- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480099693
作品紹介・あらすじ
類似を用いた思考、類推。それは認知活動のすべてを支える。類推を可能にする構造とはどのようなものか。心の働きの面白さへと誘う認知科学の成果。
感想・レビュー・書評
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テーマ別に置いてあるオモシロイ本屋さんで発見。
ルイジトシコウ。
んー。多分、出会わなければ読むことはなかったな。。。
類推について、認知科学ではこう考えられてますよーという本。
単純にコレとコレって同じよねーというだけでなく、比喩的に一致していることが分かったり、全然違う分野の問題に当てはめられたり、反対に類推することで矛盾に行き当たったり。
なんでそういう頭の働きになるか、という部分はちょっと読み切れなかったんですけれど(笑)
頭のメモリー的に、カテゴライズしてまとめていけるっていうのは省エネなんだろうか。とか。
類推の方法を練習することによって、より抽象度の高いテーマだったり、離れた物事を扱えるようになったりするんだろうか。とか。(これは触れられていたような気もするんだけど)
色々更に疑問が湧いてきたので、類推シリーズは続きそうです……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・類推とは人間の基本的認知方法である
・類推能力を鍛える方法:准抽象化=事象をゴール(目標・目的・着地点・目指す結果)への共通項で分類・把握(中間的カテゴライズ)することを意識して行う。
・具体的には、現象や物事の比較をよく行うこと。ゴールの観点から
・准抽象化の反対、失われる能力:形式的判断力、直感・経験的に陥りやすい誤り(認知バイアスなど)への対抗力、疑ってみる姿勢。
・准抽象化能力と形式的判断能力を両立する道は…?違いも同時に意識すること?↔准抽象化(類似性の意識)
・この本を読んで思ったのは、もしかしたら、私の脳は昔から、類似よりも差異をよりよく認識する傾向があるかもしれないということ。差異ベースの脳。自らのネガティブさ、頭の硬さ、連想能力の低さ…それらの根本原因が分かった気がする。過去の経験や苦悩が氷解していくようだ。 -
[出典]
「解像度を上げる」 馬田隆明 P.240 -
思考は類推のプロセスを通じて行われると著者は論じ、論理学やデカルトを簡単に否定する。しかし、認知科学が実験科学の一種であり、フッサールの言うように観察者である「私」の存在を暗黙の前提としている以上、極端に言ってしまえば、著者の論文もまた、類推によって行われているということになるのだろう。そうなると、論文の正しさを担保する論理性はどこに存在するのだろうか?