろうが、90年代のしかも半ばでは…

     続いて、➅思想概論。上っ面をなでただけという点はともかく、本書で指摘するほど思想の価値を強調し、金科玉条の如く遇することの危険性の方を、かえって危惧してしまう。


     まとめると本書は上記の➀のみ読めば十分。➅は好き好きで。その他は時間の無駄であると言わざるを得ない。

  • うーん。橋爪先生の言葉まで刺さるようになってきた。人類学の方が好きなのかも。

  • 最初の1冊に良さそう。

    動機づけがなく、いきなり
    中公新書『社会学講義―人と社会の学』富永健一著
    http://booklog.jp/item/1/4121012429
    を読もうとしても、続かないという方にピッタリ。

    入門ばかりでは、つまらないので、この2冊が終わったら、
    古典に進もう。

    最近はほとんどの古典が、岩波、講談社、ちくまなどで手に入る恵まれた日本。大学でなくても学ぶ気があれば、相当の事は知ることができます。

  • そろそろ覚悟を決めて、腰を据えて、本格的に古典を読む必要があるなぁ。

  • 読み終わった
    社会学専攻の友達に影響されて。
    世の中を社会学で分析するとどういう結論に達するのか。そういう疑問に答える入門としていい。ちょっと掴める物はふわふわしているけど、雰囲気は充分分かる。と思う。

  • 最近気になっている『社会学』という領域。
    社会学とは何かを、著者は基礎講座という章で丁寧に教えてくれる。
    社会学は、『でき上がった学問というよりも、「ものの見方」とでも言うべきものである。』

    まずはじめに、この本を読むことができて良かった。

  • 2008/09/04購入。私と社外学はまだつながっている、気がする。

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著者プロフィール

橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう):1948年生まれ。社会学者。大学院大学至善館教授。東京大学大学院社会学部究科博士課程単位取得退学。1989-2013年、東京工業大学で勤務。著書に『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『教養としての聖書』(光文社新書)、『死の講義』(ダイヤモンド社)、『中国 vs アメリカ』(河出新書)、『人間にとって教養とはなにか』(SB新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)など、共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『おどろきのウクライナ』(以上、講談社現代新書)、『中国共産党帝国とウイグル』(集英社新書)などがある。

「2023年 『核戦争、どうする日本?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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