つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.68
  • (359)
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  • (95)
  • (22)
本棚登録 : 4211
レビュー : 644
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421746

作品紹介・あらすじ

懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、古本屋の「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋主人、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に集う人々が織りなす、懐かしくも清々しい物語。クラフト・エヴィング商會の物語作家による長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • なんか、いい感じなのです。

    月舟町の十字路の角にある、「つむじ風食堂」。
    メニューはフレンチ風に、コロッケではなく「クロケット」などと立派だが、こじんまりした店に常連が集う。
    店主は名無しを気取ったのだが、誰ともなくそう呼び習わしていた。

    雨を降らせる研究をしている学者先生がこの街のこれまた風変わりな建物に下宿して、店の常連になった。
    科学的な人工降雨というよりも雨乞いに関する書籍を集めることで人生を終わってしまいそうな暮らし。
    短文を書きまくっては糊口をしのいでいる。

    町の建物のひとつひとつや住人が個性的で、どこかファンタジック。
    隣町の帽子屋さん、デ・ニーロみたいな古本屋の親方、夜中も灯りをつけて本を読んでいる果物屋の青年、ちょっと口が悪い舞台女優の奈々津さん。
    奈々津さんと先生は同じ下宿の住人で、ささやかなやり取りから少しだけ近づいていく。
    雨降りの先生の父親は手品師で、舞台の幕から手だけを出して演技していた。

    丁寧に描かれた静かな雰囲気に、ふんわり包み込まれるよう。
    勝ち組とは決していえないが、負けという感じでもない穏やかな人々。
    夢のある、ほのかな温かさが心地よく、一緒にちょっとしたおしゃべりを楽しみたくなります。
    こんな町に住んでみたいような。
    どこにもないんだろうと思うような。
    どんな町もこんな目で見れば、小さな魅力や出会いがあるかもしれないと思うような。
    そんな気分に。

  • つむじ風が扉の前でくるりくるりと廻っている、名無しの食堂。

    万歩計に、行ってみたい場所というロマンを勝手に乗っけて
    「二重空間移動装置」に格上げしてしまう帽子屋さん。

    舞台の幕にぽつんと開いたふたつの穴からのぞく黒ビロードの袖口。
    その袖口から出た手が操る、花や小鳥やワイングラス。

    豆腐屋の「水門」を抜け、36段の急な階段を昇って辿り着く屋根裏部屋。
    その部屋の中の、ふたごのような「雨の机」と「その他の机」。
    その机で、エスプレッソ・マシーンが人口降雨機となる日を夢想する先生。

    オレンジの果皮に電球の灯を反射させた淡い光で本を読む果物屋の青年。

    ごめんなさいのかわりに階段の33段めにひっそりとオレンジを置き
    お願い事をするのに上から物を言うのは失礼だから、と
    ぺったんこの靴を履いて先生の部屋のドアをノックする奈々津さん。

    映像や音や匂いが魔法のようにたちのぼって
    いつのまにかつむじ風食堂の隅の席で、猫のオセロの背中を撫でながら
    愛すべき月舟町の住人たちの会話に耳を傾けている私がいて。。。

    どこか浮世離れした、温かく懐かしい記憶だけしっかりと刻んで
    鋲で止めてあった形見の袖口という
    かたちあるものは鮮やかに消し去ったお父さん最後の手品のように
    読み手を不思議な時間に誘ってくれる、愛おしい本です。

    • まろんさん
      kara2sorakaraさん、コメントありがとうございます(*^_^*)

      詩的な雰囲気が好きだったり
      本を読むと頭の中で映像化してしまう...
      kara2sorakaraさん、コメントありがとうございます(*^_^*)

      詩的な雰囲気が好きだったり
      本を読むと頭の中で映像化してしまうのが好きだったりする方には
      きっとお気に入りにしていただける本だと思います♪
      2012/09/04
    • 永遠ニ馨ルさん
      さっそく読んでいただけたんですね!!(*´▽`*)!!

      このお話には、木の床を靴で歩くような温かみある音がずっと流れている気がします。
      ま...
      さっそく読んでいただけたんですね!!(*´▽`*)!!

      このお話には、木の床を靴で歩くような温かみある音がずっと流れている気がします。
      まろんさんの素敵レビューから、以前読んだ物語のいろんなシーンがありありと甦ってきてまた読みたくなっちゃいました♪
      2012/09/05
    • まろんさん
      永遠ニ馨ルさん、
      『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の後にはぜひこれを、と
      薦めてくださってありがとうございました♪♪♪
      月舟町...
      永遠ニ馨ルさん、
      『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の後にはぜひこれを、と
      薦めてくださってありがとうございました♪♪♪
      月舟町も、吉田篤弘さんも、ますます好きになってしまう1冊でした。

      木の床を靴で歩くような温かみある音。。。うんうん、確かに!
      そして、色でいったら
      『それからはスープ・・・』の方は、柔らかなセピア色。
      この『つむじかぜ食堂の夜』は、夜やエスプレッソの黒に、
      月光やオレンジの果皮に反射する淡い光が射しているイメージでしょうか。
      ほんとに素敵でした(*^_^*)
      2012/09/05
  • 月舟町という街を舞台に紡がれていく夜、ゆっくりと流れるひとときはどこかゆらゆらしていて朧げで、儚げで、まるでつかみどころのない、蜃気楼が見せるような物語の印象。

    その街と、時を紡ぐ人々が織りなす世界をひたすら眺め味わう時間に心がふわふわし、何気ない会話、言葉に心が共鳴する。
    そうだ、自分も今、この瞬間にどこか遠い地で本を読んでいる人がいる、ということを思うのがたまらなく好きなんだよなぁ…と。

    吉田さんの描く夜。そっと心に幸せな風をひと風吹かせ去っていく。
    そしていつだって心穏やかにさせてくれる。
    この心地良さがクセになる。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      くるたんのレビューも心地よいです(⁎˃ᴗ˂⁎)
      さすがだなぁ。
      私、この本好きだけどうまく掴めなかったん...
      こんにちは(^-^)/

      くるたんのレビューも心地よいです(⁎˃ᴗ˂⁎)
      さすがだなぁ。
      私、この本好きだけどうまく掴めなかったんだよね。
      もっと読解力、想像力を身につけないと(〃∀〃)ゞ
      吉田作品もまた読みたい作品のひとつ。
      今日から久し振りに購入した本を読むよ。
      加納朋子さんの新刊✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
      くるたんなら知っているだろうなぁ。
      2019/07/22
    • くるたんさん
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      ありがとう♡
      いやいや、私もこれは二回読んだよ。つまり一回じゃ味わえきれなかった(o´ェ`o)ゞエヘヘ
      向...
      けいたん♪(●'∇')ハロー♪

      ありがとう♡
      いやいや、私もこれは二回読んだよ。つまり一回じゃ味わえきれなかった(o´ェ`o)ゞエヘヘ
      向こうでけいたんのレビュー再読したよ♪素敵だったよ♡
      そして懐かしかったわ♡

      加納朋子さん、「いつかの岸辺へ跳ねていく」かな⁇評判いいからけいたんのレビューも期待しちゃう(*≧∀≦*)

      私な「人生写真館の奇跡」を読んだよ。すごく良かった!すごく好きーー♪
      ご紹介に感謝だよ♡
      2019/07/22
  • つむじ風がくるりくるり。名無しの食堂には一見立派なメニューブック。クロケット(コロッケ)、ジンジャーポーク(生姜焼き)などお馴染みの料理もちょっとよそいき顔。

    刺激やわくわく、ドキドキを求めているときには物足りないかもしれません。あっさりした、でもじんわりゆっくり温まるコンソメスープのような味わいの本です。安定の吉田篤弘さん。

    揚げたてのサックリほくほくのコロッケ(この際クロケットでなくても問題なし)!ミンチ肉なんてちょっぴりでかまわないんです。火傷しそうに熱いのをはふはふと!

    フレンチなんかで付け合わせに出てくるマッシュポテト!バターの香りがふわっとして、なめらかな中にほんのりおいもの甘みを感じる…

    フライドポテトはマクドのが好きです。しなっとしてるのもカリカリのも、好きです。やめられない、止まらない。

    …単なるじゃがいも好きの芋レポになってしまいました。

    • katatumuruさん
      美味しい料理が出てくる本っていいですよね!(^^)!
      でも私はイモ類が苦手なんです^^;
      何となくイモ好きな女子に憧れます。
      美味しい料理が出てくる本っていいですよね!(^^)!
      でも私はイモ類が苦手なんです^^;
      何となくイモ好きな女子に憧れます。
      2013/08/28
    • hetarebooksさん
      katatumuruさん

      なんと!イモ類ダメですか~。なんだかクールでそっちの方が憧れます。

      私は栗・芋・南瓜などほくほく食感に弱くて・...
      katatumuruさん

      なんと!イモ類ダメですか~。なんだかクールでそっちの方が憧れます。

      私は栗・芋・南瓜などほくほく食感に弱くて・・・イモ好き女子なんてイモ臭くてオススメしませんよ(笑)
      2013/08/29
  • 十字路の角にぽつんとひとつ灯をともす食堂。
    その十字路にはあちらこちらから風が吹きつのるので、いつでもつむじ風がひとつ、くるりと回っている。
    いつの間にか「つむじ風食堂」とよばれるになったその風変わりな食堂には、ちょっと変わった常連さんたちが集う。

    「私」は、月舟アパートメントの屋根裏に住む、人工降雨の研究者兼、物書き。
    なんだか地に足がつかないというか、雲の上をふわり、ふわりと歩いたような、不思議な読後感だった。

    安食堂だけど、お洒落できちんとしたメニューブックを用意し、ナイフとフォークでいただくちょっと気取ったお料理を出す、つむじ風食堂のマスターがすてき。なかでも普通のコロッケじゃないんだぜ、と気張って名付けられた「クロケット」がお気に入り。
    それから、手が空いたときにはそっと水色のやわらかい布で銀色のエスプレーソマシーンを磨くコーヒースタンドのタブラさん。
    「タブラさん、エスプレーソ。砂糖はいらないよ。」
    って。私もタブラさんにそう注文してみたい。

    後から知ったのだけど、これは、「それからはスープのことばかり考えて暮らした」と同じ月舟町の物語で、ひとつ前の作品とのこと。
    あれ?何か知ってる?と思ったのも、別に同じ作者さんだからというだけじゃなかったみたい(笑)

    なんだかまだふわふわしちゃってる。
    私も月舟町に、少しだけお呼ばれしてたのかも。

    • まろんさん
      月舟町に、少しだけお呼ばれ。。。いいですね♪

      「それからはスープのことばかり考えて暮らした」がセピア色のイメージなら
      「つむじ風食堂の夜」...
      月舟町に、少しだけお呼ばれ。。。いいですね♪

      「それからはスープのことばかり考えて暮らした」がセピア色のイメージなら
      「つむじ風食堂の夜」は、あたたかみのある、マットな黒に
      どこかで灯された灯りが静かに差し込む感じでしょうか。

      はっきりと起承転結があるわけじゃないし、大きな事件も起こらないけれど
      屋根裏部屋に並ぶ双子みたいな机とか、階段にひとつ置かれたオレンジとか、
      オセロのような白黒猫とか、映像がふんわりと浮かび上がって
      魔法にかかったような心地になってしまう本ですよね。

      私もタブラさんのエスプレーソは飲んでみたいけれど、
      味覚がおこちゃまなので、きっとお砂糖は必須です(笑)
      2012/11/12
    • マリモさん
      まろんさんこんにちは♪

      >マットな黒にどこかで灯された灯りが静かに差し込む感じ

      そうですね、まさにそんなイメージです!
      オチを求めちゃう...
      まろんさんこんにちは♪

      >マットな黒にどこかで灯された灯りが静かに差し込む感じ

      そうですね、まさにそんなイメージです!
      オチを求めちゃうと物足りないのかもしれませんが、
      エピソードのひとつひとつに温かみがあって、
      読み終わったあとも反芻して楽しめますね。
      出てくる食べ物もなんだか美味しそうで…

      私も味覚おこちゃまなんでいつも砂糖入りなんですが、想像の中で大人ぶってみました!(笑)
      2012/11/13
  • 短い内容なんだけど、凄く素敵なお話しだった。
    雨を降らす研究をしてる主人公、彼がいつも行く食堂で出会う人々との交流。
    月舟アパートの屋根裏っていうだけでワクワクしちゃう。
    吉田さんの作品をもっと読みたくなりました。

  • 食べ物が出てくる
    小説や映画に目がない自分にとって、
    まさにヨダレが出るほど
    ツボにハマった小説です(o^-^o)


    古めかしい飴色のテーブル、

    漆喰の
    不思議に色褪せた壁、

    傷だらけだけど美しい
    白の皿やコップ、

    ため息さえも
    宙に浮かんでしまいそうな、
    暖房のきかぬ
    オンボロの安食堂。

    それは十字路の角に
    ぽつんとあって、
    店前にはいつも
    つむじ風が舞っているので、
    「つむじ風食堂」と
    いつしか客たちは
    呼ぶようになった。

    そんな「つむじ風食堂」に集う人々の距離感が
    近すぎず遠すぎず
    本当に絶妙で、

    ベタベタしていないのに
    あったかくて、

    自分自身が
    食堂の常連になったような気分で
    身近な人々の話として
    終始ニヤケながら
    読んでました(笑)
    (このへんは映画「かもめ食堂」に流れる空気感に少し似てるかも)

    どんな人でも
    2時間もあれば読めてしまう本だけど、
    誰もが持つ遠い記憶の中の
    童話を読んでいるようで
    とにかく心地いい。


    シンプルだけど
    厳選され吟味されたであろう言葉たち。

    やわらかで繊細な文章が
    読む人を
    ここではない
    どこかにある世界へ
    連れていってくれる。


    昔堅気で無口な
    「つむじ風食堂」の店主。

    月舟アパートに住み、
    この物語の語り手である
    「雨降り先生」。

    帽子屋で変わり者の
    桜田さん。

    コーヒースタンドのマスターの
    タブラさん。

    体の半分が白毛、
    もう半分が黒毛の
    チビ猫のオセロ。

    イルクーツクに行きたい
    果物屋の青年。

    背の高い舞台女優・
    奈々津さん。

    古本屋の店主の
    「デ・ニーロの親方」

    そして地下のフロアにある
    小さなコーヒースタンドと
    銀色に輝く
    エスプレッソ・マシーン。


    好きな場面が沢山ある小説やけど
    オレンジに反射した光で
    本を読む果物屋の青年のシーンや、

    仲直りするために
    階段に置かれたオレンジのシーンが
    特にお気に入りです。

    静かで穏やかだけど、
    決して変わらない
    『確かなもの』を描いた
    雨の夜に
    ゆるゆると読みたい小説。


    それにしてもいつか、
    いつか、
    いつの日か、
    「つむじ風食堂」に行って、
    心も身体もあたためてくれるような
    クロケットを食べてみたいなぁ〜(^O^)


    姉妹編となる
    「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
    も併せてオススメします♪

    • 円軌道の外さん

      maiさん、
      フォロー&コメント&お気に入りポチ
      ありがとうございます(^O^)

      あははは(笑)
      お気に召していただけたなら...

      maiさん、
      フォロー&コメント&お気に入りポチ
      ありがとうございます(^O^)

      あははは(笑)
      お気に召していただけたなら恐縮です♪

      自分も食べることには目がない
      いただきます体質なんで(笑)

      『食』をテーマにした作品は
      大好きなんです(^_^)

      自分がブクログで紹介してるものは
      自分が感動した作品ばかりを選んで並べているので、
      どれもオススメです(笑)

      瀬尾まいこさんの作品は
      読まれてますか?

      彼女の小説はどの作品にも
      食べるシーンが必ず出てくるし、
      どの食べ物もホンマに美味そうなんで(笑)

      未読でしたら
      また読んでみてくださいね♪


      2012/05/31
    • maiさん
      瀬尾まいこさんなら、卵の緒が大好きです!田辺聖子さんの、春情蛸の足も是非読んで欲しい!最高です!
      瀬尾サンも、深めてみます!
      瀬尾まいこさんなら、卵の緒が大好きです!田辺聖子さんの、春情蛸の足も是非読んで欲しい!最高です!
      瀬尾サンも、深めてみます!
      2012/06/01
    • 円軌道の外さん

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます!

      おおーっ
      『卵の緒』いいっスよね〜(^O^)

      田辺さんの
      『春情蛸の足...

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます!

      おおーっ
      『卵の緒』いいっスよね〜(^O^)

      田辺さんの
      『春情蛸の足』は読んだことないんで、
      今度チェックしてみますね♪

      よだれタラタラになるかな?(笑)



      あと食べ物が美味しそうな小説なら
      吉本ばなな、

      エッセイなら
      高山なおみ、平松洋子、

      料理本なら飯島奈美、

      あと漫画なら
      羽海野チカかな(笑)

      2012/06/04
  • 「ここってなんでしょう?ここってどこでしょう?」『ここ』の定義とは?、答えがあるようなないようなお話が、現実にあるようなないような月舟町で淡々と静かに優しく流れていく。
    先生と奈々津さんの「ここにいる」がよかった。私もここが好き、だからここにいるんだ。

    本を読んでいる間先生の言うところの「頭ここにあらず」の時間が多々あった。私はどこに行っていたのだろうか?つむじ風にのって月舟町へ?そこでぼんやり先生たちを眺めていたような気がする。そんな1週間だった。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この作家さん、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の方だよね?
      どこかつかみどころのない温かさ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この作家さん、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の方だよね?
      どこかつかみどころのない温かさと、
      美味しそうなサンドイッチとスープでほっこりしたのを覚えてます。

      これも美味しそうなもの出てくるのかな?
      つい、そこが気になるという…(笑)
      2016/09/06
    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      コメントありがとう♪
      そうそう「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の人だよ。
      私はこの作品が初...
      こんばんは(^-^)/

      コメントありがとう♪
      そうそう「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の人だよ。
      私はこの作品が初めてなので読んだことはないけどね。
      この世界どこか摑みどころないよね。
      ほんわかした世界に迷い込んだ感じ。
      サンドイッチとスープが美味しそうだったんだね(*≧艸≦)

      この作品も食堂が出てくるからクロケットとかステーキとか出てくるけど、あまりお話に絡んでこないのでちょっと食いしん坊に私には物足りなかったよ(笑)

      もっと温かい料理、温かい人々の話を期待していたからね。
      でもこの町の雰囲気はなんとも言えない良さがあったよ。
      2016/09/08
  • 心地よい空気感の作品でした。
    食堂のごはん、サーモン定食、オムライス、ポークジンジャー…食べたいです…。コロッケよりクロケットの方がおいしそうに思えるのは何故でしょう。

    奈々津さんとの帰り道で、先生が街灯の下でオレンジを投げるシーンが好きです。
    タブラさんが息子に言った言葉「電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるなと。黙って待っていれば次の電車では一番乗りになれるから」、がとてもいい言葉だなと思いました。肩に力が入っている人がいたらこういう風に声をかけてあげたいです。

    食堂のあるじ、おしゃべりな帽子屋、哲学的果物屋、デ・ニーロ風古本屋に自信のない女優、さらには手品師の父親に人口降雨の研究をしている物書きの雨降り先生…。
    魅力的な登場人物たちのいる、静かで優しい月舟町のお話。
    終わり方も清々しくてとてもよかったです。

  • 月舟町のとあるアパートの屋根裏に住む「先生」と、それを取り巻く月舟町の住人。先生はいつも、つむじ風の起こる四つ角に立つ「つむじ風食堂」で住人達の他愛もない話に耳を傾ける。
    結局私は、こういう本が一番好きかもしれないと思った。ぼんやりと流れる時間と個性的だけど優しい人々、ノスタルジックな町の風景…。これからの人生で何度も読みたい。それもふと思い立った時に。

  • ゆっくり読んでよかった。
    日常の街の人たちの会話や情景が、何てことないのに深く染みてくる感じ。
    ひとつひとつのエピソードの終わりには、ほっと温かくなるようなお話。
    「それからはスープのことばかり考えて暮らした」が昼の街なら、この作品は夜の街という風に、別の町が舞台ですがどちらもとても優しく、読み終えた後に今日もいい1日だったと思える本でした。
    この作品の舞台である月舟町ですが、「それからはスープのことばかり考えて暮らした」にも月舟シネマという月舟町にある映画館という形で登場します。
    どちらもとても好きな作品なので、読んでいてこんなところで繋がっているんだなと嬉しくなりました。

  • どうしようもなく疲れ切ってしまった心。
    そんな時に一冊の本に手を伸ばす。不思議なことに、そこには直接的ではないにしろ、今わたしの求めている何かが隠れていたりする。

    今宵、わたしが迷い込んだのは月舟町。
    つむじ風食堂で、帽子屋の話に耳を傾け、雨降り先生とクロケットをいただこう。
    帰りに果物屋でオレンジを買って、奈々津さんにプレゼントしようか。
    つむじ風が夜空へ袖口を巻き上げ鮮やかに消滅させた瞬間、わたしの中の何かも消滅したのだ

  • 月舟町にやってきた先生はある食堂を訪れる。
    帽子屋の桜田さん、舞台女優の奈々津さん、果物屋の青年など常連客が集うその食堂で
    帽子屋は万歩計いやいや、<二重空間移動装置>を買わないかと周囲に持ちかける。

    映画が良かったので原作も読んでみました。
    映画を酷評している原作ファンのレビューもみましたが、
    原作の雰囲気を上手く映画も出していると思いました。

    こんな食堂や町があったら行ってみたいと思った。
    それとも、過ぎ行く電車の町明かりの一つがつむじ風食堂なのかもしれない。

  • 読んでいると、思わず顔がほころんでくる。
    懐がほっこりと暖かくなるような、寒い夜にはぴったりのほのぼのとしたお話だった。
    帽子屋さんの万歩計の話が素敵です。
    この場所にいながら、月舟町へ行けるという感覚、読んだあと、つむじ風のようにすうっと去っていくような不思議な感じが心地よいです。

  • 自分が一番好きなのは、夏の青空とか入道雲とか川とか緑とか、とにかく明るく前向きな雰囲気なもの。でも、それは夕暮れの蜩やら夜の静寂やら雨の静謐さといった、明るい雰囲気とは対極にあるようなものがあってこそ。
    どことなく寂しげで静けさを感じさせてくれるものは、明るい気持ちにさせてくれるものと同じくらい、自分にとってとても大事なもの、と思っています。
    夏が終わって秋・冬を迎えるこれからの季節は、そんな静かなものを最も愉しめる時期。

    音が遠く感じられる夜、音もなく静かに降る雨、甘やかに電球の灯を反射するオレンジ、街灯に照らされる影。どこか遠く。
    全編通して静かな雰囲気。
    主人公と奈々津さんの間にほんの少し、風が吹いて(?)、
    おやっと心が沸き立ちますけど、やっぱり穏やかな世界。

    秋の夜長に読むことができてよかった。

    クロケット定食、うまそうだなあ、と思いながらそんなことを考えました。

    • 永遠ニ馨ルさん
      こんにちは!
      さっそく、こちらも手にとってくださったんですね♪
      しかも、月舟町を彷彿とさせるようなとても素敵レビュー。
      自分の好きな作品を同...
      こんにちは!
      さっそく、こちらも手にとってくださったんですね♪
      しかも、月舟町を彷彿とさせるようなとても素敵レビュー。
      自分の好きな作品を同じように気に入ってくださったことがすごく嬉しくて(ニマニマしながら)コメントしています(笑)
      私もznkrmさんと同じで、明るく前向きで希望を持てるものがとても好きですが、やはり同じくらい静けさを感じさせるものにも惹かれます。
      「明るいものと対極にあるようなものがあってこそ」
      のお言葉に、はっとさせられました。
      そうですよね、光があればこそ影が生まれるのですから、どちらも同じぐらい、大切なもの。

      私も今読んでいる本を読了したら、つむじ風食堂を再び訪れようかなぁ。
      足元をぐるり舞うつむじ風と共にドアを開け、
      クロケット定食をゆっくりと食べ、
      電灯に照らされる店先のオレンジを見つめ、
      きしむ階段を、ボクッボクッと踏みしめて。
      これから冬にかけての時期が「つむじ風食堂」の旬なのかもしれませんね(*´▽`*)
      2012/10/12
    • znkrmさん
      こんにちは~。コメントありがとうございます(´▽`

      自分ももう少し寒くなったら、また読み返そうかと思ってます。
      (「それからはスープのこと...
      こんにちは~。コメントありがとうございます(´▽`

      自分ももう少し寒くなったら、また読み返そうかと思ってます。
      (「それからはスープのことばかり考えて暮らした」も)

      ちなみに、さっき軽く拾い読みしたのですが、油揚げの甘辛煮がものすごく食べたくなってしまいました。食堂関係ないですけど(^_^;
      2012/10/14
  • どこかノスタルジックな雰囲気の物語。
    新書のような表紙に、一瞬あれ?と思います。
    月舟町と、地名が書かれているのに、はじめのうちは異国の話かと思ったほど、日常光景が描かれていながら、非日常感があふれている世界。
    そして短編集かと思いきや、全てのストーリーは繋がっていました。

    「つむじ風」という言葉から始まり、舞台に手だけ見せて手品を披露するマジシャンや、磨き抜かれたエスプレッソ・マシーン、段差の大きな階段を上りきった屋根裏住まい、タブラさんと呼ばれる人、売る人で300万円になったり200円になったりする古本、男性か女性かわからない人物、身体が半分ずつ白と黒に分かれている、オセロという名の猫、イルクーツクで星を描く仕事に憧れる読書家、オレンジを光に反射させて読書する果物屋の青年、そっくりの二つの仕事用机を雨の机とそれ以外の机に分けている先生、人口雨を降らせる研究をしている先生、父と同じ型の帽子など、大勢のもの魅力的な人物が登場し、ディテールまでゆきとどいた世界観が居心地の良さを作り出しています。

    風通しのいい、詩的にも感じられる文章ですが、私には散文的に感じられました。
    魅力的な設定がそこかしこにちりばめられた物語なので、この倍、いや3倍くらいのものにしても世界を崩すことなく、もっと詳細な作品となったのではないかと思います。
    このどこか字足らずで物足りなさが残る感じも、また印象的ですが。

    万歩計の「二重空間移動装置」については、結局よくわからないままでした。

    なんとなく、タイトルから『かたつむり食堂』を連想していました。
    どちらの食堂も、そう高級ではないけれど地元に愛され支えられているという雰囲気。
    読んだ人誰もが、この町の住人になりたいと思うような、暖かさと静けさを持つ物語です。

    著者のプロフィールにあるクラフト・エヴィング商會について、まったく知らずにいましたが、このような作品を出しているのであれば、今後チェックしていきたいです。

  • 月舟町にある月舟アパートメントの屋根裏に住む通称雨降り先生を中心に、古本屋の主人デニーロ親方、読書家である果物屋の青年、謎多き帽子屋の桜田さん、駆け出しの舞台女優・奈々津さんなど、つむじ風食堂に集う人々が紡ぐ、温かく少し不思議な物語。

    取り立てて大きな事件は起こらない、終始穏やかな小説。描かれているのはたくさんの日々に埋もれそうな些細な一日の出来事だけど、話の流れが何だか不思議だったり、哲学的な言葉や思想が紛れていたり…淡いのにぴんと張りつめているような空気もある、独特な読み心地だった。
    時折挟み込まれる、手品師のお父さんのエピソードがおもしろく、そのおもしろいところが切ないという、これまた独特な感じ。
    これは文章の雰囲気によるものなのか、それとも内容やエピソードの組み込み方によるものなのか。
    両方、かな。
    怖くない寓話というか、穏やかな中に色んな教訓が隠されているような。
    うまく言えないけれど(笑)癒やされながら読んだのに妙に心に残った。
    既に映画化もされているらしいからそれも気になる。

  • 使いこまれたシルバーのカトラリーや、きちんと繕われたツイードのコートを(勝手に)連想させる、ていねいに綴られた物語。抽象的な話題が、ゆるやかに成立する空気が好き。情報過多な日々、時にはつむじ風食堂に集う人々みたいにあったかくてのんきな哲学したいなあ。

  • 2015.6.28に閉店してしまったくすみ書房さんで閉店前日に購入した本のうちの一冊。
    本の内容とは違うけどちょっと本屋さんの感想。

    くすみ書房さんは、すみずみから経営している人がいかに本が大好きなのかが伝わってくる、本当にすばらしい本屋さんでした。見て回っているうちにどうしてこういう本屋さんがなくなってしまうのかやるせなくて涙がでそうになるくらい。
    そこで特設コーナーをおいて紹介されていたのが筑摩書房の本。その中でもひときわ美しい装丁のこの文庫本を、二度と来ることが叶わない本屋さんの形見にと購入しました。

    本の内容はある街と、ある物書きの男性を中心とした淡々としながらも一つ一つ美しいお話。
    白い皿、オレンジ、星の本、人工降雨、果物屋の青年、手品、エスプレーソ、クロケット。どれも骨董みたいに美しくて滑らかな文章は読んでて心地よさを感じました。文庫なのに凝ったつくりになってて洒落てるのに童話のような優しさがある本。大切にしたい。

  • 私は本来は、本書のような起承転結がはっきりしていないお話は苦手で最後まで読みきれなかったりするのだが、本書はわりと読み易かった。

    夜道を歩く人に灯りを提供するために遅くまで店を開けているのが果物屋さんであることは、どこか他の本でも読んだことがある。

    階段に置かれたオレンジの件では、題名は忘れたが白い帽子の下に捕まえた蝶の代わりに置かれた夏みかんの話をなんとなく思い出した。

    そして前半を読んでいる間に、どの部分がとは説明しがたく漠然とだけれど「坊ちゃん」ぽいなという奇妙な感覚になった。
    後から、他の方のレビューに「吾輩は猫である」や「夏目漱石」っぽいとの記述を拝見し、ああやっぱりと納得。

  • 「種も仕掛けもございません。」ーあるじの心意気の食堂、お父さんの手品、ドーナツカウンターの喫茶タブラ、夜更けの果物屋さん、どれもあったらいいなぁ。幻想的で哲学的でしみじみとした、読むヒーリング音楽のよう。 三部作となってるそうでそちらも楽しみ。

  • 月舟町にあるつむじ風食堂に集まる人達の話。

    タイトルにあるように、みんな夜に食堂に集まって話したりするし、なんとなく読んでるとしん、とした雰囲気がある。
    でも主人公と父親の話とかはふんわりとした気分にもなる。

    ときおり、クスっとするような場面があったりもして、気持ちが穏やかになる本だと思います。

    「大人が全速で走るのは、何か怖いことが起きたときなのだ。でなければ、走っているその人が怖い。」など。

    夜遅くまでやってる食堂っていいですね。
    クロケットが食べたいなぁー

    • 野田食堂さん
      常連があれこれ会話する飲み屋さんというのはあっても、食堂ってのはなかなかないですよね。私も、こんな店が近くにあったらなと夢想してます(^^)
      常連があれこれ会話する飲み屋さんというのはあっても、食堂ってのはなかなかないですよね。私も、こんな店が近くにあったらなと夢想してます(^^)
      2014/02/07
    • mgsaekiさん
      こんなお店で仕事帰りにビールを飲みながら夕飯を食べたいです。。

      奈々津さんがオセロに「やい、オセロ」「黒か白かはっきりせい」と話しかけ...
      こんなお店で仕事帰りにビールを飲みながら夕飯を食べたいです。。

      奈々津さんがオセロに「やい、オセロ」「黒か白かはっきりせい」と話しかけてるところとか、ちょっと森見登美彦さんを思い起こしました。
      なので今は有頂天家族を読み返してます。

      ふはふはの毛玉に触りたいw
      2014/02/08
  • あぁ、とてもよかった。読み終えるのが惜しいと思う本に久しぶりに出会った。
    素晴らしい!と思う作品って、何冊もある。その中で、この本はこの先も定期的に体に通したい作品だ。

    静かにゆっくりと時間が流れるような物語が好きだ。
    日常を描いているのだが、少しキャラクターが変わっているため非日常に見える物語が好きだ。

    ストーリに盛り上がりはなく同じ調子で話は淡々と進むのだけど、退屈しない。各章の終わり方が物語からすーっと抜けていく様で、心地よい。余韻に浸るのが楽しい。

  • もし私が小説を書くならこんなのを書きたいって思った。
    普通の人々が普通の日々を淡々と丁寧に生きてて、そこで交わされるどことなく哲学的な会話。
    何が起こるわけでもないけど、人生の大切な問いかけがある、そんな小説。
    この著書の言葉の選び方が好き。

  • 何度読んでも、この世界が好きです。
    月舟町も行ってみたいですし、むしろ暮らしたいです。
    世界の片隅にあるようで無いようで…でも暮らしがある感じが心地好いです。
    登場人物たちも不思議な空気の人たちでした。
    ああ…月舟町で暮らしたいです。つくづく。

  • 眠れない夜に読み始めた本。
    それからは夜だけじゃなくカフェにもどこにも持っていったけど、やっぱり家族が寝静まった後に少しずつゆっくり読むのが一番合ってた気がする。
    好きな作家さんが出来て嬉しい。

  • 2018.7.27読了
    ☆5

    読み終えてしまうのがもったいないと思いつつも、あっという間に読了。
    不器用な主人公雨降り先生とユーモラスなご近所さんたちのお話。
    心がほっこり温まり癒された。

  • 静かで、時間の流れが違って、読んでいるあいだじゅう別の空間にいるようでした。なんとも言えない読後感は旅から帰ってきようです。

  • 『それからはスープ〜』に続き、吉田作品二作目。「月舟町」を舞台としたシリーズものと知らず、順序が逆になってしまったが、奈々津さんの若い頃?が読めて良かった!いいキャラだなぁ、やっぱ。所々にクスリとする笑いありで、心がジワーッと温かくなる作品。いつもいつも殺人事件ものを読んでるから、心に平穏を齎す作品は貴重だ!

  • なんて綺麗な文章を書くかたなんでしょう。吉田篤弘さん。

    教科書や入試に出て来そうな文章だな。と思ったけれど一気に引き込まれて一気に読んでしまった。

    綺麗で素直な文章。だけど飽きたりしない。
    表現が豊かでとても綺麗。素敵。
    でもややこしく回りくどく「こんな表現できちゃうオレ。カッコいいでしょ」みたいなのをくどくど重ねる人もいるけど、そんなんじゃない。

    キャラも立ってる。みんなそれぞれ個性がある。
    みんな好き。
    ほんわかと言えばほんわかです。
    でも、そんな一言じゃ終わらないかな。
    読んだ後も爽やか。続きが読みたい。

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著者プロフィール

吉田篤弘(よしだ・あつひろ)
1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を続けている。著書に『フィンガーボウルの話のつづき』『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『木挽町月光夜咄』『電氣ホテル』『台所のラジオ』『金曜日の本』『神様のいる街』『あること、ないこと』『雲と鉛筆』『おやすみ、東京』など多数。

「2018年 『おるもすと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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