- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480099624
作品紹介・あらすじ
秘すれば花なり――。神・仏に出会う「花」(感動)をもたらすべく能を論じ、日本文化史上稀有な、奥行きの深い幽玄な思想を展開。世阿弥畢生の書。
感想・レビュー・書評
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名著とよく言われる本書
申楽を修するための一子相伝の秘伝の書
今を生きる者のヒントになることも多かったかな
自分より優れてる人でも全てを真似ない。劣っている人でも学ぶべきところはある
みたいな、ちょっと違うかもしれないけど、そういうような記述に感心しました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原文、注釈、現代語訳と構成はとてもよい。古語にもだいぶ慣れた気がする。でも難しくて解説がないと自分のポンコツな頭の中にはなかなか入ってこなかった。
能、猿楽の発祥から歴史、年代ごとの稽古について、初心忘るべからず、男時と女時などなど、能についてはもちろん、その他勝負事だったりに生きそうな部分もある。伝え聞くにいろんな人が座右の書としているだけのことはある。離見の見は花鏡という別の書なんだね。 -
図書館で借りた.
かなり深い話 -
約二十年かけて増補改訂、推敲が重ねられた世阿弥の主著。有限・無常な修者は、生涯を通して「花」を体現すべく、しぐさ、舞、物まね、音曲をどのように習い学ぶか、台本である謡曲をどのように作るか、興行はどうあるべきかなどが論じられる。(e-hon)より
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強弱をつける、緩急をつける。いかに観衆を揺さぶるのか。
技術職に携わる人なら、何かしら感じることがあるはず。 -
能を体系化し、どのような能が「面白き」ものか、細部に至るまで詳細に記載しており、世阿弥の能に対する真摯な思いが伝わってきた。
「初心忘れるべからず」「秘すれば花」など、能に限らず人生において参考になる考え方があった。 -
音曲、仕草、舞により「面白き」を観衆が体現し、「花」が現出する。能における「花」や「幽玄」といった精神に自分がどれだけ迫っているかが、世阿弥が遺した秘伝への理解や味わいの深さと直接関わってくるので、読者を選ぶ古典ではある。とはいえ素人にも示唆に富む内容でもあり、例えば観客が待ち焦がれる頃に舞台を幕開けて空気を集中させるいった呼吸などは、現代のあらゆるシーンにも通じるところ。育成ステップの章も論理的で、真髄というのは古今東西に縛られない事に気付かされる。分量は少ないが、読み返す度に新たな発見がありそうな本。