つむじ風食堂の夜

  • 筑摩書房 (2005年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480421746

みんなの感想まとめ

夜の静けさと共に、月舟町のつむじ風食堂で繰り広げられる個性的な常連客たちの交流が描かれています。雨降り先生を中心に、帽子屋のおじさんや舞台女優、古本屋の親方など、魅力的なキャラクターたちが集まり、時に...

感想・レビュー・書評

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  •  吉田篤弘さん「月舟町シリーズ3部作」の、はじまりの物語です。吉田篤弘作品との出合いが、シリーズ第2作『それからはスープのことばかり考えて暮らした』でした。その後、第3作の『レインコートを着た犬』を読み、また時間が経過してしまいました。

     無作為選書で最後にこの第1作を読んだのですが、なぜか再読している懐かしさを感じました。
     月舟町の十字路の角にある<つむじ風食堂>と、そこに集う個性的な常連客たちの会話と心情スケッチが、ゆったりと哀切を帯びた世界観で描かれます。

     私見ですが、3部作の中では一番幻想的な雰囲気漂う作品かも‥と思いました。
     夜や雨の描写、地球や孤独の本来あるべき姿、「ここ」の定義など、敢えて輪郭をぼかして曖昧にする表現が、不思議と心に響きます。
     月舟町は、何となく異国情緒漂い架空の町に思えますが、時に、すぐ側にあるような錯覚も起こさせます。小さな町で、静かにゆっくり刻まれていく夜のひと時は、私たちに極上の癒しを与えてくれるようです。

     私は、吉田篤弘作品を勝手に「"凪"の物語」だと思ってますが、ストーリーに引きつけられるとか、想いを込めたメッセージに心揺さぶられるなどとは無縁の、その世界観を楽しむのが吉田篤弘作品との付き合い方かなと、改めて思いました。

     静かな夜に、五感を刺激されながら、ゆったりとした気持ちで読むことで、自然と心が落ち着き、穏やかに睡魔が誘います。一服の清涼剤兼精神安定剤かな‥。

  • 月舟町シリーズの1冊目。

    出だしは、「その食堂の皿は本当に美しかった。」
    どんな皿だろう?と想像する暇なく、
    単に真っ白なだけで、よく見るとその皿は傷だらけだと明かされる。
    テーブルも壁もコップも傷が重なり合っている、そんな安っぽい定食屋にいる。
    そして、
    「傷は、そこに人が生きていた証ですから」
    という古道具屋のオヤジの言葉を思い浮かべる。

    最初の10行で吉田篤弘ワールドに包み込まれてしまう。
    あとは流されるがままに読むだけだ。

    つむじ風食堂も十字路にあった。
    先日読んだ「水晶万年筆」も十字路にまつわる物語を集めたものだった。
    吉田篤弘さんは十字路が好きみたいだ。
    十字路なんて要するに交差点で、どこにでもある風景なのだが特別な場所に感じる。

    食堂での常連さんたちの"自信"に関する会話になるほどと思った。
    「まだ若いんだから、自信をもって」
    「人間てのは、そもそも自信が持てない生き物なんです。」
    「なのに、無理やり自信を持とうとするから争いってもんが起きるんです。」
    「自信ってなんです?しょせんは他の人に優るってことじゃないですか。」

    ほかにも、
    太陽がなければ昼はない。夜があるだけだ。夜は宇宙だ。
    おー、なるほど!

    ここじゃないどこかに行きたい。
    ここにオレンジがある。
    「ここ」ってなんでしょう。「ここ」ってどこのこと?
    地球の外から眺めたら、月舟町とコペンハーゲンは隣みたいなもんです。
    ここは「地球」という一つの場所とも言える。
    「ここ」とはどこなのか、正確な答えはないんですよ。
    このようなちょっと哲学的な会話に何度も、おー、なるほどね、と思わされた。

    さて、シリーズ2冊目は「それからはスープのことばかり考えて暮らした」だ。
    14話あるので、1日1話くらいのペースで、のんびりと読むことにしよう。

    • yumiさん
      Kazuさん、
      いいね!ありがとうございます。
      Kazuさんの感想を読んでいたら、読み返したくなり、思わずコメントしてしまいました…!吉田篤...
      Kazuさん、
      いいね!ありがとうございます。
      Kazuさんの感想を読んでいたら、読み返したくなり、思わずコメントしてしまいました…!吉田篤弘さん、いいですよね。「それからはスープのことばかり考えて暮らした」も大好きな作品です♩感想、楽しみに待っています!
      2023/02/22
    • Kazuさん
      yumiさん、おはようございます。
      「自信ってなに」
      「ここってどこ」
      「哲学的な...」
      と、私のレビューと同じキーワードが出てきてドキッ...
      yumiさん、おはようございます。
      「自信ってなに」
      「ここってどこ」
      「哲学的な...」
      と、私のレビューと同じキーワードが出てきてドキッとさせられたのはyumiさんのレビューだったのですね。(私がパクったみたい♪)
      読んだ人みんな心をつかまれる場面なんだと思いたいです。
      月舟町シリーズもまだ3作品あるので、しばらくは吉田篤弘ワールドに浸るつもりです。
      2023/02/22
  • 月舟町シリーズの2部は読んでいたので1部を。
    吉田さんならではの、空想とリアルが行ったり来たりするような宙ぶらりん感を噛み締めながら淡々と過ごせる夜たちであった。
    食堂に集まる個性強烈な参加者たち。
    曖昧を認めて許してくれる暖かさをじんわり感じる。

    「夜とはすなわち宇宙である。
    もし昼がなければ、
    人類はもっと宇宙の謎を解くことができ
    もっと孤独について学べたかもしれない。
    もっとも、
    昼がなければ人類は早々に死滅していたのだろうが。」

  • 穏やかに淡々としていてるけど、世界観が独特で楽しい本。月舟町三部作を「それからはスープのことばかり考えて暮らした」から先に読んでしまったけど、特に問題なかったように思う。「レインコートを着た犬」も続けて読む。

  • 吉田篤弘さんの描く世界…
    ひっそりとした夜の暗闇の中にぼっと温かい灯りがともっているような、そんな心地よさが好きです。月舟町の屋根裏部屋に住みたいなぁ。

  • すごーく良いお話でした。
    月舟町の、つむじ風食堂に集う人たちのお話です。(町の名前も食堂の名前もステキ)
    まず、表紙が真っ黒に星一つなので、そんなイメージで読み始めました。登場人物も少ないので、まるで舞台の上で薄暗いライトを浴びながらお芝居をしているのを見ているような感覚でした。みんな、どことなく哲学的な物言いをして、でもそれを押し付けてこない感じが心地よかったです。

  • 月舟町に住むちょっと風変わりな人達の日常のお話。

    何だろう〜、この空気感。
    特に何かが起こるわけでもなくて、そこには少しクセのある住人たちの日常がゆるっと描かれてるだけなのに、なぜだかとても心地良い。←言い方(・・;)
    ノスタルジックな雰囲気もあったし、どこか空想的な感じもあった。
    夏に読んじゃったけど、イメージとしては秋の夜長に静かに読むのがぴったりだと思う。

    それにしてもイルクーツクって土地名が全然覚えられず、頭の中で噛みまくり笑
    吉田さん、初めて読んだ作品には苦戦してしまったけど、この作品はとても好きでした〜!

    シリーズ物なので、続編も時間のある時にゆったり読みたい♡♡

    • 1Q84O1さん
      なるほど~(・。・)
      少し待って秋の夜長にチャレンジですかねw
      なるほど~(・。・)
      少し待って秋の夜長にチャレンジですかねw
      2023/07/26
    • 傍らに珈琲を。さん
      mihiroさん、おはようございます。

      いいですよね、月舟町。
      町も住人たちも愛おしくて、そのゆるゆるとした中で私も暮らしたくなりました。...
      mihiroさん、おはようございます。

      いいですよね、月舟町。
      町も住人たちも愛おしくて、そのゆるゆるとした中で私も暮らしたくなりました。
      シリーズ、是非是非。
      mihiroさんも吉田ワールドに捕まりましたね♪
      2023/07/27
    • mihiroさん
      傍らに珈琲を。さ〜ん、こんばんは(*^^*)
      この作品の雰囲気、とても良かったですね〜♪
      ほんと、ちょっと風変わりな住人たちが愛おしく感じち...
      傍らに珈琲を。さ〜ん、こんばんは(*^^*)
      この作品の雰囲気、とても良かったですね〜♪
      ほんと、ちょっと風変わりな住人たちが愛おしく感じちゃいました。
      吉田さん、1作でやめなくて良かった〜笑
      また図書館本ラッシュ終わったら、ゆったり2作目のスープ読もうと思ってます✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎
      2023/07/27
  • 「至福の時」と言う、ことばがある。

    読書が「至福の時」となる時間がある。

    至福の時…

    はぁ…良すぎる…

    読んでて、こんなにリラックスできる作家さんに出会えたことは、とても幸運なことだ。
    なんだろ…この世界観が好きすぎる。

    吉田篤弘さんの作品を読むと必ず出てくる感想…。コピペかと思うほど、似たような感想、感覚。


    「つむじ風食堂と僕」を最初に読んでいて、どうやら今作の番外編だった模様。番外編を先に読んだわけで…

    そして、今作は月舟町シリーズ3部作の最初の作品。

    ふぅ…好きすぎる…

    残りの2作も「至福の時」を過ごせると思うと、
    まさに今も「至福の時」です…

    やっぱり…いつものように…
    コーヒー飲もうっと
    今回はエスプレーソ…

    あとがき
    読後感が良かった作品は、特に、他のブクログさんの感想を読みたくなる。
    今作は、800人以上もいるなぁ…
    そして、やっぱり合わない人もいるんだなぁ
    ⭐️一つって…
    人それぞれ、感じ方もそれぞれ。

  • 胸がきゅっと掴まれる感じ。
    忘れていた出来事をふと思い出す時のような、ノスタルジックさ漂う物語。

    ちょっと風変わりでとぼけた常連客達で賑わう、月舟町の十字路の角にある〈つむじ風食堂〉。
    気の弱い"先生"、無口な食堂の"あるじ"、食堂の手伝い"サエコさん"、いつも陽気な帽子屋"桜田さん"、背の高い舞台女優"奈々津さん"、果物屋の青年店主"イルクーツクの彼"、古本屋"デ・ニーロの親方"、体の半分が白もう半分が黒の食堂の猫"オセロ"。
    いつもの時間いつもの場所に集う彼らの会話が実にほのぼのとしていて、和やかな雰囲気がたまらなく好き。
    日常のストレス等で塞いだ心に一陣の風が通り抜け、後に残ったのは爽やかな心地のみ。
    今夜も〈つむじ風食堂〉でいつもの常連客達が賑やかにお喋りしながら食事をしているのかな。
    続編もぜひ読まなくては。

    • nejidonさん
      mofuさん、こんばんは(^^♪
      一番最初に読んだ吉田さんの本です。
      懐かしい~♡ なんとも不思議な温かい世界ですよね。
      この本を読ん...
      mofuさん、こんばんは(^^♪
      一番最初に読んだ吉田さんの本です。
      懐かしい~♡ なんとも不思議な温かい世界ですよね。
      この本を読んだときの時間を、取り戻したい!
      なんて、ちょっぴり感動してしまいました。
      2020/10/04
    • mofuさん
      nejidonさん、こんばんは。
      吉田さんの中で一番有名な本ですよね。
      私も知っていながら他の本を先に読んでいました。
      もっと早くに読んでお...
      nejidonさん、こんばんは。
      吉田さんの中で一番有名な本ですよね。
      私も知っていながら他の本を先に読んでいました。
      もっと早くに読んでおきたかった!
      このほのぼのとした温かい世界観がとても好きです(*^^*)
      この続編もぜひ読みたいと思います。
      コメントをありがとうございました(^^)
      2020/10/04
  • いつぞや どなたかのレビューを読んで本棚に登録していた本。

    ふと読みたくなり、図書館で借りた。

    バタバタジタバタと日々過ごし、
    忙しくしている割には、何も残らない。
    そんな風に感じている自分に
    時が処方してくれた本のようだ。

    たまたま休みとなった平日の暖かい昼下がりに
    のんびりとした気持ちでページをめくり、
    なんとも言えない懐かしさと
    ゆったりとした時の流れを感じることができ、
    癒された。

    この雨降り先生のように
    本当にやりたいことを右の机に積み上げて、
    日々生活のための左の机にかかりきり
    という気がしてならない。

    月舟町の小さな食堂で
    常連客が掛け合うたわいない話が
    何か哲学的で、宇宙の謎をとくような
    不思議な味わいがある。


    「もし、電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるなと。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるからって」

    というバリスタ、タブラさんの言葉が心に響いた。
    2022.3.14

  • なんか、いい感じなのです。

    月舟町の十字路の角にある、「つむじ風食堂」。
    メニューはフレンチ風に、コロッケではなく「クロケット」などと立派だが、こじんまりした店に常連が集う。
    店主は名無しを気取ったのだが、誰ともなくそう呼び習わしていた。

    雨を降らせる研究をしている学者先生がこの街のこれまた風変わりな建物に下宿して、店の常連になった。
    科学的な人工降雨というよりも雨乞いに関する書籍を集めることで人生を終わってしまいそうな暮らし。
    短文を書きまくっては糊口をしのいでいる。

    町の建物のひとつひとつや住人が個性的で、どこかファンタジック。
    隣町の帽子屋さん、デ・ニーロみたいな古本屋の親方、夜中も灯りをつけて本を読んでいる果物屋の青年、ちょっと口が悪い舞台女優の奈々津さん。
    奈々津さんと先生は同じ下宿の住人で、ささやかなやり取りから少しだけ近づいていく。
    雨降りの先生の父親は手品師で、舞台の幕から手だけを出して演技していた。

    丁寧に描かれた静かな雰囲気に、ふんわり包み込まれるよう。
    勝ち組とは決していえないが、負けという感じでもない穏やかな人々。
    夢のある、ほのかな温かさが心地よく、一緒にちょっとしたおしゃべりを楽しみたくなります。
    こんな町に住んでみたいような。
    どこにもないんだろうと思うような。
    どんな町もこんな目で見れば、小さな魅力や出会いがあるかもしれないと思うような。
    そんな気分に。

  • 月舟町という小さな町の十字路の角に立つ「つむじ風食堂」。定番の定食メニューが並ぶ安食堂ながら、パリッとしたメニューブックが用意され、無口なシェフが手をかけてつくった料理が提供される。
    そんなつむじ風食堂に通い始めた主人公と月舟町の住人たちとの交流を描く。

    主人公は、人工降雨の民俗学的研究をライフワークとしながら、雑文を書くライターの仕事を細々と請け負って生活している。
    どこかに行きたい。でもどこにも行けず、代り映えのしない毎日。そんな閉塞感を持つ主人公が、手品師だった父親との思い出を振り返り、月舟町の住人との交流を経て、だんだんと自分の居場所を見つけていく。

    若い頃には感じることのなかった、自分の存在に対する心もとない気持ち。それを受け入れ、最後につむじ風が起こる交差点を「ここ」と定めて少しだけ前へ進む主人公。そんな彼と自分とを重ね、今の自分を認めてあげたい気持ちになる。
    ちょっと不思議な大人のためのおとぎ話。

  • 大人の軽ーい小説、気を張らず読めて、独特の空気感がたまらなく心地よい

    日本の商店街の一角のお話なのに、外国の小さな町の洒落た小さなレストランのお話のような感覚さえした

    帽子屋の桜田さん、雨を降らせる研究をしている先生、女優の奈々津さん、古本屋のデ・ニーロの親方、果物屋
    つむじ風食堂で交わされる意味ありげで、実際のところ何の意味もない会話が楽しい

    それぞれの人が、ここが憩いの場なのだろう

    特に、父に連れられ訪れていたタプラさんのエスプレーソのお店、何十年かして訪れ、二代目タプラさんと対面する場面、最後タネも仕掛けもなく、父の舞台衣装の袖口が跡形もなく消え去った場面が好きだ

    「もし、電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるな。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるから」

    一代目タプラさんの言葉、しみじみといいなと思う
    ガツガツ慌てたり、焦ることなんかないんだと

    小川洋子さんとクラフトエブィング商會共著の「注文の多い注文書」は読んだことがあるが、クラフトエブィング商會というのが吉田篤弘さんと奥さんの吉田浩美さんのユニットだったと、初めて知った

    吉田篤弘さんとしては、初めて読む作品
    この月舟町シリーズを読み終えたら他の作品も読みたくなった

  • fukayanegiさんに吉田篤弘さん初めて読むなら推し本はこちらとのことでお取り寄せ。カバーデザインは吉田篤弘・吉田浩美の連名 装幀も手掛けているとのこと
    黒の背景に白地で題名、著者は薄青 金色の星は淡いほのかな輝く色合い☆
    あとがきで「筑摩書房の方と食堂のテーブルで話すうちにこの本はできあがりました。」ですって、素敵。
    つむじ風食堂常連さんのちょっと不器用だけど魅力的な登場人物達、程よい距離で見守っている感じがいい。独特な雰囲気をもったタブラさんのエスプレーソの香り、デニーロの親方の古本屋で立ち読み、屋根裏部屋で調べもの読書、試着用の円鏡のある帽子屋さん、奈々津さんの演技がみたい
    香りや味覚や触覚が刺激されたり台詞の言い回しが小気味よい
    「若いころのね、つまらない夢だの欲望だのが、ふっと消えちまう」「おのれが少し分かっちゃうってこと」「別れ際になって、急速に話が弾んでしまう」<二十空間移動装置>でどこまで行こうかな

    • ☆ベルガモット☆さん
      fukayanegiさん、こんばんは!

      コメントありがとうございます☆
      ご紹介くださったおかげで出会えました!
      こんな常連さんと過...
      fukayanegiさん、こんばんは!

      コメントありがとうございます☆
      ご紹介くださったおかげで出会えました!
      こんな常連さんと過ごす行きつけのお店が欲しいですな
      まさしく『ゆるくて穏やかな繋がり』ですよね、こんなご時世だから余計に素敵!ってなっちゃいます。
      吉田さんの本をまた読もうと思いまーす
      2022/12/15
    • fukayanegiさん
      ベルガモットさん
      返信ありがとうございます!

      もし次読まれるなら断然『それからはスープのことばかり考えて暮らした』をお勧めします。
      こちら...
      ベルガモットさん
      返信ありがとうございます!

      もし次読まれるなら断然『それからはスープのことばかり考えて暮らした』をお勧めします。
      こちらも小気味よさ全開で、ものすごく食欲を刺激されまくります。
      2022/12/16
    • ☆ベルガモット☆さん
      fukayanegiさん、ご助言ありがとうございます!
      『それからはスープのことばかり考えて暮らした』だなんて、この寒い季節にはぴったりです...
      fukayanegiさん、ご助言ありがとうございます!
      『それからはスープのことばかり考えて暮らした』だなんて、この寒い季節にはぴったりですね。こちらは雨でさらに冷え込んでいます。週末はぬくぬく読書タイムになりそうです。暖かくしてお過ごしくださいませ。
      2022/12/16
  • 月舟町という街を舞台に紡がれていく夜、ゆっくりと流れるひとときはどこかゆらゆらしていて朧げで、儚げで、まるでつかみどころのない、蜃気楼が見せるような物語の印象。

    その街と、時を紡ぐ人々が織りなす世界をひたすら眺め味わう時間に心がふわふわし、何気ない会話、言葉に心が共鳴する。
    そうだ、自分も今、この瞬間にどこか遠い地で本を読んでいる人がいる、ということを思うのがたまらなく好きなんだよなぁ…と。

    吉田さんの描く夜。そっと心に幸せな風をひと風吹かせ去っていく。
    そしていつだって心穏やかにさせてくれる。
    この心地良さがクセになる。

    • あいさん
      こんにちは(^-^)/

      くるたんのレビューも心地よいです(⁎˃ᴗ˂⁎)
      さすがだなぁ。
      私、この本好きだけどうまく掴めなかったん...
      こんにちは(^-^)/

      くるたんのレビューも心地よいです(⁎˃ᴗ˂⁎)
      さすがだなぁ。
      私、この本好きだけどうまく掴めなかったんだよね。
      もっと読解力、想像力を身につけないと(〃∀〃)ゞ
      吉田作品もまた読みたい作品のひとつ。
      今日から久し振りに購入した本を読むよ。
      加納朋子さんの新刊✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
      くるたんなら知っているだろうなぁ。
      2019/07/22
    • くるたんさん
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      ありがとう♡
      いやいや、私もこれは二回読んだよ。つまり一回じゃ味わえきれなかった(o´ェ`o)ゞエヘヘ
      向...
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      ありがとう♡
      いやいや、私もこれは二回読んだよ。つまり一回じゃ味わえきれなかった(o´ェ`o)ゞエヘヘ
      向こうでけいたんのレビュー再読したよ♪素敵だったよ♡
      そして懐かしかったわ♡

      加納朋子さん、「いつかの岸辺へ跳ねていく」かな⁇評判いいからけいたんのレビューも期待しちゃう(*≧∀≦*)

      私な「人生写真館の奇跡」を読んだよ。すごく良かった!すごく好きーー♪
      ご紹介に感謝だよ♡
      2019/07/22
  • 月舟町シリーズは三部作で、それらプラス1冊の番外編もある。
    何も知らなかった私が、吉田篤弘さんの初読みとして手にしたのはシリーズ2作目の「それからはスープのことばかり考えて暮らした」だった。
    そして今回1作目の「つむじ風食堂の夜」を読み終えた。

    吉田さんの作り出す世界が、終始心地好い。
    風変わりなキャラクター達が、夜毎つむじ風食堂で繰り広げるとめどない会話。
    洒落のきいた言葉遊びのようなやり取り、
    そもそも答えなど無いような議論、あえて核心を突かぬような物言い……いやいや、机上の空論と思う無かれ。
    話すことは考えること。
    彼らは不器用だけど、実は全て分かっているような気さえしてくる。

    きっと彼らは、あーだこーだと言葉を交わしながら、自分の位置を確かめているんじゃないかな。
    「あっちこっちから風が吹いてきて、それがくるりとひとつのつむじ風になるでしょう?それが"ここ"ってやつじゃないですか?」

    主人公の先生もまた、手品師だった今は亡き父親の思い出をなぞりながら、「オノレ・シュブラックの消滅」議論や、東西の果ての話、タブラさんとの会話などを経て、自分の位置を見つめ直してゆく。

    そして然り気無く、私達読者も街の住人たちに励まされているように感じた。
    「昔から何度も反芻してきた重要な自問。
    それを忘れてしまったのか、あるいは知らないうちに問いそのものが価値を失ってしまったのか。
    それが歳をとったっていうやつ。
    決して何かをあきらめたとか、そういうんじゃなく、何かもっと自然にどうでもよくなってしまう。」(本文の一部を抜粋し繋いでます)
    けれど帽子屋さんは言う。
    「これからが人生本番なんです。いやほんと」

    そんな流れの中に、素敵なエピソードや言葉が散りばめられている。
    呪文のような「エスプレーソ。タブラカタブラ。シューッ。」。
    「すべて平等に雨が降ってる」「でも、雨って、そのうちやむからいいんじゃないの?」。
    つまりは万歩計である「二重空間移動装置」。
    まるで月そのものがごろんとしているように、ほのぼのと明るいオレンジ。
    そのオレンジをめぐる、奈々津さんと先生のやり取り。
    300万円の「唐辛子千夜一夜奇譚」。
    父親そっくりの帽子。
    まだまだ沢山あって、この文章も染みる、この言葉も素敵…と付箋を立てていたらバサバサになった 笑

    今回も美味しい食べ物が物語に香りと味を添え、読者それぞれのイメージも思い出も掻き立ててくれる。
    クロケット定食、エスプレーソ、オレンジ…。

    そして吉田さんは、ため息を「皆、口々に魂を吐き出した」と表現する。
    この辺り、後の螺旋プロジェクト「天使も怪物も眠る夜」に活かされているのだろうな。

    あぁ、月舟町の住人になりたいな。
    もしかしたら住み慣れたこの街が、既に私にとっての月舟町なのかもしれないけど。



    ワニの涙 とは、偽善者が悲報に接して噓泣きをするような、偽りの不誠実な感情表現のことを指す言葉。
    ワニには涙管があり、目の潤滑のために涙を流すが、一般的には、水辺から長時間離れ、目が乾いているときに見られる。ただし、それが食事により起きる可能性があることが実証されている
    (Wikipediaより)

    • 傍らに珈琲を。さん
      フリージアさん、こちらにもお越し頂き有難う御座います。
      あの不思議な世界観が心地よくてクセになっちゃうんですよね♪
      フリージアさん、こちらにもお越し頂き有難う御座います。
      あの不思議な世界観が心地よくてクセになっちゃうんですよね♪
      2024/02/13
    • ぐっちょんさん
      コメント失礼します
      傍にコーヒーをさん
      の感想は、全て代弁してくれてて、とても上手で好きです。ブクログネームもステキです。
      コメント失礼します
      傍にコーヒーをさん
      の感想は、全て代弁してくれてて、とても上手で好きです。ブクログネームもステキです。
      2024/06/21
    • 傍らに珈琲を。さん
      ぐっちょんさん、こんにちは。
      嬉しいコメントを有難う御座います♪
      このところブクログの更新をお休みしてしまっているのですが、また始めた時は読...
      ぐっちょんさん、こんにちは。
      嬉しいコメントを有難う御座います♪
      このところブクログの更新をお休みしてしまっているのですが、また始めた時は読んで頂けると嬉しいです(*´▽`*)
      2024/06/21
  • ブクログやってなかったら出会わなかったであろう一冊。
    他の方のレビューを読んで、なんか気になったので手に取ってみるブクログの醍醐味。

    とある食堂の夜を中心に繰り広げられる凛とした空気感、優しさ、静謐さに溢れた”濃紺の背景に輝くひとつの星”の装丁のイメージどおりの物語。

    決して尖った人は出てこないのだが、”らしさ”を持った人々が食堂というアンカーを持ちながらそれぞれの人生を歩んでいる姿をときにシリアスにときにユーモラスに切り取っている。
    いろいろ悩みや不安、満たされない思いもあるのだろうが、こんな日常を送れたらと思ってしまうような穏やかで悪意のない世界。

    でも現実にはやれ「それが仕様です」だの、「そのアプローチじゃない」だの、どうでもよいビジネスワールド。
    だからこそ本を読んでしまうのです。

    • fukayanegiさん
      ベルガモットさん、こんばんは。

      なんか自分に聞いてもらえて嬉しいです!
      自分もそんなに読んでいるわけではないですが、この作品は間違いなく面...
      ベルガモットさん、こんばんは。

      なんか自分に聞いてもらえて嬉しいです!
      自分もそんなに読んでいるわけではないですが、この作品は間違いなく面白いですし、これを読んでからの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』への広がりはぐっとくるものがあります。

      あとは『屋根裏のチェリー』の世界観もものすごく好きだったのでおすすめです。
      2022/12/04
    • ☆ベルガモット☆さん
      fukayanegiさん、お返事ありがとうございます!

      魅力的なレビューで読んでみたくなりました~
      ミステリーはビビりなので読めてな...
      fukayanegiさん、お返事ありがとうございます!

      魅力的なレビューで読んでみたくなりました~
      ミステリーはビビりなので読めてないのですが、吉田篤弘さん作品をいくつか☆5つつけておられたのでおススメをお尋ねしてみました。
      『屋根裏のチェリー』と迷っているところです。ありがとうございます。
      2022/12/04
    • fukayanegiさん
      ベルガモットさん

      『屋根裏のチェリー』も捨てがたいのですが、ここはやはりつむじ風繋がりで本書ですかねw
      なんか繋がりがあるとそれだけで楽し...
      ベルガモットさん

      『屋根裏のチェリー』も捨てがたいのですが、ここはやはりつむじ風繋がりで本書ですかねw
      なんか繋がりがあるとそれだけで楽しさ増しますし。
      2022/12/05
  • つむじ風が扉の前でくるりくるりと廻っている、名無しの食堂。

    万歩計に、行ってみたい場所というロマンを勝手に乗っけて
    「二重空間移動装置」に格上げしてしまう帽子屋さん。

    舞台の幕にぽつんと開いたふたつの穴からのぞく黒ビロードの袖口。
    その袖口から出た手が操る、花や小鳥やワイングラス。

    豆腐屋の「水門」を抜け、36段の急な階段を昇って辿り着く屋根裏部屋。
    その部屋の中の、ふたごのような「雨の机」と「その他の机」。
    その机で、エスプレッソ・マシーンが人口降雨機となる日を夢想する先生。

    オレンジの果皮に電球の灯を反射させた淡い光で本を読む果物屋の青年。

    ごめんなさいのかわりに階段の33段めにひっそりとオレンジを置き
    お願い事をするのに上から物を言うのは失礼だから、と
    ぺったんこの靴を履いて先生の部屋のドアをノックする奈々津さん。

    映像や音や匂いが魔法のようにたちのぼって
    いつのまにかつむじ風食堂の隅の席で、猫のオセロの背中を撫でながら
    愛すべき月舟町の住人たちの会話に耳を傾けている私がいて。。。

    どこか浮世離れした、温かく懐かしい記憶だけしっかりと刻んで
    鋲で止めてあった形見の袖口という
    かたちあるものは鮮やかに消し去ったお父さん最後の手品のように
    読み手を不思議な時間に誘ってくれる、愛おしい本です。

    • まろんさん
      kara2sorakaraさん、コメントありがとうございます(*^_^*)

      詩的な雰囲気が好きだったり
      本を読むと頭の中で映像化してしまう...
      kara2sorakaraさん、コメントありがとうございます(*^_^*)

      詩的な雰囲気が好きだったり
      本を読むと頭の中で映像化してしまうのが好きだったりする方には
      きっとお気に入りにしていただける本だと思います♪
      2012/09/04
    • 永遠ニ馨ルさん
      さっそく読んでいただけたんですね!!(*´▽`*)!!

      このお話には、木の床を靴で歩くような温かみある音がずっと流れている気がします。
      ま...
      さっそく読んでいただけたんですね!!(*´▽`*)!!

      このお話には、木の床を靴で歩くような温かみある音がずっと流れている気がします。
      まろんさんの素敵レビューから、以前読んだ物語のいろんなシーンがありありと甦ってきてまた読みたくなっちゃいました♪
      2012/09/05
    • まろんさん
      永遠ニ馨ルさん、
      『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の後にはぜひこれを、と
      薦めてくださってありがとうございました♪♪♪
      月舟町...
      永遠ニ馨ルさん、
      『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の後にはぜひこれを、と
      薦めてくださってありがとうございました♪♪♪
      月舟町も、吉田篤弘さんも、ますます好きになってしまう1冊でした。

      木の床を靴で歩くような温かみある音。。。うんうん、確かに!
      そして、色でいったら
      『それからはスープ・・・』の方は、柔らかなセピア色。
      この『つむじかぜ食堂の夜』は、夜やエスプレッソの黒に、
      月光やオレンジの果皮に反射する淡い光が射しているイメージでしょうか。
      ほんとに素敵でした(*^_^*)
      2012/09/05
  • 文字を眺めるだけで小さなアニメーションが浮かぶ。
    ペンで描かれた細い細い線が頼りなく動く、シンプルなアニメーション。
    出てくる単語から言って、舞台はどう見ても日本だけれど、なぜか遠い世界の出来事のように思えるから不思議だ。

    「つむじ風食堂」で出会う人々を描いたこの物語は、その世界の温度も音も匂いもすぐ近くに感じられる。
    エスプレッソのマシーンの音に、グラスを拭く柔らかな布。果実の爽やかな香りに、夜の階段を登る足音。
    どの時代のお話なのかはついぞわからないまま、未来とも過去とも現在とも言える、なんとも不思議な感覚をふわふわと漂わせながらゆっくりと読み進めた。

    夜のお話のはずなのに、灯りが浮かぶ。
    皆が寝静まった頃の街の一部屋にのこる、つけっぱなしの電気スタンドの灯りのような。
    パチパチと火の粉が飛ぶ様をぼんやり見つめるような。
    ぽつんとそこにある、ある店のやんわりとしたオレンジ色の光ような。

    遠くのようで、世界の果てのようで、それでいて身近なようで。
    深い夜にそっと読みたい、小さなある食堂の物語。

  • 読んでいると、思わず顔がほころんでくる。
    懐がほっこりと暖かくなるような、寒い夜にはぴったりのほのぼのとしたお話だった。
    帽子屋さんの万歩計の話が素敵です。
    この場所にいながら、月舟町へ行けるという感覚、読んだあと、つむじ風のようにすうっと去っていくような不思議な感じが心地よいです。

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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