創造的進化 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
4.07
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本棚登録 : 177
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (518ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480093073

作品紹介・あらすじ

生命は、「生の弾み"エラン・ヴィタル"」を起爆力として、不断の変形を重ねてきた。目的的ではなく、多様な方向に自由な分岐を繰り返す生命の進化の過程-それはわれわれの意識にも通じるものである。時間、意識、身体、記憶-超越論的存在を直観的把握によって解明しようとしてきたベルクソンが、さらに生命の根源へと思索を深める。刊行するや全世界で反響を呼び、生命概念を刷新するとともに、ベルクソンの名を高めることとなった主著。ちくま学芸文庫版オリジナル新訳。

感想・レビュー・書評

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  • 1417円購入2011-02-28

  • ダーウィン以上、アインシュタイン未満。

  • 読みやすい。でも過去と現在と未来を連続体として捉えているところが苦しい。むかしっぽい。

  • たいへん示唆的な哲学書である。しかも、訳文が読みやすい。「産業的」「優勝的」など意味不明な言葉が少しあるが、岩波版より論旨は追いやすい。結局、この著作のポイントは、すべてを生命の流れ、つまり「純粋持続」のもとにみるということだろう。また、進化の観点からみれば、知性は行動するために生命がつくったものなので、必然的に限界があるのである。ダーウィンやアイマー、ド・フリースやラマルクなどの進化論思想の読み解きも面白い。進化には結局、生命の意志があるのだ。思想の映画的メカニズムをもとに、科学思想を検討するところもみごとである。カルノーやクラウジウスなどの熱力学にも少しふれているが、アリストテレスの科学論が類や概念の絶頂、つまり特権的な時間、をみるのに対して、近代科学は特権的な時間を否定し、時間を細分化し、そこに運動をあてはめ、法則をみようとする。だが、どちらも「あらかじめ全てが与えられている」という観点からみれば共通なのである。これらの古代・近代の科学に映画的メカニズムをみたベルクソンは、存在の根本理解として、予見不可能な全てが全てに浸透している純粋持続を語るのである。古代の科学と近代の科学のちがいとして、実験をみるのは間違っているという指摘も面白い。実験は古代人もしていたのである。むしろケプラーの研究などは思弁の産物なのだ。彼の哲学は常識と「直感」を大事にしているが、とくに気になるのは、ベルクソン自身はいっていないが、中国思想との関わりである。王陽明の知行合一や、生命の流れとしての物質観は「易」とよく似ている。生命の哲学は東洋とつながるものだ。なかなか普遍的なテーマである。

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著者プロフィール

アンリ・ルイ・ベルクソン(Henri Louis Bergson)
1859年10月18日 - 1941年1月3日
フランスの哲学者。ユダヤ系ポーランド人の父と、イギリス人の母の間に生まれる。19-20世紀フランスを代表する哲学者として、哲学のみならず文学や政治思想など幅広い分野で大きな影響を残した。1888年、空間化できない意識の流れ「持続」の立場から自由意志の問題を考えた博士論文、『意識の直接与件についての試論』(『時間と自由』の邦訳で知られる)を提出、翌年刊行。1896年、事物でもなく表象でもない中間的なもの「イマージュ」から心身問題を考察した『物質と記憶』、1900年には笑いの現象とおかしみの構造を語るエッセイ『笑い』を刊行し、広く読まれる。1907年には『創造的進化』を出版し、生物学的知見から生命の実在とその躍動、進化全体を説いて世界的な反響を呼んだ。第一次世界大戦中はアメリカへの外交使節としても活動。国際連盟「知的協力国際委員会」議長など公の業務が増えるが、1924年にリューマチの発作が起きて以降活動は狭まる。1928年、ノーベル文学賞を受賞。1932年に道徳と宗教の源泉を探り人類の課題を考察した『道徳と宗教の二源泉』、1934年には論文集『思想と動くもの』をそれぞれ刊行。1941年、風邪の悪化からの肺充血によって逝去。生前に本人は遺言書を遺し、非公式の手記、講義録、手紙などの出版を禁じていたが、現在、講義録や書簡集なども刊行され資料として供されている。

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