エマ (下) (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 262
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421388

感想・レビュー・書評

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  • 最初はエマのちょっとうぬぼれたお節介ぶりにやきもきさせられるものの、読み進めていくと、彼女が「本当に」頭のいい女性なのだ、ということがわかってくる。
    エマは頭の回転が速く、思いやりがあり、行動力もある女性なのだ。それでいて美人でお金持ちで、家族にも恵まれているのだから、彼女が「お節介」に義務感のような思いを抱くことも、ごくごく自然なことだと思う(本人はそれを「お節介」だとは思っていないが)。

    そんな、「ちょっと行き過ぎ」なエマを、きちんとたしなめ、また導こうとしてくれるナイトリー氏は素晴らしい。
    本当に愛しているからこそ、はっきりと注意し、時に厳しくたしなめる。本当に愛情を持っていないと、ぜったいに出来ないことだ。そしてそれはまた、愛情だけでも決して出来ないことだ。

    私は、エマがベイツ夫人に思いがけず侮辱の言葉を言ってしまって、そのことをナイトリー氏から厳しく非難され、彼女が激しい後悔に襲われる場面が、とても好きだ。主人公が傷つき猛反省する場面を、好きだと言うのもどうかと思うが。
    この場面で、エマは自分のしたことをとても反省する。こんなことは、もう二度としないと誓う。私はこのとき、彼女の純真さが輝いていると思う。本人はとても辛いし、とても後悔しているのだけれど、そのことを心から悔い改めようと決意し、エマはそれをきちんと行動に移すのである。

    癖のあるヒロインだし、確かに『高慢と偏見』を読んだあとだと、ストーリーの清々しさという点をどうしても比べてしまって、あちらに軍配を上げたくなる。
    しかし、このお話に描かれた「反省」は、これからふとした瞬間に私を励ましてくれるのではないかと、ちょっと期待している。

  • 2019.12.14

    【感想】
    展開はベタなのに、とても面白かった!!!
    メインの内容は、少女漫画で言うところの「歳の離れた幼馴染みが無自覚のうちに想い合う、そこにライバルが出現したことによって各々の気持ちをやっと自覚」って感じかな?!

    「ずっと同じナイトリーさんでいてほしい。」エマの言葉がとてもわがままで、とても切実

    ナイトリーさんの想いを告げる言葉たちが誠実で好き
    エマとフランクのたわむれを見たくなくてロンドン行くとか可愛すぎる好き

    「欠点だらけだが完璧なエマ」とはその通りだと思う
    エルトン夫人が苦手すぎる!!!

    【印象に残った言葉】
    心の慰めや平静さを求めたいなら、これから良い行ないをしようと決意するしかないではないか。
    →エマの人間的な素晴らしさを感じた。


  • ナイトリーさんが、ダンスで救うシーンがかっこよすぎて、さらにその後エマにダンスを申し込むシーンがかっこよすぎて、
    「うおー!!かっこえー!!!」って、家のベランダで叫びました・・・
    さらに、エマに愛ある忠告をするところ、
    さらにさらに愛の告白をするところ・・・
    中盤から後半にかけてはまさにナイトリー祭りでした。
    とっても素敵でした。
    「欠点だらけだけど完璧な」エマが大好きです。とても共感できるしとても魅力的な女の子です。
    これはずっと読み続けていくだろうな。。。何度読んでもとても好き。

  • 『高慢と偏見』が面白かったので続けて読みました。
    田舎の町の狭い世界の話がこんなに面白く書けるなんて……オースティンを全作読破したくなりました。

    今作は面白かったは面白かったんだけど主人公のエマの勘違いっぷりと自尊心の高さと人を見下したような思考、言動、行動は好きになれなくてすっきり気持ち良く読めない部分はありました。
    ただそんなエマには彼女の間違いを正して善導しようという良き理解者?いや崇拝者?笑 がいたのが最大の幸運です。
    歳が離れているとそんな女性も可愛く見えることでしょう。
    ナイトリー氏が完璧な紳士すぎて欠点が見つかりません……。

    しかしエマのきちんと反省ができる点とそれをすぐに行動に移せる所は美徳でナイトリー氏も感激してて可愛いです。

  • お嬢様エマの小さな世界の、人間関係のドタバタ劇。

    どの人物もキャラクターが立っていて、セリフや行動に「確かに話が長くてつまんないな」とか「どれだけ心配性なんだ」というのが文章での説明以上に伝わってくる。

  • 著者いわく、主人公は「私しか好きにならないかもしれない」女の子。きれいで、賢く、裕福で、何不自由なく暮らすエマ。そんなお嬢さまの勘違いが周囲の人を振り回します。しかし、真実を知ったエマは…。

  • ジェインオースティンの作品は特に大きな波があったりする作品ではないのに早く先を読み進めたくなる不思議。登場人物たちひとりひとり味があって楽しい。

  • ジェイン・オースティンの作品の素晴らしい点は色々あるけれども、一つにはその卓越した表現だと思う。クドいわけではない必要最低限の言葉で、読者が容易に個々のキャラクターを頭の中で想像することができる。しかもこれほど似ている主題で書いておきながら、他作品とは全く別人として書き分けされているのだから凄い。
    ついに私はよく議論される「高慢と偏見」と今作のどちらが好きかについて意見を言える。エマには正直、過度の期待はしていなかったのだが私は確実に「エマ」の方が好きだ。ダーシー氏もナイトリー氏も理想的な紳士ではあるが、「エマ」は読んでいて腹が立たないし、表現や登場人物などが円熟しているのは素人の私にも分かる。紳士の好みで言うなら、ダーシー氏は痛い目を見て己を省みたけれどナイトリー氏は最初から立派だったではないか! 作者が言うような、エマ本人は「読者が好きになれない主人公」ではない。寧ろエマにはエリザベス・ベネットより大変好感触。私が好きになれないタイプは、作品も含めて大人しいファニー・プライスの方だ。

    私のように、少女漫画や恋愛小説は嫌いでも、オースティンの作品は好きだというケースは往々にしてあると思う。それは、ジェイン・オースティンの小説のジャンルが単なる恋愛小説ではなく、あくまで「novel of manners / 風俗小説」や「comedy of manners / 風俗喜劇」であり、教訓めいたものがあるからではないかと私は睨んでいる。個人的には、作者の生涯よりも時代背景や風俗やテーマについて掘り下げていきたい。取り敢えずWikipedia(en)を読んでみると、例えば今作「エマ」では「階級」というテーマの他に「食べ物」にも意図があるなどとあって大変興味が湧いたので、絶版となっているものも多いが関連本を幾つか読んでみたくなった。

  • 内容は、昼ドラですら取り上げないような恋愛ドタバタコメディーといった風体なのに、最後まで一気に読ませてしまう。全くものすごい文章としか言い様がない。主人公エマと、周りの人々の会話が特に素晴らしく、息をつかせない。
    (2017.7)

  • 訳者あとがきで、オースティンは誰も好きになれないヒロインを書くつもりでエマを生み出したと知って驚いた。
    あえてそれを狙い、成功し、それでいて物語も面白くて最後まで惹きつけるというのは、相当難しいことだと思う。
    独善的で偏見に満ち、自己中心的でそれら全てに全く自覚のないエマは、見ていて苛々させられるが、エマを憎み切れないのは、私自身にもそんなところはあるわけで、同病相哀れむという側面もあるのかも。
    ナイトリー氏は大層かっこいいが、年上の男性が若い女性を導くというのは、図式だけだとハイハイ間に合ってますぅ、と言いたくなる。
    しかし、それがエマとナイトリー氏なので、男は手を引いてやるものという意識からではなく、この二人はこういう関係なのだな、と納得出来た。
    周囲の人達のキャラクターも非常に上手い。
    そしてクライマックスは思わず突っ伏したくなりましたよ、これぞときめき!
    さすが!

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著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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