現代という時代の気質 (ちくま学芸文庫)

制作 : Eric Hoffer  柄谷 行人 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 84
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480096791

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  • 『現代という時代の気質』(ちくま学芸文庫)
    原題:The Temper of Our Time.
    著者:Eric Hoffer (1902-1983)
    訳者:柄谷行人(1941-)

    【書誌情報】
    シリーズ:ちくま学芸文庫
    定価:本体1,000円+税
    Cコード:0110
    整理番号:ホ-19-1
    刊行日: 2015/06/10
    判型:文庫判
    ページ数:192
    ISBN:978-4-480-09679-1
    JANコード:9784480096791

    大学の教壇に立ちながらも若き日から従事してきた港湾労働を続け、「沖仲仕の哲学者」と呼ばれたホッファーによる、地に足の着いた社会批評集。現代という時代は多くの問題を解決してきたように見える。従属を強いられた国や人々に平等な世界への扉を開き、飢餓や貧困を減らす、といったように。しかし掲げられた目標が望ましいものであった場合でも、急激すぎる変化は大きな副作用を引き起こす。ホッファーの見るところ、それがナチズムでありテロリズムであり、経済至上主義であった。社会や人心を冷静に分析し、世の中と、権力と、しなやかに向き合う方法を、省察の人に学ぶ。
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480096791/ 

    【簡易目次】
    目次 [003]
    初出雑誌一覧 [004]
    献辞 [005]

    序(E・H カリフォルニア州サンフランシスコにて 一九六六年月) 007
    I 未成年の時代 013
    II オートメーション、余暇、大衆 033
    III 黒人変革 059
    IV 現代をどう名づけるか 083
    V 自然の回復 105
    VI 現在についての考察 131

    訳注 [149-153]
    E・ホッファーについて [155-179]
    ちくま学芸文庫版への解説(柄谷行人) [181-184]


    【抜き書き】
    □p. 48
    “〔……〕社会的能力というものは、それが天然資源をいかに効果的に利用するかによってだけでなく、人間資源をどう利用するかによっても測られるからである。〔……〕もし全人口に潜在する才能を目覚めさせ開発しようとするなら、われわれは何が有効、有用、実際的、無駄、などであるかについてもっている概念を改めねばならない。現在までのところこの国では、われわれは時間を浪費するなと警告はされるが、人生を浪費するように育てられているのだ。”

  • 平成30年5月26日

  • エリック・ホッファーは気になってたけど初めて読んだ。主に1960年代の論考だが、かなりガツンときた。

    「変化」が人間精神に与える影響について。変わるとすれば良い方に変わると疑わず、変革を訴えるおっさん達は全員読んだほうがいい。

    知識人・テクノクラート対大衆という1960年代のモデルは果たして現代でも有効なのだろうか、という疑問は持たざるを得なかったが、トランプ大統領騒動を見る限り、半世紀たった今でも大して変わってないようだ。

    60年代にオートメーション化によって大量の労働者が失職するだろうという状況とその変化が人間精神にもたらす危機は、AIが多くの職業を不要とするだろうと言うまことしやかな風説を現実に先取りしている。さらに古くは産業革命や農耕開始だってたぶん同じことで、失職よりもドラスティックな変化そのものがいつだって問題だったのだ。

    訳者の柄谷行人の解説も良い。

  • 〈「文人」として説得の技術にたけているはずの知識人は、政治においてひとたび権力を握るとこの技術を発揮することを拒否する〉

    社会哲学者エリック・ホッファーの雑誌への寄稿文のまとめ。
    時代は1965年あたりで、アメリカが中心。

    産業化の中で、知識人がどのような性質を持つようになったか。自然はどう扱われたか。黒人差別の本質はどこにあるか。
    などが書かれています。

    差別を受けている!と主張している者は、問題の解決を外部に求めていて、自分たちで栄誉を勝ち取ろうとする気概に欠けている、という記述に興奮。
    ズバッと言う人だ。

    一読では納得しかねる部分もありましたが、職業的知識人でないアメリカ人から見た社会哲学は貴重かと。

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