都市への権利 (ちくま学芸文庫 ル 5-1)

  • 筑摩書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480093769

作品紹介・あらすじ

都市は投資家や技術者のためにあるのではない、われわれ"利用者"のためにあるのだ!-都市への人口・資本集中が加速する産業化社会。それに抗する運動のうねりの中にあって、著者ルフェーヴルは、消費社会に従属させられてきた現代人の日常生活を批判する。そして、人間の主体性を取り戻すことを訴え、遊びやアートへの参加を通して"作品"としての都市を創ることを提唱した。コミュニティの意義がふたたび問われる今日、批評理論の分野からも再評価が進むラディカルな"都市革命"宣言書の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 訳:森本和夫、解説:南後由和。原書名:Le droit à la ville(Lefebvre,Henri)

  • 【由来】
    ・同じ著者の「空間の生産」は森さんからの紹介。その関連本ということでamazonで知った。

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 授業の課題で自分で選んで読んだ本。
    前から都市には興味があったため選んだが、翻訳の関係なのか一文がだらだらと長く、読みにくい。なかなか進められなかった。
    自分がまだ理解しきれていない部分が多くある。ただ、都市は市民の作品である、という言葉はとても気にいった。
    もう一度きちんと読みなおしたい作品。

  • 今日の都市の概念を多面的な分析と考察によって論述した一冊。ルフェーヴルが第一人者たるところの農村社会史の方法を都市に当てはめ、それまでのマルクス主義的単線的唯物史観を乗り越えようとする試み。

    ここでは、今日工業化と都市化が都市計画という押し付けられた=押し付ける画一的イデオロギーによって推し進められ、都市的なるものが破壊され、人間生活の目的が生産と消費に帰着するような空虚なものになるということが指摘される。そのうえで、労働者から個別具体的に生まれる作品や統合の動きによってこれを乗り越えて行くべきだとする。これは広義のマルクス主義のことを言っているのはもちろんである。

    共産主義にも無人化とかあるのでは……という突っ込みは無粋。社会史的アプローチが一定の評価をえる今日において都市の概念を獲得する為に、必読の一冊といえよう。

  • 大学の講義のために読んだ本.
    こんな機会でもない限り絶対読まなかったと思う.

    でも思ったより面白かった.
    ただ翻訳がいまいち.
    これで本当にあってる?という訳がたくさん,哲学用語がたくさんで読みにくさがすごかった.

    都市化は農村を工業化が蹂躙して進んでいく.
    いつかフランス語で読んでみたい(かも).

  • 1968年に書かれた、フランス・マルクス主義者による都市論なのだが、ポストモダンということでもなく、「消費社会」への批判を展開している。
    しかしこれは非常に読みにくく、わかりづらかった。著者が何を言おうとしているのかどうも判然としないため、薄い文庫本なのに何日もかかってしまい、おまけに印象が薄い`_´
    都市は「作品」であり、使用価値であり、「祭り」である、というところまではいいのだが、
    「プロレタリアートのみが、消費のイデオロギーを破壊することによって、生産的・創造的活動の意味を更新することができる。」(P.215)
    などという結論が出てくるあたりが、理解できない。
    どうも、バリバリなマルクス主義者の本は読みにくいなあー。

  •  かばちゃんの推薦。

     これは難解。アンリ・ルフェーブルは、フランスの20世紀の哲学者。この本は、1968年に書かれていて、フランスの5月革命などにも影響をあたえたそうです。

     使用価値とか弁証法とかヘーゲル、マルクスばりの用語が乱発されていて読みにくい。

     もしかして、翻訳のせいもあるかもしれない。

     全体を通して読んだ感じでは、要は、都市を全体としてとらえて、経済メカニズムに任せた工業化や都市化を批判し、都市生活の充実など、都市居住者の豊かな生活を実現する「都市の権利」を主張しているのかな、と思う。

     これはポイントかなと思ったフレーズ

    ①形成途上のこれらの権利(労働、訓練、教育、住居、余暇や生活への権利)のなかに、都市への権利(古い都市への権利ではなく、都市生活へ、刷新された中心へ、出会いや交換の場所へ、これらの時や場所で十全的な使用を許すような生活のリズムや時間軸へ、などの権利)がある。(p214)

    ②都市への権利とは、自由への権利、社会化のなかにおける個人化への権利、居住地とか居住することとかへの権利などとしった諸々の権利のなかの上位の形態として現れる。」(p206)

    ③都市計画的考察は、特定化され集中化されたきわめて独自的な諸々の社会的統一体(局地化された)の建設あるいは再構成を提案する。それらの統一体の結びつきや緊張は、構造がないわけではないけれども、柔軟な構造や階層関係を持つ複雑な内的秩序を備えたひとつの都市的統一体を再建するであろう。(p167)

     ねえ、文章自体が難しいでしょ。なんとなくわかるけど。

     解説を書かれた南後さんによれば、「ルフェーブルは危機を乗り越えるために、懐古主義的に過去に頼ることも、未来学に頼ることもしなかった。すなわち、後方への回帰でも前方への逃亡でもなく、いまここの「現在」への問いを喚起し続けることによって、萌芽や潜在性の状態にある「都市社会」の可能的な方向を照らし出そうとしたのだ。」ということだそうです。

     復興に取り組むわれわれに対する注意喚起と読みますかね。

  • 361.78:Le

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