現代数学入門 (ちくま学芸文庫 ト 13-2 Math&Science)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094865

感想・レビュー・書評

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  • 1970年の講演を収録した前半「数学は変貌する」と、後半「現代数学への招待」に分かれる。

    特に前半は数学史を古代ー>中世ー>近代ー>現代への変遷として解説しており、経験的から帰納的・演繹的・構造的に変遷する様や物理など応用が語られており大変分かりやすい。氏のように微積分や集合を教授していただければ学生時代に数学で挫折することもなかったかもしれない。(まぁそれは自分の勉強不足のせいですね。。)

    後半は集合論と構造論(群・環・体・位相)を主とした、まさに現代数学入門。入門者にとっては難解さはグッと増す。

    前半は間違いなく★5つだが、後半のやや専門的内容を踏まえて★4つとした。前半部分は飛びぬけて面白いのでぜひ読んでいただきたい。

  • 紛れも無い数学書。

    「変貌する数学」と「現代数学への招待」の2部からなる。

    前半は数学史を古代、中世、近代、現代の四つに区分して叙述。いわく幾何学の歴史の一面があると。ユークリッド、デカルト、ヒルベルトが画期であると。古代、書物を書くのは二流の人だった。

    後半はカントルの集合を使った無限へのアプローチ、群・体・環から多元環と四元数、距離と関数空間、近傍、位相空間と分離公理。大学での現代数学の道具について、入り口まで丁寧に説く。

  • 数学の歴史に始まり、群・体・環の代数的構造の説明、そして位相構造についてと数学の見取り図をざっくりと教えてくれる良書です。
    わかりやすい。

著者プロフィール

遠山 啓(とおやま・ひらく):1909-79年。熊本県生まれ。東京大学数学科に入学するも退学、のち東北大学数学科を卒業。海軍教授をへて東京工業大学教授。数学教育への関心から民間教育団体「数学教育協議会」を結成、長く委員長をつとめた。数学教育の理論と方法を開発・提唱し、その水道方式、量の理論などは、教育現場に大きな影響を与えた。著書に『無限と連続』『数学入門(上・下)』(以上、岩波新書)、『代数的構造』『現代数学入門』『代数入門』『微分と積分』(以上、ちくま学芸文庫M&S)『競争原理を超えて』(太郎次郎社)などがある。教科書や雑誌の創刊にも多く関わった。

「2023年 『初等整数論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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