数学文章作法 推敲編 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480095268

感想・レビュー・書評

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  • 基礎編と同様に著者の主張する「読者のことを考える」という言葉に全てが集約される。
    そして、この本自体が「数学文章作法」のテクニックが詰まった書籍であることで、
    二重に得るものがある。

    基礎編では書くことに主眼を置いていましたが、
    推敲編では書きなおすことに主眼を置いています。

    筆者がプログラミングが得意、ということもありその文章内容はどことなく

    ・リファクタリング
    ・保守性、可読性の高いプログラム

    を連想させます。

    例えば

    ・長い文章を短くする
    ・語句の吟味
    ・専門用語
    ・著者の帽子、読者の帽子
    ・レビュー



    ・長いメソッドを短いメソッドに分割する
    ・命名重要
    ・ユビキタス言語
    ・実装の帽子、リファクタリングの帽子
    ・コードレビュー

    のように連想できます。

    上記のように本書の説明が一番響きやすい層は
    ソフトウェア開発者なのかもしれません。

  • 自分で書いた文章を正確で読みやすい(自分の考えを読者に正確に伝えられる)文章に書き直す方法について懇切丁寧に説明する本。<読者のことを考える>という大原則を柱に、どう推敲して文章をよくするかを解く。
    わたしの学生時代は木下是雄さんの『理科系の作文技術』(中公新書)がバイブルだったな、と思い出しつつ読もうと思う。

  • 「基礎編」と「推敲編」を分けたのはよいアイデアだと思う。かつ、私は「推敲編」の方が潜在的ニーズが高いと思っている。この本は「推敲編」に期待する内容を十分盛り込んでくれていた。

    文章をさほど書いたことのない学生や若手社会人と、メールやら報告書やらで否応無しに文章執筆の経験を積んだ研究者・社会人とでは、同じ「文章作法」といえども力点が変わる。
    特に後者には、今更「句読点や『てにおは』の使い方」は不要で、むしろ自己流で書いてきた文章をブラッシュアップする、まさに推敲のコツが必要になる。
    一方で、一般的な文章技法の本は、前者である文章初心者向けの説明にウェイトがかかりがち。中級者向けとも言える推敲の技術については、言及している本も増えてきているとはいえ、総花的な心得に言及しているだけだったり、抽象的すぎて実際に文章をどう直すべきかのイメージがつかないことが多い。

    推敲の技術は、なかなか形式知化しにくく、文章にまとめにくいのだとは思う。一方で「文章技法の本」を買う人の半分は、むしろこちらの推敲の技術を期待して、そして少々がっかりするというケースが多いのでは。
    こちらの本は、推敲の心得の話も残しつつ、できるだけ具体的な文例を使って推敲のポイントを説明してくれている。
    特に私は、部下や他の人の文章をレビューすることの多い立場なので、「なーんか分かりづらいから、直し方を指示してあげたいけど、どうやって具体的にフィードバックしたものかね」と考え込むことが多かった。考え方を整理して、明日から早速生かしてみようと思う。

  • なかなかよいお説教だ。

  • 数学に限らず文章を書く際に役立ちます。本書に記載されていることが、文章内容にもしっかり適用されている点がすごいと感じました。

  • 第1章 読者の迷い:一本道の文章の流れを作る
    第2章 推敲の基本:読者として読み返す,ずれを探して直す作業を繰り返す
    第3章 語句:意味が明確に一つに定まる語句を選ぶ
    第4章 文の推敲:文を短く明確にする
    第5章 文章全体のバランス:分量と品質のバランスを整える
    第6章 レビュー:レビューの流れや注意点
    第7章 推敲のコツ:限られた時間で効率的に文章を改善する
    第8章 推敲を終えるとき:十分に正確で読みやすい文章ができたら
    第9章 推敲のチェックリスト:まとめ

  • 推敲編は主に文章の直し方に重点を置く。こちらも1度は読んでおいて損はないだろう。

  • 「はじめに」にもあるように、数学に限らず文章全般に役立てられる内容です。
    書いてある内容は自分が元々気をつけていたことが大半でしたが、この本自体の文章が読みやすくて勉強になりました。

  • チェックリストがすごく便利。文章を書くときは、常にこのチェックリストを確認するようにしたい。チェックリストの内容がおぼろげであれば、また本書を読み返して、とことん自分の頭にすり込んでいきたい。

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著者プロフィール



「2023年 『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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