数学文章作法 推敲編 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 371
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480095268

感想・レビュー・書評

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  • 「基礎編」と「推敲編」を分けたのはよいアイデアだと思う。かつ、私は「推敲編」の方が潜在的ニーズが高いと思っている。この本は「推敲編」に期待する内容を十分盛り込んでくれていた。

    文章をさほど書いたことのない学生や若手社会人と、メールやら報告書やらで否応無しに文章執筆の経験を積んだ研究者・社会人とでは、同じ「文章作法」といえども力点が変わる。
    特に後者には、今更「句読点や『てにおは』の使い方」は不要で、むしろ自己流で書いてきた文章をブラッシュアップする、まさに推敲のコツが必要になる。
    一方で、一般的な文章技法の本は、前者である文章初心者向けの説明にウェイトがかかりがち。中級者向けとも言える推敲の技術については、言及している本も増えてきているとはいえ、総花的な心得に言及しているだけだったり、抽象的すぎて実際に文章をどう直すべきかのイメージがつかないことが多い。

    推敲の技術は、なかなか形式知化しにくく、文章にまとめにくいのだとは思う。一方で「文章技法の本」を買う人の半分は、むしろこちらの推敲の技術を期待して、そして少々がっかりするというケースが多いのでは。
    こちらの本は、推敲の心得の話も残しつつ、できるだけ具体的な文例を使って推敲のポイントを説明してくれている。
    特に私は、部下や他の人の文章をレビューすることの多い立場なので、「なーんか分かりづらいから、直し方を指示してあげたいけど、どうやって具体的にフィードバックしたものかね」と考え込むことが多かった。考え方を整理して、明日から早速生かしてみようと思う。

  •  「読者のことを考える」という原則のもと、自分が書いた文章を仕上げるための指針を著した本。
     正直、私は仕事で鋭意取り組むような文書を作成することがほとんどない。そんな私にとっても、仕事にも使えると感じたし、部下に文章を指導するポイントが得られて満足できた。
     実は「基礎編」より先にこちらを読んだ。推敲によって、自分の主張をどうわかりやすく仕上げるかについて、例もあり、考え方の解説もあり面白い本である。推敲編なのだが、とにかく何か(本業ではない)数学の書き物を作りたくなってきた。

  • 手を抜いてしまう推敲ですが、こんな感じで進め方をまとめてもらえると、少しはやる気が出たかな。レッツ トライ!

  • 至極丁寧な推敲。
    これでいい。

  • 「当たり前」をこのように体系立て、人にわかりやすく説明できるということは、高いレベルでの理解が必要であり、大変な技術である。
    ボリュームに比して高めの価格設定だが、筆者が長年かけて培ったノウハウの凝縮であり、エッセンスが非常にコンパクトにまとまっているということでは、冗長で分厚い本よりも価値があるといえる。
    「作業ログ」の具体例が別途Webにでも紹介されているとすごく参考になると思う。
    聞いて(読んで)みれば当たり前だが、当たり前を毎回・繰り返し実行出来ているかが重要である、という、マスターキートンの誘拐回避レクチャーを思わせるような一冊。

  • 例えば書き上げた文章を読み返して、何となく読みにくいとか、バランスが悪いとか、イマイチ分かりにくいとか、そういう曖昧な感想を抱いた時、具体的にどこが悪くてどう直せば良いか、今後にどう活かせば良いか、が丁寧に整理されているノウハウ本。200ページ足らずでサクッと読める。

著者プロフィール

結城 浩(ゆうき ひろし)
1963年生まれ。東京都在住のプログラマ、技術ライター。ウィキクローンの1つであるYukiWikiを開発したことで知られ、プログラミングに関する執筆、翻訳を行っている。
Webで公開した作品を元に、小説『数学ガール』を発表、ヒット・代表作となる。同作はコミック化されるとともに、「出版・著作により数学の研究・教育・普及に業績をあげた」ことによって日本数学会賞出版賞を受賞した。

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