現代数学入門 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094865

作品紹介・あらすじ

現代数学は数学者だけの高度なものと考えがち!だが、じつは考え方そのものは日常の生活のなかでよく経験している。著者はそういって、集合・関数・構造・群・位相などの概念の本質を、古代からの数学の歴史をたどりつつ、卓抜な比喩で解き明かす。本書前半「数学は変貌する」では、読者はその名調子に身をまかせ安心して聞きほれることができる。堅苦しい数学観も一変するにちがいない。学校数学になじんだ理系学生にも、その闊達な筆致のデッサンは魅力だろう。後半「現代数学への招待」はその詳論。解説はらせんを描きながらより高みへと読者を誘う。

感想・レビュー・書評

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  • 630円購入2013-10-18

  • 紛れも無い数学書。

    「変貌する数学」と「現代数学への招待」の2部からなる。

    前半は数学史を古代、中世、近代、現代の四つに区分して叙述。いわく幾何学の歴史の一面があると。ユークリッド、デカルト、ヒルベルトが画期であると。古代、書物を書くのは二流の人だった。

    後半はカントルの集合を使った無限へのアプローチ、群・体・環から多元環と四元数、距離と関数空間、近傍、位相空間と分離公理。大学での現代数学の道具について、入り口まで丁寧に説く。

  • 群・体などの代数系や位相などの“構造を扱う数学”の方が理解しやすいと説き、いくつかの例について定理や証明をきちんと出しながら紹介している。実数や複素数などの計算法・応用例・いくつかの定理を知らないと抽象代数学を楽しむことなどできるはずは無いと思っていたから、著者の考えと説明の仕方には驚かされた。

  • 現代数学のうち、群論、位相幾何学を軸に紹介している。

    講演をもとに書き起こしているので、式の展開などで多少説明に粗密があるが、基本的には非常に分かり易い説明をされている。

    また、前段で数学の歴史を紹介しながら近代までの数学と現代数学の違いを説明されており、それを聞いたうえで現代数学の世界に入っていくという流れが、より分かり易さを増していると思う。

    解析学を中心に精緻さと物理現象の解明に力を入れてきた近代までの数学と、物事の構造を数学的に表すとともに、それを一度抽象化して操作することで、これまで見えてこなかった新しい構造が見えてくるような現代数学という、2つの世界の違いがとてもよくあらわされた本だと思う。

  • 数学の歴史に始まり、群・体・環の代数的構造の説明、そして位相構造についてと数学の見取り図をざっくりと教えてくれる良書です。
    わかりやすい。

  • 数学は変貌する:数学の歴史概観。現代数学への招待:群、体、環、位相空間の簡易なテキスト。読易い。

  • 遠山先生の講演をもとにした「数学は変貌する」と雑誌数学セミナーにて連載された「現代数学への招待」の2本立て.前半「数学は変貌する」は古代の数学から中世・近代・現代とどのように数学がパラダイムシフトしてきたかの俯瞰をざっと眺める感じ.現代数学は,よりみんなが親しみやすい分野の数学であるに過ぎない,という主張が遠山先生らしいと思った.
    後半の「現代数学への招待」は,簡単な集合論から始まり,相似から構造論,位相幾何までを紹介する現代数学の易しいコラム.少々数式は出てくるものの,できるだけ読者がイメージしやすいように,難しい単語は一切出さずに説明されている.コラムを読み進めていくにつれ,群環体がどういうものか分かってくる親切設計.
    2011/12に出版された「代数的構造」のより初心者版といったところ.気軽に読める.

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著者プロフィール

遠山 啓(トオヤマ ヒラク)
1909年、熊本県に生まれる。
1938年〜1943年、海軍霞ヶ浦航空隊の海軍教授。
1944年〜1969年、東京工業大学で数学を教える。
1949年、「代数関数の非アーベル的理論」で理学博士。
1951年、数学教育協議会を結成し、数学教育の改革運動をおこす。
“量の体系”“水道方式”など画期的な理論を生みだす。
その理論と実践は数学教育の分野を超えてはかりしれない影響をあたえた
1959年、『数学入門』(岩波新書)で毎日出版文化賞を受ける。
1962年、『数学セミナー』(日本評論社)を創刊する。
1968年ごろから障害児教育の研究に取り組み、“原教科”構想を打ちだし、障害児に教科教育の道を拓く。
1970年、東京工業大学 定年退職。同大名誉教授となる。
1973年、教育の全般的な改革をめざして月刊誌『ひと』(太郎次郎社)を創刊し、その編集代表となり、教育市民運動の中心となる。
1978年、明星学園理事。1979年9月11日、没。
◎おもな著作
『遠山啓著作集』(全27巻+別巻2)、『競争原理を超えて』
『かけがえのない、この自分』『水源をめざして』(以上、太郎次郎社)
『無限と連続』『数学入門』『現代数学対話』『数学の学び方・教え方』(以上、岩波新書)
『さんすうだいすき』(全10巻+別巻3)
『算数の探検』(全10巻)『数学の広場』(全8巻+別巻1)(以上、ほるぷ出版)
ほか多数。

「2017年 『古典との再会 文学・学問・科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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