チリ交列伝: 古新聞・古雑誌、そして古本 (ちくま文庫 い 54-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480420756

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  • 「毎度おなじみのチリ紙交換でございます」。

    そんなアナウンスもいつの間にか聞かなくなった。チリ紙交換と
    いう職業自体がなくなった。

    それは、自治体や新聞販売店の古紙回収が広がったのも影響して
    いるのだろう。勿論、古紙価格の推移も。

    もう何度目の再読になるんだろうか。先日読んだ沢木耕太郎の
    『人の砂漠』収録の「屑の世界」に触発されて、書棚を漁った。

    何度読んでもやはり名作なのである。著者はいわゆる「立場」の
    専務経験を持つ古本屋店主だった。数年前に亡くなっているが…。

    その立場で出会ったチリ交たちの群像を描いたのが本書だ。

    いろんなバックボーンを持って、チリ交になった人々。それは
    今考えれば、社会から弾かれたり、飛び出してしまった人たちの
    一種のセーフティ・ネットだったのでは?と感じた。

    会社や店のお金をギャンブルにつぎ込んでしまった人、スランプに
    陥り演奏が出来なくなったサックス奏者、元旅役者のご夫婦等々。

    軽トラは立場が貸してくれるし、やる気次第で日銭が稼げるチリ交
    だから、ふらっと始めてふらっといなくなってしまうこともある。

    そんなチリ交たちが持ち込む古本に、価値あるものが結構あった
    のは他の古本屋店主の作品にも描かれている。今じゃ、そういった
    「一攫千金」の出物もないんだろうな。

    昭和の時代、チリ紙交換という仕事があった。本書は、昭和の
    文化史の一端を描いた作品でもあると思う。

  • かつて古本、古雑誌、古新聞を集めていたチリ紙交換。その生態と周辺。

  • この間読んだ本の中で解説されていて面白そうだったので借りてみました。そう言えばこの頃毎度お馴染みのチリ紙交換です、と言う声を聞かなくなったなあ、と思いました。
    今は市や区でのリサイクルも盛んですし町内会や学校での古紙回収も盛んに行われていて流しのチリ交さんの出番が無くなってしまったのだなあと今更ながら気がつきました。

    私はブックオフを大変便利に活用させて頂いておりますが確かに昔ながらの古本屋を回る楽しみはないよな、とは思います。神保町は専門書が多く、それはそれで回る楽しみがあるのですが、昔は駅近くに必ず一軒か二軒あった個人経営の古本屋さんを回る楽しみはまた違う面白みがありました。今は個人経営の古本屋さんなんてあまり見かけなくなりました。

    それにしても専門書や洋書は本当はそういったジャンルを扱う古本屋さんに回収してもらいたいのですが、それ程冊数もないし、自分が思うほど価値のある本でもないかも、とブックオフに引き取ってもらい大概値がつきませんでしたと言われ処分してもらっております。
    本当は値がつかなくてももしかしたら資料として必要としている方にお譲りしたいところなのですが、そうなるとネットでどうにかするしかないのかな。

  • 昔「ご家庭に不要の古新聞、古雑誌・・」などと回ってきたチリ紙交換。あれが消えたのはいつごろだろうか。
    使える本は古本屋に売り、古紙古雑誌はダンボール等に再生する。
    リヤカーひとつではじめられ、短期で稼げることから、アルバイトで始めるものも多くいたという。(矢沢栄吉は元チリ交)
    元自衛隊、ヤクザ、音楽家、出稼ぎ、易者・・・さまざまな人間の集まる立場(チリ紙交換の集荷所)の人間模様。
    その日暮らしで、ヤクザな仕事の中にもうかびあがる人間臭さと温かみが生き生きと伝わってくる。
    すばらしい。日本のブルースを活字にするとこうなるのだろう。

  • 240.初、カバスレ、帯なし。
    2009.12/11.伊勢BF。

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