増補 大衆宣伝の神話: マルクスからヒトラーへのメディア史 (ちくま学芸文庫)
- 筑摩書房 (2014年5月8日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480096098
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ヒトラーが、自国民を興奮の渦の中に巻き込んでいき、第三帝国の成立を目指す闘いに乗り出すとき、国民を意のままに操る手段のひとつとして、宣伝を活用してきたと一般的には言われている。
本書は、ヒトラー以前、ドイツの社会主義者マルクス、エンゲルスがサロンで国際的なプロレタリアートの少数エリートに語りかけた思想を、実践者であるラサール、そしてSPDが、当時のマスメディアである新聞を使って、一般大衆のレベルまで押し拡げ社会運動として進めていく経緯を分析する。そして、その手法の分析を踏まえ、ヒトラーが率いるナチス党はニューメディアであるラジオを活用し、より早く、そしてより広範囲に大衆の気持ちを操り、扇動し、そして戦争に向かって突き進む。
ラジオは、チャップリンの映画、独裁者のラストシーンでも効果的、そして象徴的に用いられていた。
改めて思うのは、マスコミュニケーションという手段は、n対nのコミュニケーションではなく、1対nのコミュニケーション、つまりある人や組織の意思や思想を、受け手に向けて、一方的に効果的に伝える手段であるということ。
したがって、昨今馬脚を現しつつある某大手新聞社が、あたかも報道機関のような体裁をとりながら、社会主義の技法や裏切り、欺瞞といったについては充分研究を積んでいる他国の意を受け、国民に嘘の情報を流し、そして植えつけようとしてきたことは、その成立からして当然のことなのかもしれないと思った。呼吸をするように嘘をつく。それはマスメディアの本質なのかもしれない。
私たちはいま、n対nのコミュニケーション手段となりうるニューメディア、インターネットを手に入れた。
情報のお下げ渡しメディアである、マスメディア(宣伝)のくびきを離れるチャンスなのかもしれない。
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