はじめての民俗学: 怖さはどこからくるのか (ちくま学芸文庫 ミ 2-6)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094827

感想・レビュー・書評

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  • 田舎暮らしの経験がなく合理的な考え方をする方だと思っていたが、歳とともに「不可思議」な物や現象、また「畏怖」の感情や人間の根源的感情に興味が引かれるようになった。

    本書では、都市民俗について多くを割いているおり、その中に新しい民俗学を発展させて行こうと言う主張が見られる。その視点には面白いものを感じた。

    ただ、元が筑摩リプリーブックスで中高生向けということもあり、多少物足りなさを感じた。

    おそらく人間は長い年月の間、自然との折り合いや、人々のコミュケーションを円滑にするために様々な儀礼を執り行い。その為の場を造りながら生活してきたのだろう。それらの意味を理解し生きていく事ができれば人生、もっと豊かになるだろう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737664

  • 2012-8-26

  •  図書館より

     タイトル通り最初の方はケガレやハレといった民俗学の基本用語や重要なテーマを紹介しつつ民俗学の流れや意義なんかが紹介されています。

     古い民話を調べるだけの学問、というイメージが強かったので、そうした民話や伝説から何を読み取るか、また都市伝説など比較的最近の伝説から何を読み取り、現代に生きる自分たちにつなげていくか、という筆者の意見が個人的には新鮮で面白く感じました。

     後半はちょっと内容が専門的になってきて、分かりにくかったのが難点かな。ただ前半を読めば、民俗学に何が求められているのか、なんとなくではありますが、分かるような気がします。

  • 1991年に刊行された当初は『怖さはどこからくるのか』だったようだが、これだと確かに、本書の内容の一部分しか表していない。
    『はじめての民俗学』というタイトルはちょっと柔らかすぎるが、本書はたしかに、若い一般の読者向けに、民俗学の歴史的あらましや、特に興味深いと思われるトピックを拾って平易に解説しており、「民俗学の入門書」としてなかなかふさわしいものではないだろうか。
    特に口裂け女など、現代の都市部における民俗的思考を解明していくくだりは面白かった。
    その他にも「ケガレ」や「白山」といったテーマについて簡単にまとめている。民俗学に既に詳しい人には簡単すぎるかもしれないが、まだこの世界を知らない若い人に読んでみてほしいと思った。

  • タイトル通り、民俗学の入門書。前半部は民俗学の基礎・基本について。後半部は民俗学の具体的ないくつかのトピックをあつかっている。もともと「ちくまプリマーブックス」シリーズに入っていたこともあり、文章も平易。民俗学の対象として、地方の農山漁村だけなく、「口裂け女」など都市へのアプローチも紹介。民俗学の懐の広さのようなものが伝わってくる1冊。文字に残りにくい民間風習を、文字などで残していく民俗学って難しい学問だなぁとつくづく思う。

  • 民俗学の入門書として、宮田登の若者向けに書かれた『怖さはどこからくるのか』という本を解題して出版されたもの。
    内容は古い時代から、現在の「口裂け女」にまで及び、「妖怪」や「オカルト」などの不思議な現象を取り上げ、池袋の話など身近な話も入っているので、とても親しみやすい。
    文章もたいへん平易に書かれており、このような書籍にありがちな専門用語のオンパレードではなく、読みやすくなっている。
    「妖怪」は絵画や民俗学では大きなテーマであるが、その入門書としても最適だと思う。

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著者プロフィール

宮田 登(みやた・のぼる):1936?2000年。神奈川県生まれ。東京教育大学文学部卒業。同大学大学院修了。筑波大学教授、神奈川大学教授を務める。著書として『ミロク信仰の研究』『都市民俗論の課題』『江戸のはやり神』『妖怪の民俗学』『ケガレの民俗誌』『はじめての民俗学』など多数。その関心は民俗学から日本史学、人類学等、周辺諸学におよび、研究の成果は国内外で評価された。

「2023年 『霊魂の民俗学 日本人の霊的世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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