数学の好きな人のために: 続・数学をいかに使うか (ちくま学芸文庫 シ 20-3 Math&Science)
- 筑摩書房 (2012年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (131ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480094391
作品紹介・あらすじ
数学好きの読者に贈る"使える数学"第2巻。前著『数学をいかに使うか』を読んでいなくても楽しめる。非ユークリッド幾何学、リー群のほかド・ラームの定理、p‐進数とハッセの原理など話題多数。有用さという視点から数学の広い世界を展望できる得難い入門書。書き下ろし文庫オリジナル。
感想・レビュー・書評
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系推薦図書 総合教育院
【配架場所】 図・3F文庫新書 ちくま学芸文庫
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188829詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数学において、二つの分類がある。それは、「はじまりの数学」と「おわりの数学」である。志村五郎さんは完全に「はじまりの数学」が好きであるようである。有限単純群の分類やパンルヴェ方程式の分類やエキゾチック球面の分類などは、それから先が続かない、応用されない、という意味であまりよろしくないようなのである。私のように鑑賞するだけなら、どちらも美しく感じるのだが、現場の数学屋として頑張っている人間から見る風景は、また違ったように見えるのであろう。
蛇足だが、哲学でも、「はじまりの哲学」と「おわりの哲学」がある。前者は永井均・青山拓央路線であり、後者はヘーゲル・ハイデガー路線である。 -
教科書や大衆向けの数学本では知ることのできない、数学の分野同士のつながりや応用を知ることができる本だと思います。
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谷山・志村予想(定理)やモジュラー性定理で有名な志村五郎先生によるガチの数学エッセイ第2弾.前巻と同様に,線形代数や微積分の初歩の後に続く内容とのことだけど,そもそも数学のために使える数学を語るというテーマなので,理解は困難(というかほとんど理解できていない).著者自身も微積分の初歩という範囲の曖昧さを自覚しているようで,「6.微分方程式の使い方」は微分方程式論の解の存在定理がテーマであり,一番すんなり入れた章だった.「4.初等整数のやり方と多元環」は今一部で流行の圏論ダイジェスト版のような感じで,個人的にはとてもその分野の整理に役に立った.幾何学から集合論まで,一層上の数学になんとなく触れられる本.