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- / ISBN・EAN: 9784480420862
感想・レビュー・書評
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昭和の名人、三代目桂三木助は1961年に58歳で早世。
死の間際、枕頭に三木助夫人、子供たち、そして八代目桂文楽、五代目柳家小さんが座ると、三木助が文楽に、「弟子の木久八を頼む」。
言われた文楽が頷くのを見ると、次に三木助は小さんに、「おれの「芝浜」を覚えて欲しい。それを木久八に教えてやってくれ」。
小さんが「引き受けた。他に言っておくことはないかい」と頷くと、三木助は「ないよ」と微笑んで逝去したそうです。
後日、三木助夫人が「あたしと子供たちに何もないのか、と不服でしたけど、芸人だから仕方がない」と言ったそうです。
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楽しむほうからすると、たかが落語。
だけど、「たったひとりの話芸」の世界っていうのは、高みに至れば至るほど、ここまで業が深いものなんだなあ。と、慄然と面白かったエピソード。
ちなみに、弟子の木久八、というのが、映画「の・ようなもの」にも出演した入船亭扇橋。飄々とした語りがたまらなく好きでした。小三治さんとのとぼけた交友関係が、お互いのまくらに頻繁に表れるのが微笑ましかったです。平成の名人、2015年死去。
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冒頭に書いた三木助さんのエピソードや、古典落語の世界のトリビアなどが満載な、落語エッセイ。と言っても、1961年に世に出た本なので、言ってみれば「落語雑文の嚆矢」。江國さんというのは、その後、演芸評論の大家?になられます。
その後のことは判りませんが、この本は江國さんのデビュー作のようなものらしく、随所に若々しさと、落語への熱い情熱がほとばしっていて、内容が古くてもその熱が微笑ましい一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
請求番号:B/Eku
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落語への愛情が満ちている。
もう少しこの愛情を周囲へこぼしてくれていたら。。。 -
序 辰野隆
落語談議
落語博物誌
高座百景
五人のはなし
落語歳時記
新作問答
落語結縁
自跋
解説 矢野誠一
解説 瀧口雅仁
(目次より) -
まずは落語を実際に見聞きしてから見るべき本のような気がする。
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うー噺を全然知らんから読めない、少しずつホンモノの落語をと思う 少し読めるようになってきた07/05/14