日本流 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.09
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本棚登録 : 164
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480092533

作品紹介・あらすじ

我々の周りにあり、また失われつつある日本的なもの。著者はそれを「日本流」と定義した。本書では万葉仮名、着物、庭園、絵画等を豊富な図版とともに紹介。それらのなかにスサビという方法論を見出し、泉鏡花、イサム・ノグチ、ワダエミなど、モノの真髄を掴み、革新的な仕事をした人々に着目。文化やその伝承が個々の才の集積であることを説く。また忘れかけた日本の滋味とも言える哀調を、野口雨情をはじめとする大正時代の童謡に探る。現代にも伏流としてある多様で一途な日本の姿が現れる一冊。日本文化について斬新な提言を続ける著者の歩みは、この書から始まった。

感想・レビュー・書評

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  • 松岡正剛に30過ぎてはまっていたらまずいだろうということですが、私はまだ20代ですので、なんだか面白そうなことを言っていると、いつも新しい本が出る度読んでいます。

    最近の「3.11を読む」は途中で読むのを投げ出しました。ただの読書感想文のような・・・・・・書いているうちに、この人は、単なる知の羅列ではないか。「自分のなかのお気に入り」を体系化しているだけで、本当に日本を捕まえようとしているのだろうかと、疑問になります。
    いつまでたっても「それはあとで書く。それもあとで書く」ばかりで、一向に本質に近付きません。問題の巨大さは示せても、具体的なその巨大な壁に触れようとしていないのではないかと思います。
    けれども、その問題について示そうとする、膨大な知識と目利きっぷりは、たいしたものでしょう。

    アドバイザーや問題提出者として、もしくは監修や、教育者として向いているし、実際その方面では、クールジャパン戦略あたりに貢献をしている彼の「編集工学」とは、いわゆる認知心理学でやってる「問題解決」でしょうが、その方法の確立と体系化は、ほんとうにできているのかどうかわかりません。

    彼の方法は、ある、みんなが容易に想像がついて、かつ、まあそれが答えだろうと思える、おもかげだの、うつろいだの、複数の日本だの、抽象的答えを、はっきりわかりやすくするのではなく、そこにイサムノグチがいるだの三木露風があるだのを述べ、問題より答えを複雑にするようにして、答えを問題にするような、反転の人だと思います。

    セミの声のうるささと、岩にしみ入るという静かさという、デュアルなのが良いと彼が主張したりするのも、まあそれは色々取り出せばクアッドにもなるし、シングルにとらえることもできるのではと突っ込みたくなります。
    また、日本というもののヒミツは永井荷風や九鬼周三にあるのではないかとか色々言ってますが、そういう気分で言うならば、日本の物語のすべては田中ロミオと源氏物語にヒントがあるうんぬんいえばそれなりにそう思えるし、そう言ってしまえば、どんなものにも「日本流」はあり、それがジャパン(ズ)であるのならば、そうだろうし、彼は広い視野をもつ物知り先生なのだから、結構思いこみが激しくてテンパってしまう専門家やビジネスマンに、クールなアドバイスを提供し、こういう方法で頭の中の順番やイベントのプログラムを並べてみたらどうか? とウマイことを言う、校正的意味ではない、編集仙人=方法提供者なのでしょう。
    過去の人はこういう演出や方法ややり方をやってましたよ、参考にどうですかという人で、そのテンパる人をさらに伸ばす。それが松岡正剛の本質で、それを学ぶのに彼の本は必要だろうと思われるが、彼の方法をコピーしたり、知識を取り入れても、何の答えにもたどり着かないで、ただ壁の前で壁の模様や大きさを語るのみなのであります。以上。

  • 「かたちをみているのではない。人を見ているのだ」
    「歌舞伎だからいい、俳句だからいい、というものではない。不断の努力をしている人たちがいいのだ」

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著者プロフィール

編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。80年代に情報文化と情報技術をつなぐ方法論を体系化し「編集工学」を確立し様々なプロジェクトに応用。2000年「千夜千冊」の連載を開始。同年、eラーニングの先駆けともなる「イシス編集学校」を創立。近年はBOOKWAREという考えのもと膨大な知識情報を相互編集する知の実験的空間を手掛ける。また日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し独自の日本論を展開。著書に『知の編集工学』『擬』『世界と日本の見方』『国家と「私」の行方』ほか。

「2022年 『千夜千冊エディション 戒・浄土・禅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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