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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480093653
みんなの感想まとめ
本書は、儒教の宗教的側面に焦点を当て、その道徳性の本質を探る試みを通じて、読者に新たな視点を提供します。儒教が単なる道徳観に留まらず、祖先崇拝や命の連続性を重視する宗教性から成り立っていることを明らか...
感想・レビュー・書評
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自由平等や個人主義、と言った西洋的価値観の中で長年身を置いているからこそ、日本人としてのアイデンティティを確立していきたく、本書を手に取った。
儒教=道徳と言った間違った理解をしていたが、そもそも道徳性とは宗教性からくるものであるということ、そしてその宗教性について、本書を読む事でよく理解ができた。特にキリスト教的価値観を引き合いに日本を考察する場面は興味深く、唯一絶対神の監視の有無はやはり大きい。キリスト教を殆どの日本人は信仰もしていないのに、個人主義と言う形だけ輸入されている現代への違和感も的確に言語化されていて、興味深かった。
祖先から繋がれた命の連続性を改めて意識して、先祖の歴史を学ぶなどし、日本人としての孝の精神をまずは大事にしてみたい。そして共同体の中の個であると言う考え方も改めて意識し、自分の幸せばかりではなく組織への貢献意識も忘れないようにしていきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本人の考え方のルーツを儒教の宗教的側面から論じている
○儒教はとにかく"家"を大事にし、それ故他者に宣伝することも教団をもつこともしない
○仏教が輪廻転生を説くのに対し、儒教の根核は孝であり、孝とは"生命の連続"を自覚することである。
→日本人は孝の考えが根付いているが故に臓器移植に抵抗を覚える
(連続性が断たれることへの嫌悪)
一方で、輪廻転生の国々から大量の臓器提供が行われることは、その死生観からは不思議でない。
(輪廻転生するのであれば、現世の肉体は不要となる)
→天皇家は"生命の連続"の代表的表現となるため、守り継がれるべきである
○「儒教の祖先祭祀は"自己の永遠化"願望からくるものだ」とする説は、ドーキンスの『利己的な遺伝子』における考えとも一致する
自分の考え方、価値観の一部にも確かに儒教が根付いているなと思った
現代の日本は、欧米の個人主義的な考えが浸透してきている一方で、根底に儒教の教えが流れているのは否めない
だが20年前に書かれたこの本で、著者はとにかく儒教を大事にすべきだ、個人主義はいずれ廃れるに違いないと述べていたが
20年前たった今むしろより強固になっているのではないか
ただ、子孫の繁栄を望む上では儒教の考え方は尤もであり、そこは安易に切り捨てるべきではない
(それを元に著者は「儒教は"共生の幸福論"である」とという)
また個人主義と言っても、本当に個人主義の意味を理解できているのか、宗教を教えない日本の教育を見ると疑問を持つのも妥当だと思う
"当たり前"という感覚が人の思考を鈍らせることを再認識するいいきっかけになった
✏新宗教の稚拙な教義の中に一貫して流れているものは、儒教や仏教の本質をかぎとり、それを抜き取って組み立てている凄さである
✏利己主義には大いなる道理に基づいての自律もなければ、自立もない。あるものは自己の利益の追求だけであり、利益に依存する受け身なものである。
真の自立した個人主義者であるならば、己の論理に忠実に従い、時には尊い生命を捧げることもありうる -
孔子以前の儒教において中心的であった「宗教性」を核に儒教を解釈し、その上に構築された道徳性の本来の在り方を探るという本書の試みは、儒教に対する知識が不足していることもあってか、非常に新鮮であり、中国文化全体に対する印象、ひいては日本文化を考察する上での基盤の全てが覆される思いであった。中でも、第5章における現代問題に対する儒教からの解答は、(著者の弁に多少独善的でマッチョな部分があることは否めないとしても)非常に切れ味鋭く、複雑な問題を解きほぐし、その宗教的側面に対して解決の足がかりとするに十分な視座を与えてくれる。
そもそも儒教に対する理解が、キリスト教や仏教のような宗教で、孔子の言葉に弟子が後から解釈を付け足していった結果成立したのだろうなという程度のものであったので、実は孔子が教祖でなかったという事実だけで驚きであった。孔子以前の儒教における、現在生きている人間によって体現される祖先崇拝をとしての孝を中心とした道徳観、日々の生活やそこでの人間の付き合いを重視するという世界観はなるほど、今日の東アジアにおいても受け継がれている。著者は何度も礼は自然な感情に基づいていると指摘するが、そもそも自然に感じるということ自体が、我々に深く深く儒教が染みついているということが言えるであろう。
個人的には、墓と仏壇の関係に着いての著者の見解には胸のすく思いがした。日本の仏教が何だかよくわからないのはその通りで、それはそれで探求すべきなのだろうが、もともとの出自をたどるのが非常に強力な手法であることを思い知らされた。 -
前に読んだなにかの本で言及があったので読んだけど、どの本で言及があったかは忘れた。たぶん、文京洙の著作のどれかだろう。
儒教の今まで知らなかった部分を知ることはできた。著者、やけに肩に力が入っている著作(わたしにはそう感じられた)だけど、儒教や日本仏教に対するわたしら世間の誤解に、腹をすえかねているのかな? -
儒教をあらためて勉強した。非常にわかりやすい。
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第7回アワヒニビブリオバトル「日本」で紹介された本です。
2015.12.08 -
日本人を含む東北アジアの人々のアミニズム的伝統が投影された儒教は、その後、西からもたらされた仏教や西洋文化の移入の仕方にも影響。
位牌、仏壇、墓が日本人の心にとってどのような意味があるのかから始まり、最終チャプターは書き下ろしではあるものの、個別の論説のような印象。 -
第1章 儒教の深層―宗教性
第2章 儒教の構造
第3章 儒教の表層―道徳性
第4章 儒教の世界像
第5章 儒教から見た現代
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