学校って何だろう: 教育の社会学入門 (ちくま文庫 か 46-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421579

作品紹介・あらすじ

「どうして勉強しなければいけないの?」「なぜ毎日学校へ通わなければいけないの?」こうした疑問には、大人になった今でもなかなか答えづらい。他にも、「どうして校則でソックスの色まで決められてるの?」とか「教科書ってほんとに必要なの?」など、生徒たちの疑問は尽きない。これらに対する答えはひとつではない。これまで考えられてきた学校や勉強についての「常識」を複眼的に問いなおし、「学ぶことの意味」をふたたび掴みとるための基本図書。

感想・レビュー・書評

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  •  教育社会学者である著者が、「学校」という存在をどのように見たり考えたりしたらよいのかを、中学生にも分かるように語っている本です。世間一般の常識や先入観とは異なる「学校」への視点を、順番にていねいに提示しながらも、「回答」は決して押しつけずに読者(中学生)に考えさせています。教育社会学の知見に基づいた内容であるにもかかわらず、専門用語はほとんど登場せず、とても平易な語り口で予備知識なしに読めます。

  • 中学校の子どもたちに
    語りかけた一冊

    「どうして勉強するの?」
    「なぜ制服ってあるの?」
    「教科書はなぜあるの?」
    「隠れたカリキュラムって?」
    「先生の仕事はどこまで?」
    「生徒の演じ方」
    ……
    各章に立てられた「問」が
    秀逸です

    「学校」を
    社会学的に分析して、
    易しい言葉で
    ひも解いて、

    最終的には
    「自分の頭で考えよう」
    という部分に
    とても共感します

  • 「なぜ勉強するか」の話に始まり、試験、校則、教科書、隠れたカリキュラム、また先生と生徒の世界、学歴社会と学校の関係について明確な答えをあえて提示することなく、読み手に考えさせる内容で、自分自身も考えさせられた。文体もとても簡単で読もうと思えば1時間やそこらで読めるがよく噛み砕きながら読むことを薦める。
    中学生のときに出会えれば学生生活もちょっとマシになったかな。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40167913

  • 特に印象に残ったのは「校則」について。

    教師が校則を守らせたがる理由は何か?
    それによって生徒が学校の権威に服していることを示すことができるから。

    学校への忠誠度を示すリトマス紙になるのが校則である。
    だから、校則の内容自体は学校ごとに違ってよい。

    「どういう校則を守るか」より「校則に従うのかどうか」が、教員側にとっては重要なんだろう。

  • 社会学部 松澤俊二先生 推薦コメント
    『君たちが(たぶん)12年くらい通い続けた「学校」についてあらためて考えてみよう。
    教科書や校則に疑問を感じていた人にも。』

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/653090

  • 中学生向けに書かれた教育社会学の本。
    自分の理解がいい線行っていたと自信を持つ。

  • 【概略】
     良い意味でも悪い意味でも常に話題に挙がる「学校」。「どうして勉強をしないといけないのか?」「なぜそんな校則を守らないといけないのか?」「先生って偉い存在なのか?」「最近の若い子はすぐキレる、なぜか?」・・・学校を軸にした疑問は枚挙にいとまがない。そんな「学校」について、自分の頭で考えて、自分なりの答えを導き出すキッカケとして著者が置いた一冊。中学校を想定しての一冊。

    2020年01月02日 読了
    【書評】
     (既に概略に書いたけど)「これは中学校・中学生を想定?」「自分だったらどうする?」を強く意識して書かれてるなぁ~と思ったら「あとがき」にそういう意図があった。この本は先生のみならず、親御さんの立場、または生徒自身も読んでみるといいかも。叶うなら、自身が生徒の時に読み、大学を卒業した時に読み、(まだいないけど 笑)親という立場になった時に読み、その時その時の自分の心境の変化を楽しみたい一冊かも。
     (このあと読む予定だけど)「フィンランドの教育システムは素晴らしい。見習え」とか目にする。多分、正しくは、「フィンランドの腹の決め方を見習え」じゃないかなと思う自分。国家として、「ウチはこの方法で教育をしていくんだ!」という旗をしっかり立てたって意味では、見習う必要、あると思うのだよねぇ。
     そういう「どんな旗を立てるか?」を考えるという意味では、国家だってそうだし、各学校だってそうだし、親としてもそうだし、自分自身としても当てはまる気がする。ごめんなさい、教育の世界については完全なる素人なので、明後日の方向を向いて書いちゃってるかも。私立の学校はまぁ、イメージできるとして、公立の学校ってのは、在任中、校長先生が国の理念に反しない範囲での方向性を打ち出すとか、できるのかな?各自の先生は?そして、親御さんは・・・?この辺り、自分が経験がないのが悔やまれるところ。
     外側にいる立場の自分が、外側から眺めるにあたり、なんとなく「その全てを学校と先生に背負わせ過ぎてる」イメージがあるなぁ、と思う。国家としての方向性を定めるには、まぁ時間もかかるだろうし、そういった上流での作業はもっとなんというか・・・あんまり「国民」(あえてここでこの言葉を使った 笑)の顔色を窺わずにやってもらって、下流での臨機応変さを求められる部分は、まさしく柔軟に対応して、学校と先生の背負ってる(余計な)荷物を減らしてもいいような気がする。部活動しかり、生徒のメンタルケアしかり。
     ちょっと話が逸れた。今回の本の中で、「おぉ~!!!これやってくれたら自分も授業参加したい!」と思ったのが、教科横断の授業。本書では「水」をキッカケにしてた。たとえば水の量や質などを学ぶには数学や理科、水道の水が各家庭にまわる仕組みや変遷などは公民、水を争って起きた紛争などは歴史、水の音を楽しんだり、水に関する音楽を学ぶのには音楽、そして水を取り扱った文学なら国語・・・というように特定の事柄(水でも土でもなんでもいい)から興味を各教科に広げるというもの。公立だと厳しいかぁ・・・大人になってからの再入学とかでやってくれないかなぁ、授業料かかってもいいから。・・・って、こういう教科横断も、やっぱり「好奇心」が根っこにないとなにも面白くないだろうから難しいだろうけどねぇ。うん、教育って難しい(そこ?
     話題が逸れるけど、色んな人達が自身のバックボーンに沿って発言する訳ですよ。英語によって人生を変えてもらった立場の方達は「もっと英語の授業を増やせ」、古典に喜びを感じる方達は「古典は大事」等々。自分の興味ある科目、恩義のある科目、そりゃ愛着がある・・・から授業を増やせってなるよね。でも皮肉(というかここでも「好奇心」・・・または必要性?)なんだよね、たまに「英語英語!」って言ってる人が英検1級やTOEFLとかの試験と立ち向かうにあたり「自然科学の知識がないとヤバい」とか言っちゃうの。批判じゃないよ、これ。ただ、ここでも、教育とはなにか?日本の教育は、どう進めたらよいか?につながってるなぁって。どの教科が役に立つ?って話で物事決めちゃあかんよなって話ですよ。
     今月にとある講演で話さないといけないってのがキッカケでこの分野の本を読ませてもらってて。講演で話す内容は全く浮かんできてなくて焦ってるのだけど、考える機会を与えてもらって本当にありがたい。

  • 中学生向け、だけど大学生や大人が読んでも面白い

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著者プロフィール

オックスフォード大学教授

「2023年 『新・教育の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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