量子論の発展史 (ちくま学芸文庫 タ 37-1 Math&Science)
- 筑摩書房 (2010年10月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480093196
作品紹介・あらすじ
連続量と考えられていたエネルギーにも最小単位があった!プランクは空洞輻射で量子の概念に至り、アインシュタインは光量子、ボーアは水素原子の量子論、ド・ブロイは物質波、ハイゼンベルクは行列力学を創出した。先の見えない道を、創造者たちはどのように探りつつ歩いたのだろう。彼らの多くと直接に交流し、その物理的核心を洞察しえた著者ならではの本格的な量子論史。理論形成の過程を唱導した物理的イメージや、他の研究者の成果との意外な関係にも論が及ぶ。学習者には量子論の全体イメージを、研究者には理論探求の醍醐味を生き生きと伝える定評ある名著。
感想・レビュー・書評
-
系推薦図書 総合教育院
【配架場所】 図・3F文庫新書 ちくま学芸文庫
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188972詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
500ページを超える労作で、数式も随所に出てくる学術的な書籍で、入門書、教養書ではない。江沢洋著『量子力学Ⅰ・Ⅱ』等を学んでいたが、そこで出てきた量子力学的な概念が提出された背景を深く知ることができた。教科書では天下り的に出てくることが、いかに理論的、実験的限界と格闘する中で生まれたのか。
多粒子系、場の量子論、相対論的量子力学はこれからの学びが楽しみだ。 -
相対論の本読んでたらこっちを読んでみたくなった。はたして?読み終わってみて、読み終えた、という気分にはなったが理解というレベルにはほど遠い。量子論の発展歴史を解説してくれる本かと思っていたが、これはこれで立派な学術論文であった。数式もめいっぱい出てくるのでやはりシロウトが太刀打ちできる内容ではなかった、です。
-
理論の発展の歴史だけでなく、如何にその理論が提唱されそれが量子論の認識に影響を与えてきたのか、を分かりやすく筋道立てて解説しており、物理学の典型的な進化の過程である量子論の発展を生き生きと感じることが出来た。
特にプランク理論への画期的なブレイクスルーや、行列力学に至る理論の展開は分かりやすくて良かった。