ハリウッド映画史講義: 翳りの歴史のために (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 142
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480098283

感想・レビュー・書評

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  • ハリウッドのある側面に光を当てた映画史。
    確かに有名な監督の名前は滅多に出て来ないのだが、出て来ない方が面白いという不思議な本だった。特に第1章なんかはちょっとした群像劇みたいで面白い。また、第3章で、視覚偏重へと変貌する様子を描いた『物語からイメージの優位へ』のくだりは、それこそ映画みたいな文章だと思う。

  • 1935年以降のアメリカ映画史をつづった教養書。いろいろと勉強になるが、人名がたくさん出てくるのと、文章が読みづらいので、じっくり読まないと途中でわからなくなる。キューブリックとコッポラに関する記述が興味深かった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737907

  • 1920年代からのアメリカ史と映画史の話。絢爛豪華なハリウッドのイメージを解体して、非米活動委員会、スタジオ買収、監督の亡命などを翳りとして書く。おもしろい。映画からTVへ、そしてまたTVからネットへ、それらがサブスク映画へ、という現代を蓮實はどう書くんだろう。最新のものも読みたい。

  • 2020.08.19

  • ハリウッド黄金期(最盛期)とヌーヴェルヴァーグ
    或いは、光が何であり、翳りが何であるか
    映画は、30年代後半のハリウッド映画最盛期に映画が約束してくれた無意識の喜びを、もはや保証してくれない。いまそれを映画に求めることは、時代錯誤の振る舞いでしかないだろう。
    陶酔へと誘うものではなく、たえざる覚醒へと導く不幸な対象としての映画。
    人々は、50年代作家たちとともに、映画には歴史があり、また歴史が映画をつくるというごく当たり前の事実を身をもって学んだのだ。そのことに自覚的たりうるものだけが、なお映画を撮り、なお映画を見ることが許されている。

  • 蓮實重彦入門として良いかはわからないけど、文章は読みやすいほうだと思う。これからシネマヴェーラでこの本を土台にした特集もやるようだし、読んでおいて損はないです。

  • 光あるところには影がある。絢爛豪華な大作のそばには多くのB級映画が存在し、それらは決して低予算、低俗なものではなかった。そんな映画史の一面に光をあてた労作。

  • ハリウッドだけではないだろうが赤狩りの嵐は不幸では片付けられない出来事だったことがわかる.B級映画の由来は面白く読んだ.「ヘイズコード」がアメリカ映画を映画たらしめていたという逆説的な「物語性の優位」について書かれているところ,なるほどと思った.とにかく知らない映画や監督がザクザク出てきたが,知らないなりに興味深く読んだ.ただもう過去のことなのに、「‥だろう」という表現が鼻について,読みにくかったのが(文章がわかりづらいのかも?)残念だ.

  • テーマは興味深いが、文章が
    できの悪い翻訳のように生硬。

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著者プロフィール

蓮實重彦(はすみ・しげひこ):1936年東京生まれ。60年東京大学文学部仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『映画 誘惑のエクリチュール』『ハリウッド映画史講義』『齟齬の誘惑』『映像の詩学』『『ボヴァリー夫人』論』『伯爵夫人』『ジョン・フォード論』ほか多数。

「2023年 『ゴダール革命〔増補決定版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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