文章心得帖 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480095800

感想・レビュー・書評

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  • タイトルにある通り、どのような文章が理想的なのかということを、著者視点から分析した一冊。著者は冒頭で、理想的な文章の条件として「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」の3つを挙げる。列挙されると当然のことのように思えるが、改めて振り返ると、この世には「イカが墨を吐いて自分の所在をくらます(p.38)」ような文章がいかに多いかということに気づかされる。自身の主張や考えが明確でないことを隠すために、学術用語などを多用し、あえて曖昧な論理構造を描き出す、あれである。
    また、著者は所々で「紋切り型」という言葉を使う。これは簡単に言うと、決まり切った型としての文章ということであり、著者はこれを多用することに苦言を呈す。その根底にあるのは、自身の言葉ではなく、都合の良い言葉の切り貼りをしている文章が散見されるという危機意識があるのだろうと思う。
    しかし、その一方で著者は「文章には、絶対的な法則などありません(p.51)」とも述べる。文章の良し悪しは書き手のパーソナリティや文脈、文章のリズムなどによって決定づけられるため、一概に言うことはできないのであろう。個人の感覚として、本書の根底には「自らの言葉を紡ぎ出す、それに忠実であれ」というメッセージがあるのではないかと思う。紋切り型に流れない、混沌の中から文章を選ぶ、不必要な修飾語は省くなど。極めてシンプルであるが、同時にじわじわと効いてくる一冊になるように感じた。

  • 鶴見俊輔さんの「文章読本」。たくさんのヒントと同時に、捉えどころのない部分も多いのだけれど、「『火器注意』ではなく『火の用心』」という解説(加藤典洋)を読んで腑に落ちた。

  • writing

  • 評論やエッセイを書くときの文章の心得みたいなもの。書いた時の心持ちとか印象についてがメイン。紋切り型にならぬよう、誠実で明晰な文章をって感じかな。もちろん、紋切も又、文章のムダも時として効果的だったりするというような留保がきちんとあったりする。押し付けがましくなく、さらりとしていい感じだった。

  • 151105
    物書きになりたい人にはきっと役立つ。30年前の本だが、ブログを書く参考にもなりそう。
    鶴見さんが開催している講座が元になっていて、受講生の書いた課題文と鶴見さんのアドバイスが豊富に載っている。文章の直し方がわかりやすい。
    印象深いのは「紋切り型を使わない」という工夫。「真に」など、自分もよく使ってしまう。

  • 言葉のリズム、文章の流れが心地よい本でした。

    文章力を上げたいと思い手に取りました。
    無駄を削ぎ落とすこと。
    明確な表現をすること。

    自分にできるかどうかはわからないのですが、この本を読むことを通して感じた気持ちのいい文章の流れは心に残るものでした。

    鶴見さんの他の本も読んでみたくなりました。

  • 再読

  • 2014年5月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(2階)
    請求記号: 816//Ts85

  • 紋切り型をやめる。余計なことを書かない。

  • 紋切り型を避けて書くこと意識します。とてもためになった。

  • 紋切型の表現を避けることで、自分らしい文章が生み出せる。例文を用いて丁寧に解説されており、勉強になった。

  • 祝復刊!

    潮出版社のPR(単行本)
    「誠実さ、明晰さ、わかりやすさが文章を書く心得として説かれ、「沈黙と見合う文章、暮らしに溶けていく文章」を理想とする著者の文章の心得を明かす。簡潔、明解な文章講座。」

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。哲学者。15歳で渡米、ハーヴァード大学でプラグマティズムを学ぶ。アナキスト容疑で逮捕されたが、留置場で論文を書きあげ卒業。交換船で帰国、海外バタビア在勤部官府に軍属として勤務。戦後、渡辺慧、都留重人、丸山眞男、武谷三男、武田清子、鶴見和子と『思想の科学』を創刊。アメリカ哲学の紹介や大衆文化研究などのサークル活動を行う。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。60年安保改定に反対、市民グループ「声なき声の会」をつくる。六五年、ベ平連に参加。アメリカの脱走兵を支援する運動に加わる。70年、警官隊導入に反対して同志社大学教授を辞任。著書に『鶴見俊輔集』(全17巻、筑摩書房)『鶴見俊輔座談』(全10巻、晶文社)『鶴見俊輔書評集成』(全3巻、みすず書房)『戦後日本の大衆文化史』『戦後日本の精神史』(岩波書店)『アメノウズメ伝』(平凡社)ほか。

「2015年 『昭和を語る 鶴見俊輔座談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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