“象徴(シンボル)形式”としての遠近法 (ちくま学芸文庫)

制作 : Erwin Panofsky  木田 元  川戸 れい子  上村 清雄 
  • 筑摩書房
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091680

作品紹介・あらすじ

今日ではほとんど自明なもののように受け止められている透視図法。それは、完全に合理的な空間=無限で連続的な等質的空間を表現するために編み出されたものであり、人間の直接的経験・知覚の原理とは必ずしも一致するものではない。あくまで、ある時代の精神が求めたシンボル的な制度、教義的な形式だったのである。古代の曲面遠近法、ルネサンス期の平面遠近法の成立、近代以降の多様な展開を追いながら、時代の空間観・世界観を、広く人間の精神史と対応させて捉える。美術史・認知科学・建築論など、幅広い分野において今日いっそう参照される記念碑的論考。

感想・レビュー・書評

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  • 著者のE・パノフスキーはカッシーラーの「精神的意味内容が具体的感性的記号に結び付けられ、この記号に同化されることになる」という「象徴形式」に基づき、芸術作品から観取される特定の視覚構造を時代の精神形態の反映(象徴形式)として系統づけようとしたイコロジー(図像学)を確立したことで知られている。

    現代でも「普遍的」な視覚的構造として考えられ勝ちである「(透視)遠近法」が、実は西洋ルネサンス期を起点として発展する近代の精神構造(モダニティ)に特有の「理念的システム」に他ならなかったということを解き明かす。

    遠近法の発見は、「神的」視点の「人間化」であったし世界の「脱呪術化」、「世俗化」であった。理念的には無限的、均質的、計量可能となった空間そして時間は、科学技術の爆発的進化とともに人間活動一般の経済化へと結びつく。これは人間社会の「近代化」への飛翔への第一歩であったのだ。

    この点、パノフスキーが解き明かした視覚構造の近代化は、単なる西洋近代絵画の成立という契機を超えて有り余る。この意味で本著は我々の世界の成り立ちを考察極めて示唆に富んでおり、思想史上においても重要な位置を占めているのである。

  • 日本語になってない。。とくに注が。そして注が本文の二倍ある。。非常に興味深い内容であるだけにこの読み難さは実に勿体ない。。

  • 読んでいても手元になかった本が文庫で出てくれると嬉しいなあ。本文よりも注の方が多い本。今度は注もちゃんと読まなくちゃ。

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