知的創造のヒント (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.61
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本棚登録 : 697
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480091772

作品紹介・あらすじ

独創的なアイデアは、自分からは出てこないとあきらめていませんか。日頃から、ちょっとした思考のトレーニングを積めば、今からでもユニークな発想ができるようになります。この本は、個性的な思考スタイルを身につけ知的創造性を発揮する方法を提示し、著者の実践法を、やさしく紹介します。常に心構えを柔軟にしておくコツや、忘却の効用、雑談のすすめ、メモをとる是非、本の読み方まで、今から実践できるトレーニング方法を数多く収録。あなたに最適な知的創造のヒントがここにあります。

感想・レビュー・書評

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  •  31年前に講談社現代新書から発刊されたベストセラーの、復刻文庫化。

     この著者のエッセイストとしてのもう一つの代表作『思考の整理学』(ちくま文庫)は私のお気に入りで、何度も読み返したものだが、こちらは読んだことがなかった。文庫化を機に初読。

     が、『思考の整理学』を読んだ者には価値のない本だった。というのも、2冊は内容がかなり重複しているからである。同じ文章を二度売りしているわけではないのだが、取り上げられているアイデア、ノウハウ、エピソードの多くがかぶっている。

     もっとも、元本の刊行時期からいうと『知的創造のヒント』のほうが先(1977年)で、『思考の整理学』はその5年後に出ている。なので、厳密には『思考の整理学』のほうが二番煎じなのである。
     しかし、私自身が読んだ順番からの印象だけではなく、内容も『思考の整理学』のほうがはるかに洗練され、すっきりとまとまっている。

     「どちらか一つを」という人には、『思考の整理学』のほうが断然オススメ。ネットどころかワープロすら普及前の本だが、いま読んでも十分に新鮮な内容である。

  • 発想法についての古典的な本です。著者自身の体験談を織り込みながら、アイディアを生み出すためのヒントを説いています。

    ただし、具体的なテクニックにまで落とし込んで説明している本ではないという印象です。説明の抽象度が高くて、発想の本質に踏み込んでいるということもできるのかもしれませんが、すぐに役立つテクニックを求める向きには、やや迂遠に感じてしまうのではないかという気がします。

  • "外山さんの本は3冊目になるかな。考えること、思考すること、その方法のヒントを集めたコラム。
    この本でもふれているが、外山さんは、比喩がしばらしい。抜群という表現があっている気がするが、自分ごときが偉そうにこんなコメントをするのは気が引ける。
    グライダー効果 とか、 酒造り と カクテル など、ぼんくらな私にも「なるほど~」と頭に入ってくる。
    私は、比喩がうまくできる人になりたい。そうなるには、物事を俯瞰して把握していることと、その仕組みなりシステムなりを的確に言い換えるものを多くしっていないとできない。
    人生経験を積み重ねる中で、身につけたいと思った。"

  • いかにして発想するか、発想するとはどのような事かということを考える一冊。現代の発想法の基礎的な考え方がこの本にはあると思う。

  • 2018.9.13

    おもしろい着想についての軽いエッセイのようなもの
    それにしてもこの人の例えの教養の高さよ
    拾い読みしながら読むくらいがいいかも

  • 「思考の整理学」の著者と聞いて手に取った一冊。正直内容は「思考の整理学」と7割くらい同じような気がした。「思考の整理学」が世に出たのが1983年(ちくまセミナーにて刊行)に対して、本著は1977年に刊行されたものなので、名著の前身と考えれば納得といった印象。再読したと考えても、高尚な比喩表現(本著内でも比喩の重要性を語っている)や日常の中で偶然を待つ、考えは寝させる、優れた指導者の影響を受けすぎては良くない(大きな木の元には草も育たない)等の感覚は程よく抜けてて鋭いなあと改めて感じた。
    外山滋比古作品もっと読んでみたい。

  • 発送方法、メモの取り方など、様々な知的活動のヒントを分かりやすい比喩を通して説明している。
    AI時代に人間にしか出来ない知的活動が求められる。

  • 外山滋比古による1977年発表(講談社現代新書)のエッセイ集。ちくま学芸文庫で2008年に復刊された。
    外山氏の「思考法」に関する初期のアイデアのエッセンスが語られており、近年ベストセラー化した『思考の整理学』(1983年発刊。ちくま文庫で1986年文庫化)はじめ、その後の外山氏の著作のアイデアの基の多くが本書に綴られている。
    「ものを考えようとすれば、ある特定の問題に心を寄せなくてはならないが、関心をもつとたちまち、・・・ものがあるべきように見えないで、あってほしいと思う形をとるようになる。・・・interestをもちながらdisinterestednessの状態をつくり出さなくてはならない。思考の逆説はそこにある」
    「カクテルは他力本願である。知的創造は他人のものを失敬したり、加工したりして生まれるものではなく、自分の頭の中の化学反応によってのみ可能である。酒でないものから酒が造られなくてはならない」
    「セレンディピティー・・・考えるには、あまり、勤勉でありすぎるのもよくない。ときどきなまけている必要があるらしい。その空白と見える時間の間に、ナマな思考が熟して発酵が準備されるのである」
    「くよくよものを考える頭でおもしろいことなど考えられるわけがない。頭をよくしようと思ったら、つまらぬことはさっさと忘れることである」
    「大きな木の下には草も育たない・・・圧倒されそうな影響をもっているものには不用意に近づかないことである。近づいてもながく付き合いすぎてはいけない」
    「ひとのめがねでものを見てから自分の目で見ても、ものが正しく見えるはずがない。まず、自分で見る」等
    メモの功罪、ノート作り、論文の作り方、本の読み方なども語られてはいるが、優れた着想を得るための心構えに関するフレーズが印象に残る。

  • おすすめ資料 第86回 「考える」ことを考える(2009.4.3)
     
    「知的創造」というと身構えてしまいそうですが、知的創造をするために自分で「考える」コツを分かりやすく教えてくれる本です。

    各章で様々なヒントが紹介されていますが、なかでもおすすめなのが、筆者が大学で外国文学科の学生を対象にした講義で毎年紹介していたという"どうすれば論文が書けるのか"という話です。

    「酒を造る」というタイトルのこの章では、ひらめいたアイデアを論文のテーマとして発展させるにはどうすればよいのか、酒づくりになぞらえて説明し、実例として、シェイクスピアを読んだ感想が論文のテーマとして発展していく過程が詳しく紹介されています。

    他章でも「忘却」「読みさし」のすすめなど、ユニークな思考術や、著者による実践の様子などが数多く紹介されています。

    「知識の記憶」ではなく「知的創造」をすることの必要性とその難しさを説きつつ、「考える」ことを始める人へのエールにあふれています。
    皆さんが大学で取り組む知的創造にきっと役立つことでしょう。

  • 2015 6 21
    1冊

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2018年 『「考える頭」のつくり方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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