- Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480092489
作品紹介・あらすじ
純然たる幸福は、苦痛への否定である。どんな苦痛をも、苦痛への危惧でさえをも、否定するのだ。純然たる幸福は言語への否定なのである。-『無神学大全』第4巻として構想された『純然たる幸福』の関連論文、「非‐知」「真面目さの彼方」「ヘーゲル、死と供犠」「ヘーゲル、人間と歴史」などを中心に、バタイユの最重要テクストを精選編集。「レオナルド・ダ・ヴィンチ」などの文化・芸術論、「エロティシズムの逆説」などのエロティシズム論、デュラスとの対話ほか全20編を収録する。文庫化に際し「クレー」「ヘーゲル弁証法の基底への批判」「シャプサルによるインタビュー」の3編を増補。
感想・レビュー・書評
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エロティシズムが素晴らしかったぶん、期待してたら肩すかしを食らった。
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純然たる幸福は、最も意味を失っているという点で、詩である
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原書名:(Bataille, Georges, 1897-1962)
文化・芸術論(アーネスト・ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』について◆ピカソの政治的絵画◆クレー◆文化の曖昧さ◆人間と動物の友愛◆芸術、残虐の実践としての◆作家の二律背反について―ルネ・シャールへの手紙◆レオナルド・ダ・ヴィンチ(一四五二-一五一九)人の住みえぬ地球に?)◆エロティシズム論(エロティシズムの逆説◆エロティシズム、道徳の支え◆エロティシズムあるいは存在を疑うこと)◆ヘーゲル論(ヘーゲル、死と供犠◆ヘーゲル、人間と歴史◆ヘーゲル弁証法の基底への批判)◆思想論(第一の要請◆非‐知◆真面目さの彼方◆飽和状態の惑星◆純然たる幸福)◆補遺(デュラスとの対話◆シャプサルによるインタビュー)
著者:ジョルジュ・バタイユ(1897-1962)
訳者:酒井健(1954-)
人文書院1994年刊の増補 -
どんだけ久しぶりだろう。こういうの読んでいた私が恥ずかしい。
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批評的な小品から、かなり規模の大きいヘーゲル論、さらには独自の思想を披瀝する論考まで、バタイユの多岐にわたる仕事をまとめたアンソロジー。バタイユの仕事を概観するのに格好の一冊である。彼がヘーゲルを内側から乗り越えることで思想形成を遂げたことがはっきりとわかるし、彼の思想の核心をなす「非ー知」を論じた一章は、 何度も味読したい洞察に満ちている。丁寧な編集と訳業も称賛に値しよう。
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バタイユは久々に読んだ。
ジョルジュ・バタイユは決して哲学者ではない。思想家と言えるとしても、根本的に・そのスタート地点は「文学」である。ロラン・バルト、クロソウスキー、ブランショ、吉本隆明などと同様に。
しかしこの本に収められている、ヘーゲルに関する文章を読むと、バタイユが純粋な「哲学」にいかに近づき、そこから「バタイユの思想」を引き出してきたかわかる。
ジョルジュ・バタイユはすでに時代遅れなのだろうか?
私は若い人たちには、大いにバタイユを呼んでほしいとおもう。