- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784480421746
感想・レビュー・書評
-
吉田篤弘さん「月舟町シリーズ3部作」の、はじまりの物語です。吉田篤弘作品との出合いが、シリーズ第2作『それからはスープのことばかり考えて暮らした』でした。その後、第3作の『レインコートを着た犬』を読み、また時間が経過してしまいました。
無作為選書で最後にこの第1作を読んだのですが、なぜか再読している懐かしさを感じました。
月舟町の十字路の角にある<つむじ風食堂>と、そこに集う個性的な常連客たちの会話と心情スケッチが、ゆったりと哀切を帯びた世界観で描かれます。
私見ですが、3部作の中では一番幻想的な雰囲気漂う作品かも‥と思いました。
夜や雨の描写、地球や孤独の本来あるべき姿、「ここ」の定義など、敢えて輪郭をぼかして曖昧にする表現が、不思議と心に響きます。
月舟町は、何となく異国情緒漂い架空の町に思えますが、時に、すぐ側にあるような錯覚も起こさせます。小さな町で、静かにゆっくり刻まれていく夜のひと時は、私たちに極上の癒しを与えてくれるようです。
私は、吉田篤弘作品を勝手に「"凪"の物語」だと思ってますが、ストーリーに引きつけられるとか、想いを込めたメッセージに心揺さぶられるなどとは無縁の、その世界観を楽しむのが吉田篤弘作品との付き合い方かなと、改めて思いました。
静かな夜に、五感を刺激されながら、ゆったりとした気持ちで読むことで、自然と心が落ち着き、穏やかに睡魔が誘います。一服の清涼剤兼精神安定剤かな‥。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-
Kazuさん、
いいね!ありがとうございます。
Kazuさんの感想を読んでいたら、読み返したくなり、思わずコメントしてしまいました…!吉田篤...Kazuさん、
いいね!ありがとうございます。
Kazuさんの感想を読んでいたら、読み返したくなり、思わずコメントしてしまいました…!吉田篤弘さん、いいですよね。「それからはスープのことばかり考えて暮らした」も大好きな作品です♩感想、楽しみに待っています!2023/02/22 -
yumiさん、おはようございます。
「自信ってなに」
「ここってどこ」
「哲学的な...」
と、私のレビューと同じキーワードが出てきてドキッ...yumiさん、おはようございます。
「自信ってなに」
「ここってどこ」
「哲学的な...」
と、私のレビューと同じキーワードが出てきてドキッとさせられたのはyumiさんのレビューだったのですね。(私がパクったみたい♪)
読んだ人みんな心をつかまれる場面なんだと思いたいです。
月舟町シリーズもまだ3作品あるので、しばらくは吉田篤弘ワールドに浸るつもりです。2023/02/22
-
-
吉田篤弘さんの描く世界…
ひっそりとした夜の暗闇の中にぼっと温かい灯りがともっているような、そんな心地よさが好きです。月舟町の屋根裏部屋に住みたいなぁ。 -
月舟町に住むちょっと風変わりな人達の日常のお話。
何だろう〜、この空気感。
特に何かが起こるわけでもなくて、そこには少しクセのある住人たちの日常がゆるっと描かれてるだけなのに、なぜだかとても心地良い。←言い方(・・;)
ノスタルジックな雰囲気もあったし、どこか空想的な感じもあった。
夏に読んじゃったけど、イメージとしては秋の夜長に静かに読むのがぴったりだと思う。
それにしてもイルクーツクって土地名が全然覚えられず、頭の中で噛みまくり笑
吉田さん、初めて読んだ作品には苦戦してしまったけど、この作品はとても好きでした〜!
シリーズ物なので、続編も時間のある時にゆったり読みたい♡♡-
2023/07/26
-
mihiroさん、おはようございます。
いいですよね、月舟町。
町も住人たちも愛おしくて、そのゆるゆるとした中で私も暮らしたくなりました。...mihiroさん、おはようございます。
いいですよね、月舟町。
町も住人たちも愛おしくて、そのゆるゆるとした中で私も暮らしたくなりました。
シリーズ、是非是非。
mihiroさんも吉田ワールドに捕まりましたね♪2023/07/27 -
傍らに珈琲を。さ〜ん、こんばんは(*^^*)
この作品の雰囲気、とても良かったですね〜♪
ほんと、ちょっと風変わりな住人たちが愛おしく感じち...傍らに珈琲を。さ〜ん、こんばんは(*^^*)
この作品の雰囲気、とても良かったですね〜♪
ほんと、ちょっと風変わりな住人たちが愛おしく感じちゃいました。
吉田さん、1作でやめなくて良かった〜笑
また図書館本ラッシュ終わったら、ゆったり2作目のスープ読もうと思ってます✌︎(๑˃̶͈̀◡︎˂̶͈́๑)✌︎2023/07/27
-
-
すごーく良いお話でした。
月舟町の、つむじ風食堂に集う人たちのお話です。(町の名前も食堂の名前もステキ)
まず、表紙が真っ黒に星一つなので、そんなイメージで読み始めました。登場人物も少ないので、まるで舞台の上で薄暗いライトを浴びながらお芝居をしているのを見ているような感覚でした。みんな、どことなく哲学的な物言いをして、でもそれを押し付けてこない感じが心地よかったです。 -
-
mofuさん、こんばんは(^^♪
一番最初に読んだ吉田さんの本です。
懐かしい~♡ なんとも不思議な温かい世界ですよね。
この本を読ん...mofuさん、こんばんは(^^♪
一番最初に読んだ吉田さんの本です。
懐かしい~♡ なんとも不思議な温かい世界ですよね。
この本を読んだときの時間を、取り戻したい!
なんて、ちょっぴり感動してしまいました。2020/10/04 -
nejidonさん、こんばんは。
吉田さんの中で一番有名な本ですよね。
私も知っていながら他の本を先に読んでいました。
もっと早くに読んでお...nejidonさん、こんばんは。
吉田さんの中で一番有名な本ですよね。
私も知っていながら他の本を先に読んでいました。
もっと早くに読んでおきたかった!
このほのぼのとした温かい世界観がとても好きです(*^^*)
この続編もぜひ読みたいと思います。
コメントをありがとうございました(^^)2020/10/04
-
-
「至福の時」と言う、ことばがある。
読書が「至福の時」となる時間がある。
至福の時…
はぁ…良すぎる…
読んでて、こんなにリラックスできる作家さんに出会えたことは、とても幸運なことだ。
なんだろ…この世界観が好きすぎる。
吉田篤弘さんの作品を読むと必ず出てくる感想…。コピペかと思うほど、似たような感想、感覚。
「つむじ風食堂と僕」を最初に読んでいて、どうやら今作の番外編だった模様。番外編を先に読んだわけで…
そして、今作は月舟町シリーズ3部作の最初の作品。
ふぅ…好きすぎる…
残りの2作も「至福の時」を過ごせると思うと、
まさに今も「至福の時」です…
やっぱり…いつものように…
コーヒー飲もうっと
今回はエスプレーソ…
あとがき
読後感が良かった作品は、特に、他のブクログさんの感想を読みたくなる。
今作は、800人以上もいるなぁ…
そして、やっぱり合わない人もいるんだなぁ
⭐️一つって…
人それぞれ、感じ方もそれぞれ。 -
いつぞや どなたかのレビューを読んで本棚に登録していた本。
ふと読みたくなり、図書館で借りた。
バタバタジタバタと日々過ごし、
忙しくしている割には、何も残らない。
そんな風に感じている自分に
時が処方してくれた本のようだ。
たまたま休みとなった平日の暖かい昼下がりに
のんびりとした気持ちでページをめくり、
なんとも言えない懐かしさと
ゆったりとした時の流れを感じることができ、
癒された。
この雨降り先生のように
本当にやりたいことを右の机に積み上げて、
日々生活のための左の机にかかりきり
という気がしてならない。
月舟町の小さな食堂で
常連客が掛け合うたわいない話が
何か哲学的で、宇宙の謎をとくような
不思議な味わいがある。
「もし、電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるなと。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるからって」
というバリスタ、タブラさんの言葉が心に響いた。
2022.3.14 -
静かな夜。ぽつんとひとつ灯をともす食堂に集まる人たち。ひとつひとつの言葉が穏やかに紡がれ、優しく包んでくれる。答えはいらない。ただ、そこにあるだけでいい。そう思える。なんて心地いいんだろう。月舟町とは私たちのこころにある場所なのかもしれない。
-
なんか、いい感じなのです。
月舟町の十字路の角にある、「つむじ風食堂」。
メニューはフレンチ風に、コロッケではなく「クロケット」などと立派だが、こじんまりした店に常連が集う。
店主は名無しを気取ったのだが、誰ともなくそう呼び習わしていた。
雨を降らせる研究をしている学者先生がこの街のこれまた風変わりな建物に下宿して、店の常連になった。
科学的な人工降雨というよりも雨乞いに関する書籍を集めることで人生を終わってしまいそうな暮らし。
短文を書きまくっては糊口をしのいでいる。
町の建物のひとつひとつや住人が個性的で、どこかファンタジック。
隣町の帽子屋さん、デ・ニーロみたいな古本屋の親方、夜中も灯りをつけて本を読んでいる果物屋の青年、ちょっと口が悪い舞台女優の奈々津さん。
奈々津さんと先生は同じ下宿の住人で、ささやかなやり取りから少しだけ近づいていく。
雨降りの先生の父親は手品師で、舞台の幕から手だけを出して演技していた。
丁寧に描かれた静かな雰囲気に、ふんわり包み込まれるよう。
勝ち組とは決していえないが、負けという感じでもない穏やかな人々。
夢のある、ほのかな温かさが心地よく、一緒にちょっとしたおしゃべりを楽しみたくなります。
こんな町に住んでみたいような。
どこにもないんだろうと思うような。
どんな町もこんな目で見れば、小さな魅力や出会いがあるかもしれないと思うような。
そんな気分に。
著者プロフィール
吉田篤弘の作品





