ちくま日本文学全集 16 福永武彦

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  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480102164

感想・レビュー・書評

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  • 私小説やフィクション、推理小説や絵画作家についてのエッセイ、詩作など含んで編纂された一冊。
    福永武彦は小説で特に死生観とそのキリスト教的視座に基づく諸作多くその観点に唸らさせられた。
    小説として構成が何処か幻想小説的で面白い「深淵」やよもやのエンターテイメント推理小説の「完全犯罪」に自分は特に惹かれました。
    私小説の「幼年」の幼年期の記憶を巡る不思議さも面白いね。
    この編纂本で時代の人気作家だった様が窺えました。

  • ちくま日本文学全集016

  • 心の中を流れる河 / 幼年 / 遠方のパトス / 深淵 / 完全犯罪 / 岡鹿之助の詩的世界 / ゴッホとゴーギャン、内面への道 / 詩(夜 及びその他のソネット 死と転生 及びその他の詩)

  • 「心の中を流れる河」がとても印象に残っています。

  • 2008/6/7購入

  • んーーー。微妙。時に少し面白いと思える箇所もあったけれど、そこまでぐぐっとくるものは無かったのと、、、基本的にこの人は、文章構成が明白でない!と思われる箇所が多々。特に前半。。

  • とにかくやたら純粋に死ぬことばかり考えているような。
    うしろのほうに詩集が収録されており、あたしはそれが結構好きなんですが、世間的に評価は低いみたい。
    青臭さが際立つから?

  • 印象に残ったのが「幼年」で、子供の頃の感覚についての「就眠儀式」「夢の中の見知らぬ人」などと題された数ページずつの文章から成る作品だが(これも小説というんでしょうか)、それは思い出話のように過去を現在の世界に手繰り寄せ、回想として語られるのとは感触が違う。
    空想や夢を、言葉によって明瞭に説明しすぎるのでもなく、浮かんだ端から消えるか消えないかのところ、意識がはっきりと捉えられるか捉えられないかのところをそのまま保って絶妙に書かれているように思える。「かすかな風の息吹のようなものが、私を吹きつけて過ぎて行く」ように時間軸の後方へ消え去るままに、不可逆的なものとして語られる。それはまるで過去を再び生きているような感じがあって不思議な印象を残す。どうしても観念的な作風の作家というふうに見てしまうせいもあるのか、私には愛を主題にした作品が最終的には自己陶酔的な面を含むように思えて、どこかなじまないというか完全にはのめり込めない(面白く読みはするものの)のだけど、全体的には心に静かに語りかける作品が多くて非常に好きな作家の一人です。この繊細さは現代にマッチしない部分もある気はしつつも。

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著者プロフィール

1918-79。福岡県生まれ。54年、長編『草の花』により作家としての地位を確立。『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、『死の鳥』で日本文学大賞を受賞。著書に『風土』『冥府』『廃市』『海市』他多数。

「2015年 『日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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