マイテーマの探し方 探究学習ってどうやるの? (ちくまQブックス)
- 筑摩書房 (2021年11月22日発売)


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本 ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784480251176
作品紹介・あらすじ
題材選びから資料探し、テーマ設定の落とし穴まで――三千名の中高生の実例から一番知りたい急所がわかる。自分の興味と問いを見つめる学びの大航海に出発しよう!
感想・レビュー・書評
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中高一貫校で図書館を使った探究学習、論文作成を指導する筆者の実践をもとに探究学習のテーマの決め方について書かれた本。レベルは高いと思う。
まずは興味があることについて図書館の本で調べる。調べるのに向かないテーマについても詳しく説明(ジャニーズは向かないけどK-POPならOKとか)してある。長年指導し続けたことがわかる。
参考文献の書き方も丁寧に説明してある。
ただちょっと高度なので星は3つにしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10代のための本シリーズ。10代の時に出会えたら本当に良かったな。そして、10代の時に読書会に出会えてたらいいのにな、と思いつつ、きっと私の10代はなーんにもしてなかっただろうな
はい、今回のテーマはマイテーマの探し方で、最近私が考えている「気づきを与える」にドンピシャなテーマでした。
そんなマイテーマの探し方が研究の進め方みたいな感じだったので、自分のやってきたこと(一応10年以上研究者をやっていました)の振り返りみたいに読んでしまいました。
あなたはどうしたいのか
この問いの向き合い方としての研究としての進め方。他人と被らないオリジナルを探すとか、社会のためも考えるとか、マイテーマ探しに一見関係なさそうなことも書かれていて、最初は、うん!?、と思うかもだけど、何周か回るときっと私の存在を感じて、私を信じて突き進めていくための大事な要素だと気づく時が来るんじゃないかなと思います。でも、いつか来るとこを先に言うのはもしかしたら良くないかもしれないですね。いやー、この辺の塩梅はわからない。
僕のマイテーマはだいぶ固まってきたので、今度は娘のテーマ探しに付き合う日を夢見て、マイテーマを引き続き育てていきます。
社会の評価と切り離して、テーマを探してもらいたいな -
1100
片岡則夫(かたおか・のりお)
1963年神奈川県生まれ。東京学芸大学大学院修了。神奈川県立厚木商業高校で図書館を利用した授業「大航海」の実践を始め、清教学園において図書館を使った探究学習・論文作成を実践指導、15年間で約3000名のマイテーマ探しを見守ってきた。現在、清教学園中・高等学校探究科教諭・図書館振興財団教育支援担当。著書に『中高生からの論文入門』(共著、講談社現代新書)など。
「興味がある」、なんて当然です。しかし、長い時間をかけて取り組めるだけの興味 を持てる分野や題材が見つかるには、思ったより時間がかかる場合があります。ま た、「興味がある=好き」ばかりではありません。たとえば、「それってなんとかし ないと」とか、「なんか変」「腹が立つ」といった、問題意識や違和感や怒りも大切 なきっかけです。
⋯⋯探究学習は謎ばかりですね。でもここに紹介したような遠回りや道草がけっこう大事なのです。先がわからなくてもワクワクする小道があって、入り込んでみたら思わぬ楽しい場所に出た!そんな経験はありませんか?さまよう途中で風景が開けて、登るべき山の頂きが見えたりする、そんな不思議な経験を探究学習は連れてきます。 -
読んでいてわくわくしました。
引用と自分の意見を分けるのに、キャラクターを使ったりするなど、楽しみながらしっかり基本を押さえられててすごいです。
これから本を読む時に、テーマを決めて複数冊読んで、是非まとめてみたいです。 -
買った理由:
・学び方、調べ方ってどうするのかってところを知りたかったので。
・とくにどうそれを教えるかという参考のために
・びびっと本屋でうろうろして気になったから。
感想:
かなり良かった。
探究学習を指導している先生視点での学ばせ方(生徒に学んでもらう)というところがでていて、とても良い。
・最初にあるミニ調べ方学習は、まりもが可愛い。キャラとしてアバターに語らせるのはポイント高い。こうやって自分と切り離していける子はいるかもなあと。
・アイデアの原材料ではないが、出典を明記して引用とコメント(これを本書ではピースという)もなるほどなと感じる。
・調べる学習コンクールは面白い。調べてみたら色々な学びがあっていい。パラパラ見るだけでも良さそう。
・探究学習企画書あたりで、すぐに書ける子は少なそう。一方で粘ってこれらを考えていくことも大事で、どの程度の子ができるかは気になりつつ。指導の仕方もありそう。
・P.36あたりでの過去中学生の興味があったテーマもバラバラでなるほどと。犬、睡眠、ゲームなど(笑)
・要注意テーマも面白い。ディズニーとか心理とか。確かに面白いが、好きで終わるというか。探究にならない点はこうやって気づいていくことかもと。
・P.107あたりの8つの誤解も面白い。
例えば先生が答えをくれるから待っているとか、コスパがいいやり方を考えてしまうとか。色々な子がいそうですね。
総じて学びのために調べていくこともだし、考えていくこともめちゃくちゃ大事だなといえる。これを中高生くらいでしっかり一度でもいいのでやるだけでも、今後に影響しそう。ともかく嫌いにならないのがいいのだろうと(美術、読書感想文、スポーツなどなどと一緒かなと)。
そして、これは学びのため探究のためでもあるのだけど、ビジネスや仕事でも一緒だなと感じられた。興味があることを貫くというとかっこいいのだけど、興味があることしかやり続けられないのでワクワクすることをやってみませんかと。それが本書の骨子なんじゃないかと。とくに大人が読むと、「ワクワクできることあったかな」とかと振り返ることになるかと。
ものすごく夢中になれることは、どこかにあるのでなく、小さなそれこそミニ調べ方学習なり、何度もやっていって形になっていく。ピースを集めて論文が出来上がるというように、そうやって作っていくものだなあと。
というわけで、学び方、学ぶってなんだっけという大人におすすめしたい一冊かなと。 -
最近の中学生はこんな手の込んだ探究学習に取り組むものなのか、と少々の驚きを感じながら読了した。清教学園という私立の中高一貫校だからこそ成り立つカリキュラムなのかもしれない。中学生向けの平易な言葉で書いてはあるが、大学生や社会人にも十分に読み応えのある内容だと思う。
ちくまQブックスのシリーズコンセプトが「10代のためのノンフィクション読書を応援する」なのだそうだ。
何をマイテーマに学ぶかと言うことは自分が何者であるか問いかけること、という趣旨の言葉は惰性で日々を生きる自分には少々耳が痛い。 -
生徒自身が題材を決め、問いを立て、調査・プロジェクトを進めていく「探究学習」の指南書。論文の書き方や資料の探し方といった技術的なことの説明だけでなく、そもそも自分自身が本当に興味のある「マイテーマ」をどのように見つけていけばよいか、その道のりを示しているところがよかった。
最も共感したのは、探究学習のテーマ探しは、「自分は何者なのか?」という問いに答えることだという考え方だ。漠然とこういった分野に興味がある、こういう感じのことについて調べてみたい、といったイメージがあっても、では具体的に何に対して、どんな問いを立てるのかを考えるのは、実は、大人になっても難しいと感じている。自分が本当に調べたいと思うテーマを見つけて、言葉にすることが、一つの自己理解だというスタンスは、とても共感した。そのときに大切なことが、まずは手当たり次第読み、自分のコメントをしていくことだとしていることも、具体的で分かりやすいヒントになる。
特に参考になったのは、第2章で紹介されているテーマになりにくいテーマと、第5章の探究が上手くいかない学習者のスタンスだ。普段、子どもに授業をしているときに、子どもから出てくる疑問や問いに、それは考えても授業としてはあまり実りがないな……、と感じることが多々あるが、この2章は、テーマや問いに対する、そうした直感を上手く言語してくれている。
単純なハウツー本でなく、探究することに対するスタンスを自分自身、考え直すきっかけになる一冊だった。 -
これは一連のQブックスの中でも出色。もう、これから新たな研究とかよほどなかろう、って感じで読むのを後回しにしていたけど、本書に触れると、俄然やる気にもなってくる。いわゆる論文の体裁で書いたのって、大学になってからだったと記憶するけど、本書を参考に、是非中高生までには触れておくべき。というか、べきだった。
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著者プロフィール
片岡則夫の作品





