世紀末芸術 (ちくま学芸文庫 タ 6-4)

著者 :
  • 筑摩書房
3.93
  • (9)
  • (10)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 174
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091581

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 世紀末がどんな時代で、どんな芸術が生まれ、それらがどのような特徴を持っているかは分かった。詳細に説得的に書かれている。

    しかし、それらがなぜ誕生したかについては、今一つ腑に落ちなかった。

    理由として説明の中で、○でありながら、反○の状況もあったという表現が多く、正確ではあるのだろうが、この混沌さへの説明が明快でなかったような気がする。

  • 象徴主義、綜合主義、新印象派等、19世紀末に芽生えた美術を包括する。当時の歴史的背景も合わせて知れて、読みやすかった。

  • 大学の講義の予習のために。

    実りある講義になりますように。

  • [ 内容 ]
    メタモルフォーズする官能の女性像、流麗なアラベスク模様、象徴的な動植物モティーフ―。
    アールヌーヴォーやユーゲントシュティールなど「世紀末芸術」は、19世紀末、爛熟の極に達した西欧文化の中から、一斉に花ひらいた。
    混沌とした転換期の鋭敏な感受性が、華麗な装飾性や、幻想的な精神世界などを追求しはじめたのだ。
    そこにはすでに、抽象表現の台頭、諸芸術の綜合、芸術言語の国際化等、20世紀芸術にとって大きな意味をもつ諸問題が提起されていた。
    新時代への「美の冒険」でもあった芸術運動を、絵画や彫刻、建築、装飾、デザインの分野にわたって捉える。

    [ 目次 ]
    序章 世紀末芸術とは何か(転換期の芸術;新しい芸術理念;頽廃と新生)
    第2章 世紀末芸術の背景(社会的風土;機械文明の発達;ジャーナリズムの繁栄;遙かな国・遠い国)
    第3章 世紀末芸術の特質(華麗な饗宴;魂の深淵;よく見る夢;音楽性と文学性)
    第4章 世紀末芸術の美学(象徴主義;綜合主義;科学主義)
    結び 二十世紀への道

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

著者プロフィール

高階 秀爾(たかしな・しゅうじ):1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954ー59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。国立西洋美術館館長、日本芸術院院長、大原美術館館長を歴任。現在、東京大学名誉教授、日本芸術院院長。専門はルネサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた。主著に『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫、芸術選奨)、『名画を見る眼』(岩波新書)、『日本人にとって美しさとは何か』『ヨーロッパ近代芸術論』(以上、筑摩書房)、『近代絵画史』(中公新書)など。エドガー・ウィント『芸術の狂気』、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』など翻訳も数多く手がける。

「2024年 『エラスムス 闘う人文主義者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高階秀爾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×