エマ (上) (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
3.79
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421371

作品紹介・あらすじ

エマ・ウッドハウスは美人で頭が良くて、村一番の大地主のお嬢さま。私生児ハリエットのお相手として、美男のエルトン牧師に白刃の矢を立てる。そしてハリエットに思いを寄せる農夫マーティンとの結婚話を、ナイトリー氏の忠告を無視してつぶしてしまう。ハリエットはエマのお膳立てにすっかりその気になるのだが-。19世紀英国の村を舞台にした「オースティンの最も深遠な喜劇」。

感想・レビュー・書評

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  • 「高慢と偏見」が面白かったので、「エマ」を読んでみる。
    ジェイン・オースティンの作品は、作家の訴えたい何かを探ったり、世間に対しての皮肉だったりという作品を通じての問題提起がなされたものではない。あくまで結婚を考える女性を中心に、家族や恋人である男性や周囲のひとびととの間で巻き起こる出来事を読みやすく書いた娯楽性の高い作品だと思う。
    作品を読んで何かを考えるとかいった読書でなく、とにかく読んで面白い。絵のない漫画のようだ。
    それでいて、くだらないと一蹴してしまうのは勿体無い。不思議に読みたくなる作家だ。

    上流家庭に育ったエマは美人で頭が良く、自分は結婚するつもりは毛頭ないくせに、ひとの結婚を纏めたい女性。
    エマは、愛らしい私生児のハリエットとエルトン牧師との結婚を纏めたいと思い、ハリエットに思いを寄せるマーティンとの結婚話を壊してしまう。

    美人で頭が良い主人公エマは、世話焼きで、思い込みと決めつけが激しい。
    そんなエマなので、ひとの気持ちに気づくことが出来ずとんちんかんな思い込みと決めつけで、本人は至って真面目にとんでもないことをする。
    勿論、読者にはエマのすることが的を外したことだと想像出来る。まさに喜劇。

    今回の作品でも、エマをはじめ登場人物は個性豊かな面々で、読みはじめてすぐにジェイン・オースティンの世界に引き込まれる。

    エマのお節介でハリエットはどうなるのか、エマの恋はあるのかないのか、下巻へ。

  • 傲慢で善良なうつくしい娘さんのこころのうちを描き出して見事。
    世界は変わり、常識は変わっても、人間のこころのなかはたかだか200年ほどでは変わりませんね。

  • 2019.12.12

    【感想】
    全員が当たり前に身分を重んじていた
    エマの性格がなんというか、すごい…
    自分の考えが正しく、自分がいちばん恵まれていると信じ切っている姿

    エマの発言の中には周り(特にハリエット)を見下している言葉が多いけれど、悪気なんて一切ないんだろうなあ
    もし身近にエマのような人がいたら、私も信仰してしまいそう

    ミス・ベイツが喋りすぎ笑う

    【印象に残った言葉】
    エマ・ウッドハウスは美人で、頭が良くて、お金持ちで、明るい性格と温かい家庭にも恵まれ、この世の幸せを一身に集めたような女性だった。もうすぐ二十一歳になるが、人生の悲しみや苦しみをほとんど知らずに生きてきた。
    →冒頭この3行で読みたい!という気持ちが一気に大きくなった

  • 「エマ・ウッドハウスは美人で、頭が良くて、お金持ちで、明るい性格と温かい家庭にも恵まれ、この世の幸せを一身に集めたような女性だった。もうすぐ二十一歳になるが、人生の悲しみや苦しみをほとんど知らずに生きてきた。」

    いやー、この出だしはすごいなー!
    お見事!
    全体の感想は、下巻で。

  • 【ジェーンオースティン祭2冊目】
    「高慢と偏見」に引き続いてのオースティン祭り。本書の主人公エマは、美人でお嬢様で気が強くて頭もまぁまぁよい。ただ、ちょっと浅はかで早とちりなところがあり、持ち前の妄想癖で、他人の恋愛事情に頓珍漢な介入を行い・・といったラブコメディ。ひたすら病弱ぶりたいお父さんや自慢たらしの牧師夫妻といったサブキャラも個性を発揮し、恋愛小説嫌いの自分でも、読んでいて全くあきない。オースティンは全部読もうと改めて決意。次は「説得」。

  • 阿部知二/訳エマ (中公文庫)
    工藤政司/訳エマ〈上〉 (岩波文庫)
    中野康司/訳 エマ (上) (ちくま文庫)
    各社を比較してみたくなって、結局集めてきた。
    シーンは冒頭、エマが縁組みの成功に浮かれている所に、ナイトリー氏が釘をさし、『成功といえるのかね?』と追求する場面から抜粋。

    ナイトリーへの敬称だけで各文庫の特色が出ています。
    どんなものだか手にとってみたい若い人には、ちくま文庫がおすすめ。
    文章へのこだわりと読みやすさを求めるなら、岩波。
    古典への理解と熟読派なら、中央公論。

    以下下記
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3963.html

  • 頭の回転が早くて面倒見がいいのに、トンチンカンなエマのお嬢様ぶりがたいへん。

    詳しい感想は下巻にて。

  •  18世紀の英国の田園地帯のラブロマンス。

     自分を賢くてすばらしい!と思っている娘のおばかっぷりが面白い作品……なんだけど耳が痛い。
     ここまでじゃないけど、自分にも同じようにおごり高ぶっているところがあるので、他人事じゃないハラハラ感がある。
    「エマ!? 何バカなこといってるの! 冷静になって!」と後ろから突っ込みを入れたいくらいだ。

     ただ、エマ自身に悪意はなく(迷惑なんだけど)、すぐに反省をするので(懲りないけど)、読んでいてイヤな感じはしない。
     そろそろ鼻っ柱折れそうだけどどうなるんだろ。

  • 読みやすい。
    19世紀の恋愛ラノベ。

  • 全てに恵まれた完璧なエマ

    彼女が良かれと思ってしたことは
    彼女の勘違いでことごとく失敗をする

    小さな村のいくつかの家での出来事しか
    書かれていないのに読み進めるのが楽しかった

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著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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