ブス論 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480420923

感想・レビュー・書評

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  • 2005(底本2001)年刊。かぐや姫のごとく絶世の美女への求婚譚から始まった日本文学は、源氏物語では末摘花のように決して美形でない女性でも源氏から求められる具合に変遷した、しかし、その後は…。「醜女」という観点から、平安文学、中世、そして江戸期の文芸までを批評し、女性の地位変遷まで炙り出そうとする意欲作。表紙の阿亀(お多福)の面のインパクトが強すぎるが、内容は平易かつ伝わりやすい文体で記述されているので、読みやすい。所々、著者の本音(美人好きな男性に対する怜悧な目)が垣間見れ、くすくす笑いながら読める。

  • 古典文学に登場するブスなどに関しての解説が細かく、ブスと関わる様々なものに対する考察も深くて、とても面白い本だった。古典文学における醜美というのはとても重要であることは知らなかったので、そのような観点からの文学考察はとても興味深かった。現代でも見た目で判断される時代が続いており、昔の日本と比較して、今の日本はあまり変わっていないように感じた

  •  【自分のための読書メモ】
     長男ができたときに、古風で力づよい、かつエスプリのきいた名前をつけようと、講談社学術文庫で、『古事記』と『日本書紀』を大人買いした2年前の夏。読破の夢叶わず、長く積読状態にあるけれど、やはり神話の世界には興味があって、そこで今回、これまた長く積読状態にあったこの本を手に取る。
     昔の人は、感性がおしゃれだ。ネーミングセンスバッチし。言葉が、そのものの状態すべてを表す完全言語は存在しないけれど、コノハナノサクヤ姫(木花開耶姫)なんて、その美しさがこの名前からびしばし感じ取れます。
     漢字の使い方も最高にうまい。やってることは、暴走族のお兄さんとおんなじで、音を合わせて言葉に漢字を当てはめているわけだけれど、1500年たった今もそのおしゃれセンスは不変のものです。
     さて、テーマの「ブス論」については、コノハナノサクヤ姫のお姉さんイワナガ姫のほうが繰り返し登場します。古来、醜は鬼を意味し恐れられていた存在とのこと。僕も醜女ならぬ醜男ですから、もっと大切にされたいものです。

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著者プロフィール

1961年横浜市生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻。個人全訳『源氏物語』全六巻、『源氏の男はみんなサイテー』『カラダで感じる源氏物語』『ブス論』『愛とまぐはひの古事記』『女嫌いの平家物語』(以上、ちくま文庫)、『快楽でよみとく古典文学』(小学館)、『ひかりナビで読む竹取物語』(文春文庫)、『本当はひどかった昔の日本』(新潮社)など著書多数。

「2016年 『文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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